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ヒグマ肉を料理してみた vol.1 ランプ&バラ肉

2023年のこと。
熊の出没が例年に比べて多く、世間を騒がす問題になっていました。
そんな折、年末ごろに私が時々ジビエを仕入れている卸業者さんからのお知らせで、ヒグマの捕獲数が多く倉庫がパンパンなのでセールで出します、とのこと。

普段ヒグマ肉は単価が高く(狩猟リスク等を考えれば当然)、なかなか手が出なかったのでこれは良い機会と思い、思い切って購入。

それがこちら!

左からランプ、脾臓、バラ肉

熊肉といえばその脂が美味と云われ、脂がたっぷりついたものが上質らしいのですが、こちらは脂付きが薄めなのでセールに出されたとのこと。
そうはいってもそれなりに脂が見えるし自分で調理して食べるには充分です。

まずはこの中からランプ肉を、後日予定していたキャンプに持って行って炭火で焼くことにしました。

前日からハーブなどでマリネしておきます

ヒグマ肉は初めてだったので、生肉の状態で匂いを嗅いでみましたが嫌な匂い全くなし。下手したらお値打ち系の鶏肉の方が臭うかも。
ジビエなので個体の状態にもよるかもしれませんが。
上の画像のようにマリネした状態でキャンプに持って行きました。

ヒグマランプの炭火焼き

焼かれるヒグマのランプ、ピンボケで恐縮です

塊が大きいので、まあまあ時間がかかりました。

半分に切ってから様子を見て、念の為さらにフライパンで焼いた

キャンプでの実食画像を撮り忘れる痛恨のミスをしたのですが、実は他にも色々食べるものがありすぎて半分くらい持ち帰ったので、それを自宅で調理した画像をご覧ください。

ヒグマガーリックライス

全て残り物で構成された一皿

端っこの肉と玉ねぎやセロリの葉などマリネに使った野菜の残りと白米を、これまたキャンプの残り物の自家製焼肉のたれで炒めたガーリックライスに炭火焼きローストの残りをどどんと載せました。

キャンプ場で食べたものはお酒もだいぶ入って勢いでガツガツ食べた感がありあまり味を覚えていないのですが、自宅で改めてじっくり味わってみるとかなりしっとり柔らかく焼けていて、炭火の香ばしさもあってかなり美味しい。
焼きたてではなく(結果的に)寝かせたからかも。

嫌なクセなどは焼いても全く感じませんでした。
ランプはまた機会があったらリピートしたい。

ヒグマバラ大根

そしてしばらく経ったある日、そろそろバラ肉に手をつけるか・・と思い立ち、いざ解凍。
一品目は豚バラ大根煮込みをヒグマでやってみようというもの。

この段階ですでにうまそう

角切りにして焼き目をつけたバラ肉を生姜・酒・醤油で味をつけ、下茹でした大根とともに柔らかくなるまで煮込みます。

箸で切れるほど柔らかく炊けました、大根の面取りはしない主義です

さて、豚バラ大根とどう違うか、実食。
・・・美味しいけれど、どこか魚介のような風味も奥に感じるような。
豚とも牛とも違う。冒頭の画像の個体識別番号を見ると、ランプと同じ個体なので部位別の風味なのか、それとも調理法によって風味が際立ったのか。

どちらなのかわからないけど、バラ肉大根煮込みとしては豚の方が相性がいいな、と私は感じました。豚の方がだいぶ安いし。

ヒグマ丼

行者ニンニクがあればよかったけど、なかったので葉玉ねぎと

豚丼のレシピを参考に、カリッと焼いたヒグマバラ肉と葉玉ねぎを炒めあわせて、ニンニク醤油味の丼形式に。

これがかなりいけました。
煮込みの時に感じた魚介のような風味は気にならず、脂身がサクッとした食感。赤身部分は豚に比べれば硬さはありますが、脂の旨みでそれを充分カバーできる美味しさ!米に合いまくり!

ヒグマと帆立の炊き込みご飯

最後は、某店で食べた熊の炊き込みご飯が大変美味しかったので、見よう見まねで近いものにチャレンジ。

細かく切ったヒグマとボイル帆立を軽く醤油味で煮てから米と炊き込みます
脂の感じがよく見ると独特
土鍋にて炊き上がり〜!いい感じ!
盛り付けました

うまい、これはうまい。
某店で食べた本家のものはツキノワグマと蝦夷鮑が入っていて、なぜ鮑と合わせたんだろう?と思っていたのですが、熊(ツキノワとヒグマの味の違いはまだよくわからないけど)と魚介は相性がいいのか?
ヒグマバラ大根で感じた、魚介のようなクセが本当の魚介と合わせることで気にならず旨みに昇華しているような。

いや、完全に憶測ですけどもね。
本家の方はどういった意図で合わせているのかは分かりません!
ただ、めちゃくちゃ美味しくできたことは確かです。
ちなみに本家の方では柚子の皮も入っていた気がしますが、あればもっと上品な感じになったでしょう。でもなくても十分美味しいです。

残るは脾臓。
ヒグマの脾臓どころか、記憶では脾臓そのものをまだ食べたことがありません。
何を作ろうかは薄々決まっているので、近々トライしてみようと思います。

ということで、vol.2 脾臓へ続く・・・

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