Webデザインで貧困問題や格差を解決できるか?

ブログを読んでくださった方からめずらしく質問をいただきました。わたしなりの答えはあるのですが、もし他の方ならどう思われるのかな?ということに興味が出て、了承をいただいてこちらで公開して回答させていただきます。

-----質問

質問に関してはweb制作、webデザインとい職は世界の貧困問題や、世界を変える仕事ができるかという点です。

というのも僕がこの職に興味を持った理由は、「世界を変えるデザインーものづくりには夢がある」という本を読み、デザイナーという職業に興味を持ちました。

この本ではデザイナーという職やエンジニアが職業が人口の10%の富裕層にしか使われてなく、貧困層である90%のためにもBOPビジネスとして活躍できるというお話です。

例えば、ラップトップといったもので子供の教育を変えたり、泥水を飲み水にできるような道具といったものも紹介されています。

僕はいままでやりたい事というものがなく、この学生期間で営業や留学、最近ではプログラミングの勉強もしましたが、どれもやりたい事という事が見出せずにいました。

ただもし自分の仕事が自分の関心がある貧困問題や格差を解決できるのなら素晴らしいと思い、今後の活動を考えています。

そこでプログラミングを勉強していた事もあり、またものずくりというものにも憧れがあります。そこでwebデザインを勉強しようかと考えています。

しかしwebデザインは僕のイメージでは、システムがあり、サイトのホームページのような表面を作る仕事のイメージで、ここでいうデザインとは少し違うのでは?という疑問が出てきました。

もちろんいろんな形でBOPビジネスとして関わる事はできると思いますが、

このwebデザインという仕事はBOPビジネスや世界を変える仕事として携わっていけるようになりますでしょうか? 

-----わたしの答え

デザインで貧困問題や格差を解決できる…Yes
貧困問題や格差を解決できるためにはデザインが必要…No

どうやって説明しようか悩みましたが、わかりにくいと評判のたとえ話でいこうと思います。

例えば、「サッカーをすれば女性にモテるか」という話がわかりやすいように思います。サッカーをしている人で女性にモテるひとはいるでしょう、しかしサッカーをしていなくてもモテる人はいます。また、サッカーだけをがむしゃらにしていても女性にはおそらくモテないでしょう。どんなことをしていても、目的を達成する人はいます、それは何か単一の努力では成し得ないことだと思います。
持って生まれたものが違う、と言うことがあるかもしれませんが、それは全てにおいて同じことなのでここでは避けます。

サッカーもデザインも、ただの手段です。目的に向かってどう使うかと言うのはその人次第です。

先日「すしざんまい」の社長がソマリアに出向いて海賊被害をゼロにしたと言う記事がありました。回転寿司屋の社長が一部の地域とはいえ世界を平和にすることもあるということです(記事を鵜呑みにしすぎるのはよくないですが)。

取り組みたい貧困や格差の問題がどのようなものかはわかりませんが、問題は山積みで、しかし解決法も山とあると思います。しかし、「貧困や格差の問題を解決したいのでWebデザインをやる」と言うのは何となく遠回りに感じてしまいます。仕事としてWebデザインに取り組みたいと思うのならば、そのことへの興味や探究心なしではむつかしいと思います、少し切り分けて考えられたらどうでしょうか。そういったことを真剣に考え、取り組んで行きたいと思われるのは素晴らしいことです。自分の周りにもそういった問題に、様々なアプローチで取り組んでいらっしゃる方はいます。そういった方をとても尊敬します。

「絶対にデザインで解決できる問題」と言うのは存在しないと思います、何か問題があって、「その一つの解決法がデザイン」というだけです。デザインにこだわらずライフワークとして様々な活動に参加されてみてはどうでしょうか。

質問の意図とズレていたらごめんなさい。ちなみにそのご本は拝読していません。わたしも「デザインには力がある」と思っていますが、これは長くなるので割愛します。

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