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妊娠と薬。胎児の成長について

妊娠すると、途端に今飲んでいる薬や食事などに心配が募ってきます。

今まで、妊活をサポートしてきましたが、めでたく妊娠!となって、漢方薬を続けたいけど続けれる?という質問が多く、その答えはその方様々であるので、ここでは継続できる漢方薬もあるとお伝えしておきます。

一般的に余分な薬は避けた方が良いという考えに則り、漢方薬も継続できないと思う方もいらっしゃいます。

薬に過敏な時期はいつか?を理解しましょう。

妊娠週数は最終月経のは始まりが0週0日として、40週0日が出産予定日です。妊娠が分かるのが生理予定日の4週0日以降で、多少遅れることがあるので、1週間くらい遅れてやはり妊娠か?と分かると5週目(2か月目)に入っている状況です。

安全な出産までの42週までを三半期(14週ずつ)に分けて考えます。医学的には三半期に分けて、妊娠や胎児の状況を判断します。

第1三半期 染色体異常に確認に染色体スクリーニング検査などを行う 

第2三半期 先天異常、臓器異常に注意する

第3三半期 発育不全、用水や胎盤機能異常に注意する

心配される薬による催奇形性があるかどうかをを考える時期については、器官形成期である妊娠4週~7週末までくらいです。

その後も妊娠8週~12週末までは大奇形は減るが小奇形(口蓋や外性器な)を起こす可能性は残ります。つまり第1三半期頃はお薬を飲むのに注意が必要です。

第2三半期の13週以降は、胎児毒性について注意が必要です。

生理予定日(尿チェックで妊娠反応が出ていない時期)までは、薬の影響はないと考えます。

しかし生理予定日を超えて4週~7週目までは絶対過敏期として、薬の影響を受けやすい重要な時期です。

生理予定日からは薬を飲む際に注意が必要で、生理予定日を過ぎて、生理が来ていないならば、妊娠を考慮して口にするものは充分に気を使ってください。

8週~15週目は相対過敏期として、奇形に心配は減るが、性分化や口蓋への影響があるとされます。

16週目以降は、ほぼ器官の形成は終了しているため、ほとんど奇形の心配はないが、胎児毒性が問題となり、胎児の発育が低下したり羊水が減少したり、胎児死亡が起こることもあります。

先天性疾患の原因は?

全ての出生児の3~5%が先天異常があると言われます。

先天性疾患を持つ赤ちゃんが生まれてくる原因は、薬による影響は頻度として非常に少なく、年齢や遺伝的や環境(感染症・放射線・化学物質など)が関係することがほとんどです。

最近はNIPT(母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査)で染色体スクリーニングを受ける方が増えました。35歳以上の高齢妊婦には、検査を勧められることが多いと思います。

また、母体血清マーカー検査をして、染色体異常や神経管閉鎖障害などを調べることができ、妊娠初期の薬の影響が気になる場合にすることがあり、妊婦さんの心配を和らげるためにすることがあります。

そして、妊婦検診での超音波検査は染色体異常や胎児の奇形を初期スクリーニングをするための大切な検査です。

ドクターや遺伝カウンセラーさんにご相談して、心配や悩みを出産前にしっかり共有してもらいましょう。

薬剤師としては、妊娠前から服用されている慢性疾患のお薬や、サプリメントや漢方薬について、ご相談を受けることが多いです。

高血圧の薬、てんかんの薬、てんかん発作のための抗けいれん薬、片頭痛の発作予防、鎮痛剤、リウマチの薬、抗生剤、サプリなど、催奇形性や胎児毒性について注意しなくてはならない薬があり、医師や薬剤師に相談をしていただきたいです。

ただ、妊娠中でも飲めるお薬があるので、医師・薬剤師に相談してください。症状を我慢することが妊娠にかえって悪影響になることもあります。

まず処方された先生に、妊娠の可能性があること、妊娠中であることをしっかり伝えること、処方された薬について、担当薬剤師にもしっかり薬の説明を聞いてください。

嗜好品も注意が必要です。

アルコールは催奇形性があります。タバコは胎児毒性があります。カフェインは過剰摂取は良くないです。

私はコーヒーが好きですが、妊娠前からカフェインレスにしていました。ただ、妊娠すると苦いものがさらに苦く感じて、コーヒーが飲めなくなりました。

体が欲しなくなるのですね。

妊娠して心配なく過ごしていただくために、妊婦授乳婦薬剤師という研修を受けた薬剤師が、お近くの薬局や病院にいます。

検索して、ご相談してみて下さい。


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