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noteはじめ うつりゆく

数日前、引っ越し会社さんによる見積もり。
このあたりをいつも回っているという営業さんは、若い。
前にこういう依頼をしたのは10年前だから、今は営業さんと自分の年齢が逆転していたのでした。30-40代って劇的。自分が若者だと思ってがむしゃらにやっていたら、いつのまにやらみんな自分より若い。小説の登場人物を自分が追い越していくときが、一番ショックです。

さて、気を取り直して、営業さんを招き入れます。
一通り部屋の中を見て、「段ボールは、50枚だとキツイかな~…」とうなる営業さん。追加で30枚リサイクルのをつけますね、と呟いてから、
「まだ見せていただいていないところや、おききになりたいことはありますか?」と言うので、
ちょっとめんくらいましたが、
一枚板のこと、植木のこと、梅干しや塩檸檬といった我が家の保存食の棚のことをお尋ねしておく。
基本、引っ越しにおいて生ものはNGと聞いていたけれど、今回は水をやらないでいただければ預けてもらってもよい、とのことでした。あと男性2人で持ち上がるものか?というのも基準でした。

じゃあ、座りましょうか。と食卓にご案内して、出したみかんジュースを、一口飲み、会社に電話、見積もり入力、画面を見せられ、
これが車両代。これが人件費。とてきぱきと説明をする営業さん。

ここから、いかにも若い方らしくマニュアルがちらついてほほえましかったのですが、
我々が「えー!結構高くなっちゃいますね」というがっかり反応を示さなかったため(失礼しました。実はけっこうびっくりしていたのですが)、

「……正直、金額はいかがですか?」とお誘い(?)を受け、こちらもそれに乗り、希望額をずばりとお伝えし、値引き交渉を始める。
十音は人を雇って肉体労働をしてもらう時、一人1日2万円を切る額まで希望するのは搾取だと思うので、車両費でなんとか…と。

こちらからの希望額が想定内だったらしいことは、営業さんの反応からもなんとなく伝わってしまって。しかし最初の提示額の正当性を否定することもできないので、なんだか共謀のような時間でした。値下げの言い訳を両者で考えるという感じです。
 
10年前にも夫の荷物を運んでもらったこと、今回仮住まいを契約した不動産会社からの紹介であること、他見積もりを断ることなどいろいろと理由をお互い一緒に積み上げ、
いっぱつ、ハイライト「上司へ電話します」という劇的なひと場面が設えられ、
わたしたちも神妙な顔をして期待を示す。
本当に上司かは不明な受話器の向こうに、上記の理由を学生の面接のように述べるのをにこにこ聞いて、
無事、こちらとしては満足な値段に落ちました。めでたし。

「このオレンジジュースおいしいです」とごくごくっと飲み干し、
あとに夫が「違いの分かる若者だったな」などと満足そうに言っていておかしかったですね。

5月末に段ボールを届けてもらうことになってます。
今の施術室では、6/18の朝のご予約が最後になる予定。
雑司ヶ谷を去るにあたってはきちんとしたご挨拶はできないと思います。会いたいと言ってくださる方にはセッションに来ていただいて、
いつのまにやら信州から「とおんのおと」をお届けしているのではと思います。

半年先までは展示室showroomでの施術をお約束しましたが、
ただ、今の静かな感じから予感していることはあります。
恐らく東京に施術に来るのは、この半年で終わってしまう。

十音は2016年4月から手技療法者としての活動を始めましたが、
コロナ期ちゅうに決めた長野県への移住の目的が「場づくり」であり、うつりゆくことを認めたとたんに今までのご縁もその「場」に集まっていくような動きがあり、リフレクソロジーひとくくりにできない状況になってきました。

当初につくりあげたウェブサイトがなかなか間尺に合わない感じになってきてます。セラピストであり続けるために、セラピストに居続けない、というスタンスに自分自信は納得しているのですけれど。

それよりもこの横断的な興味やこれからの活動をもっとたくさんの方に応援していただけたら、ご一緒にやっていけたら、何よりも「仲間が欲しい!」という願いは日に日に強くなります。

このnoteに発信を集約していく準備を始めました。写真集としてのインスタグラム、広く浅く発するツイッター、企画を含み、流れも溜まりもすべて刻む場にnote、とし、記事は「間」と「食卓」と「調子」という3つのマガジンに振り分けていきたいと今のところは考えています。

旧暦卯月新月、衣更え、小満の始まり。


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