見出し画像

寒湿の邪気から体を守る

今年は雪が降る日が多いかったですね。

2021年の辛丑年は、五行説では辛は陰の金、季節は晩秋、丑は陰の土、冷たい凍土に相当すると言われます。

確かに冷えと湿気が多い年になりそうです。

中医学の基礎となる五行説から、

辛丑を五臓に当てはめて考えると、辛は金で肺、丑は脾として、陰陽では陰に偏り、肺脾の陰が過多傾向に陥りやすいと考えます。

ここで五臓の脾は胃腸全般機能をいい、今年は肺と胃腸の陰の過多傾向になる、つまり肺と脾の機能低下による陰濁が停滞しやすいと考えることもできます。

具体的にはどのような傾向になり、どんな対策をすべきかを中医学の考えから提案したいと思います。

「肺は鼻に開竅する」

肺の入口は鼻で、また肺の門はのどと言われ、門番に攻撃が来ると、咽が痛み腫れやすくなります。つまり、鼻や咽は邪気が入る入り口で、邪気は入り口を容易に突破すれば肺に入り、肺炎など重症化していくということ。

侵入経路の鼻と咽の粘膜の強化をして、邪気の侵入を防いでいくことがとても大切です。

この対策ができると言われる漢方薬は「玉屏風散(ぎょくびょうぶさん)」で、ウイルスや細菌、花粉などの侵入による免疫反応の調整をして、体表を守ってくれます。「衛益顆粒(えいえきかりゅう)」がそれです。

花粉症の季節になりました。

鼻の状態はいかがでしょうか?粘膜が荒れていると邪気が侵入しやすくなります。侵入を防御できる粘膜作りには、衛益顆粒は強い味方になります。

「脾よわ」=脾虚

一方、胃腸が弱くやせて疲れやすい体質を”脾よわ”といわれますが、中医学で脾虚といいます。

脾は五行の”土”に相当し、体の土台として、大地の土壌のように、食物を実らせる大切なもの。胃腸は体の真ん中にあり、栄養吸収、運搬をしている脾が虚弱になると、全身や免疫の力も低下します。

脾と肺の関係は、親子関係で”土生金”、脾は肺を生むとなり、脾を強くして、肺を強化していくことが、順当な対策です。脾を強くする漢方薬は「参苓白朮参(じんりょうびゃくじゅつさん)」として、余分な湿気を胃腸に溜めず、腸内環境改善が脾よわの改善になります。

この漢方薬は店頭では「健脾散(けんぴさん)」があり、健康な脾を作るとして、腸を元気に消化機能を上げてくれます。

脾は湿に弱い

湿度が高い環境や、食べ物で消化に時間がかかり、胃腸を冷やすものは、脾の力を落とします。

生もの、甘いもの、脂っこいもの、冷たい飲食物は湿を溜めます。

肺や胃腸を守って、免疫力を落とさないようにすることが大切で、ウイルスや細菌、花粉などの邪気から体を守るために、今年は重点的に肺と脾の強化が必要とも言えます。

腸環境の改善により、免疫の調整力をつけていくという考えがありますが、まさしく脾よわの改善が、肺の力を高めるための基礎となること、今年は特に意識して体調管理していくと、一年が健康で幸せに暮らしていただけると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?