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濃厚接触者になってみて感じたこと Part.3

不安に苛まれながら過ごした対策0日目。
当時私の感情を占めていたのは、
「末の子が急変したらどうしよう」
「他のこどもたちも症状が出たら…?」
「私が感染したら他の家族は?お世話は?」
「学校で何か言われていないだろうか」
「噂になっていないだろうか」
「再登校していじめられないだろうか」
「こどもたちを守れるだろうか」

そんなマイナスな感情ばかり溢れていました。
でも、世間はそんなに冷たくはありませんでした。

いつ誰が感染してもおかしくない、ということ

学校の校長先生から直々に電話がありました。
コロナ感染者が出てしまったことについて学校メールを配信しなくてはならず、その内容についての確認でした。

後から分かったことなのですが、実は私の子の感染が判明する前に、他の児童の感染が分かり、学校ではすでに学級閉鎖などの処置がとられていたそうです。
私の元に学校メールが配信されておらず(登録の手違いなどで)、ちょうど週末だったということもあり、全く気づいていませんでした。

先生が文面を読み上げ、直して欲しい箇所があればと尋ねられました。
とても恥ずかしいことなのですが、私は堪えきれず電話越しに泣いてしまったんです。
これまで心に溜め込んでいた不安が、一気に爆発した感覚でした。
そして先生も、そうなることが分かっていたかのように、本当に思いやりのある言葉をかけてくださり、最後まで優しく対応してくださいました。
「何があっても、こどもたちの尊厳は守り抜く」
そんな先生方の強い想いが電話越しに伝わりました。

保健所からの依頼で、先生方は友人関係などから濃厚接触者をリストアップし、報告しなくてはならないことも聞きました。
おそらく、ここからは私の想像なのですが、先生方は一人一人の家庭に電話をかけ、温かい言葉をかけ、児童や保護者を安心させて、無事みんなが再登校できる環境を整えられるよう並々ならぬ努力をされているのだろうと感じました。
きっと多くの保護者からの問い合わせもあることでしょう。
先生方は、一人一人の個人情報や人権を守るために必死で対応してくださっているに違いありません。
そう思うと、さらに涙が溢れました。

きっと、わたしたち以外にも悲しい気持ちを抱きながら過ごしてる家庭がたくさんある。
全国には、もっと辛い状況に立たされている方がたくさんいらっしゃるのだから…。


しばらくして、また電話がかかってきました。
近くに住む知人でした。
買い物や、何か困っていることがあれば力になるからいつでも連絡するように、と言ってくださいました。


それから、また別の方が自宅を訪ねてきてくださり、食料品など差し入れを届けてくださいました。

多くの人に支えられ、守られている。
心からそう感じました。

そしてみなさんが必ず口にするのは
「いつ誰が感染してもおかしくない」
「誰のせいでもない」
と、いうこと。

私自身もつい先日まで、確かにそう思っていました。
でも、いざ自分の家族が感染してみると、案外ショックを受けるものなんだなぁ。
たぶん、心のどこかで「自分は大丈夫」という根拠のない自信があったのかもしれない、とその時になってみて初めて分かりました。

温かい気持ち

私は産直サイトを通じて生産物の販売を行なっておりますので、まずはそのサイトを運営する会社に今回の経緯を報告、そしてお客様への説明と遅延連絡などを行なう必要がありました。

正直、率直に報告することに躊躇いもありました。
風評被害を受けるかもしれない、とも覚悟していました。

ところが私の思いとは裏腹に、運営会社さんも、お客様も、みなさんとても温かい言葉をかけてくださいました。

コロナと言えば、きっと敬遠されるだろう。
注文もすべてキャンセルになるだろう。
そう覚悟していたのですが、みなさん口を揃えて「大丈夫?」「心配だね」「いつでもいいよ」「急いでないよ」「待ってるよ」
そんな温かい言葉をかけてくださったのです。
とても驚きました。

長いお付き合いになるリピーターさんなら、そのように優しい言葉をかけてくださることも想像できました。
だけど、今回は全くご新規の方が多くいらしたので、このような温かい反応をいただけたことは本当に感謝すべきことだと感じました。
まだ、何も知らないわたしたちのことをこんなにも気遣ってくださる。
感動しかないですよね。

復帰できたら、今まで以上に心をこめて対応していこう!
そう思いました。

容体は安定

対策1日目(2/8)あたりから、末の子の熱も少しずつ落ち着いてきました。
何度か解熱剤を飲ませつつ、熱の上下や顔色、呼吸などをこまめに観察していきました。

この日、保健所からはパルスオキシメーターが届き、翌日には健康観察センターからも冊子が届きました。
そして対策2日目(2/9)からは、アプリを通して健康観察を記録し、センターとの連携を取るようになります。
体温、脈拍数、血中酸素濃度を一日2回計測し、アプリに記録していきます。
ほかに体調の変化などあれば、それらも記入できるようになっています。
異常数値があると、記録する際に警告レベルが数字分けされて表示されるので、センターではそれを元に健康観察を行なっているのだと思います。

体制が逼迫している自治体では、こうした保健所や市町村、健康観察センターなどとの連携が円滑に行なわれておらず、感染者や濃厚接触者となった方々が辛い状況に置かれているということも耳にしました。
自分たちが恵まれた環境にあるということ、本当に感謝しなくてはなりません。

備えあれば憂いなし

今回、自分が突如濃厚接触者となり、ある日突然自宅待機を余儀なくされたことで、普段からの備えが本当に役に立ったと感じたので、そのことも書いておきます。

我が家は普段から保存食など買い置きしておく習慣がありました。
それは自宅が山の上に位置していることも関係しています。
突然災害が起きた時に孤立無援となる状況が起こり得るからです。
今回は、そんな買い置きがあったことで大変助かりました。

[買い置きの一例]
レトルト食品
乾麺


缶詰
など

また、店がすぐ近所にないということで、冷蔵庫の中も常に充実させていることも助けになりました。

それから前回の記事にも書いた、使い捨て食器類。
これは常備しておくと便利だと思います。
(我が家は仕事上、来客が多かったり、急に庭で食事することになったりすることが多いので、使い捨て食器類が常備されています。そうでなかったとしても、最低限のものを常備しておくと、例えば他のウイルス感染症などにかかった時にも便利なので、おすすめします。)

[あると便利な使い捨て食器]
紙コップ
紙皿(平皿大、平皿小)
紙ボウル(大、小)
割り箸

紙コップは、とにかく一回使用ごとに処分するので、ポイポイ捨てても罪悪感のない大容量の安いもので良いです。
紙皿大は、一回の食事をワンプレートにまとめることができるので、片付けの手間や感染リスクを減らすのに便利です。
ボウル大は麺類や丼ものに、ボウル小はヨーグルトやゼリー、汁物などに便利です。


ちなみに…

補足ですが、Amazonプライムに加入していることも助けになりました。
外出できないこどもたちにとって、気晴らしのために映画鑑賞をさせてあげることができたからです。
とくに末の子の療養部屋にはテレビがありません。
一人ぼっちで隔離され、孤独を感じている幼いこどもに、気晴らしのために映画を許可することはお互いのストレスを軽減するためにも役立っています。

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