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230612

執着や慕情から決別すると虚脱感に襲われて、そこから離人旅行が始まる。夢と現実を行き来するので整合性が取れなくなる。いつか消える終わると思いながら過ごす時間の必要性は過去を振り返れば判る。手相は変わる。水底から見上げる損傷期間はもれなく過眠で、生きれば生きるほどノスタルジーやフラッシュバックや既視感が増えるだけという気分が覆い被さる。猫の魂は抜けずに落ちる。支配率の変化を自覚する。調味料になれないぶんフライパンや鍋として料理を促す。潜水には力が要る。特殊な速さを基準に苛立ってはならない。極論を急かす感覚と来世まで待てる感覚の同居。古典を演る勧め。寄り目と斜視、草食動物の視野。泉なら水脈、心臓なら血脈の流れに乗って浮上する。光を当てることで荷解きを行なう。

私の話を受けて友達が泣き、泣いた友達を見て私が泣く。「どう?病んでる?」「週1,2で泣いてますね」内省から逃避すると防衛が攻撃になる。揶揄や嘲笑から距離を取る。泣きながらご飯を食べたことがある人は生きてゆけます。rebornの報告。軽やかな自己開示。マスクの終焉。深夜の煙草。砧公園で読書。憧れと挨拶。悪文とセレンディピティ。無常の日。葬式のプレイリスト。好きな治癒こと銭湯。花のハレーション。木耳と下足。蒟蒻の天麩羅。街を包む仕事。脳内に景色を立ち上げる芸術の全て。愛の一部には敬意がある。


大きな役割が終わり、呼吸の浅さが癖づいていたので、休暇をもらい本を背負って5日間の旅に出た。旅先の勧めをたくさん受け、出掛ける前から嬉しかった。読書自体がそもそも旅で言葉と踊る行為だが、携帯を見ないだけで驚くほど読書が進み、現地でも本を追加購入し、酔っ払いながらでも本が読めるようになった。うどんは4回食べて、海岸は2回録音した。

噂通り、山が昔話のように丸く、瀬戸内海は穏やかだった
ここで、イ・ランの『話し足りなかった日』を読んだ
ここで、小泉綾子の『あの子なら死んだよ』を読んだ
ここで、宮地尚子・村上靖彦の
『とまる、はずす、きえる: ケアとトラウマと時間について』を読んだ
ここで、IWAKAN Magazineの『未来の男性へ』を読んだ

コウモリと青紅葉、水路と紫陽花、泣いてる仔猫、ウグイスと枇杷、サヤエンドウの匂い、白鷺、トンビ、心臓音のアーカイヴ、「What are you looking for?」「Forest(ささやきの森)」、冷気が混ざる坂道、低く飛ぶ燕、かけとぶっかけ、犬と猫と焚き火、白詰草が守られた運動場、菖蒲と滝と松と苔、きびなごの青光り、「じゃあね」じゃなくて「ごきげんよう」。

豊島美術館

泣いたり寝たり現象を観察しているうちに3時間が経っていて、死にたくなったらまたここに来れば良いのだと思えた。ここで「自分の尊厳を主張しなけば損なわれると思い続けることに疲れた」と気づいた。

唐櫃の清水、荒神社

湧き水を飲んだあとに神社で祈っていると「好意を排除撤退させるべく嫌悪や憎悪への移行を試みていたが、本当はそんな感情を抱いていなかった」「抱いていない感情を自ら擦り込ませないと自分が損なわれるし壊れると感じる、あの天秤の瞬間が過現未総じて一番つらい」と気づいた。

どうしたら弛緩できるか、何を共有すべきで何を内包すべきなのか、思い留まること、相手に対して侵入的にならないこと、ミメーシス(感染)、抹消以外で距離を取る、電車で海を渡る、調律とポリリズム、宇多田ヒカルと宮台真司(itではなくyou)。

東京に戻りスカートのライブを見て感動し、私のコロナアンセムはODD TAXIだと思った(昨年の夏に罹患した際にずっと観ていた)。洗濯物を4回まわして毛布を仕舞い、芍薬とカラーを買い、菊を天麩羅にし、友達とオリーブ素麺を食べた。


▼聴
Awich, NENE, LANA, MaRI『Bad Bitch 美学』ちゃんみな『クズになったらしいじゃん』5kai『行』tofubeats『自由』KASHIKOI ULYSSES『Ai wa Kodashini』NUMBER GIRL『無常の日』

半年ぶりのコラージュ(絵日記)、こんなにビビッドになると思わず、完全にセラピーだった。

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