カワダアヤ

きっと忘れてしまうから、未来の自分への日記。

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最近の記事

家屋の記憶

築70年の古民家を、文字通り手入れし、たくさんの力を借りて改装したレンタルスペース兼コーヒースタンド。 営業時間外は自分の作業場にしたり、ご近所さんとの食事の場に使ったり、ときにはゆっくりと対話をしたり、くつろぐ場所になっている。 近ごろはわたしが仕込みや作業をする傍ら、畳で友だちが昼寝をしていることがしばしばある。 とくに起こす理由もないので寝かせておくと、むっくりと起きて、夢を見たと、ということが2回ほど続いた。 ひとつは、 グラスを割っちゃって慌ててたら、カワダ

    • モノクローム

      髪を染めるのをやめた。 この夏は白い服しか着ていない。 自身の名に反するように無彩色がいまの自分にはしっくりきている。 没個性だろうか。 それでも滲み出るものがあればいい。 ____________________ この夏はまもりの夏だ。 守りでもあり、護りでもある。 大きくなにかを企てたりせず、ときに大食卓を囲んで、そこに並ぶ顔が元気かどうかを見て安心したり、ときに大切だと思うひとと1対1の時間を作り対話をする。 それが自分の心を護るためでもあるのだろうと思う。 __

      • こころの中にベルセルク

        ここは俺の戦場だ 行け お前はお前の戦場に 漫画ベルセルクのロストチルドレンの最後のシーン。 閉鎖的な村から抜け出したくて 自分を連れて行って欲しいという少女に 主人公が向ける言葉。 ________________________ ケータリングや、レンタルスペースの運営。 あるいは講義や栄養指導。 きっとそのほうが楽しいから、手伝ってよ!と、友だちに声をかける仕事とまた違う、自分にしかできない分野。 ふだんたくさんのひとに囲まれているぶん、影濃く孤独を感じる瞬間が

        • はにかみラブアンドピース

          冬は寒いから苦手と言い続けていたが、 この夏のひとが生きていられない暑さと太陽に気圧されて身動きがとれないでいる。 冬は寒い寒いと言いながらも外のコーヒースタンドで何人も身を寄せ合いストーブを囲みコーヒーを飲んでいたら、いつの間にか終わっていた。 猛暑の日はそのコーヒースタンドも開けられず、室内の茶の間でひっそりと過ごし、日が傾き出したころのそのそと外にでる。 そんな毎日に物足りなくて、人生が早く終わってしまいそう。1週間前の出来事が1ヶ月前に感じられるくらい、ひとや場

        家屋の記憶

          支援のカタチ

          URLと、「今日までです!」 ふだん連絡をとらない相手からのDM。 お店を始めたあたりからか、自分の思いを話すような講演が続いたからなのか、たまたま時流だったからなのか、クラウドファウンディングのDMがよく届くようになった。 クラファンのページを読んでも そもそも関係性が出来ていないし共感ができないから支援しないのひと言に尽きるのだが、その文章を打つのも気持ちが重く億劫だった。 相手はそんなこと気にしないでとりあえず送るんだろうなあとネガティブに偏った想像をしてしまう。

          支援のカタチ

          暮らしを重ねる、を考える

          海風感じながら観光名所に訪れる人をぼんやり眺めたりだとか パンをこねながらおしゃべりしたりだとか 友だちが作った料理を美味しいねと言い合って食べたりだとか 信頼している大人たちに見守られて認められて安心している姿をまた見守ったりだとか プールに鮫が泳いでいるのを見てそうこれが見たかったんですよねと僻地まで行ったりだとか 赤提灯灯る横丁を見てあっちが楽しそう、行ってみようと道を選んだりだとか 川の水は冷たくて気持ちいいだとか アルバイト体験で普段見ない友だちの姿とそれをフォロー

          暮らしを重ねる、を考える

          旅のおわりに

          内子編、津田編、小豆島編とやたら長い旅行記を書き連ねていて、ただの記録みたいになった。楽しくないのでしばらく記憶を寝かせることにした。 なので、旅のなかでいちばん心に残った景色を。 高松で友だちと別れたあと、ひとり電車で津田に戻る。 夕暮れの道を歩いていると、連なった人影とワゴン車が見えた。 砂地にはまったワゴン車を、石段に腰かけてどうしようかねえと、穏やかに笑いながら見つめている。 それがうみの図書館を作った友だちだ。 まわりのひとたちも楽しそうに談笑している。 その

          旅のおわりに

          旅のはじまり

          旅が好きだ。 知らない場所に行ってみたい、より 好きになった土地の春夏秋冬を見てみたい、 あのひとに会いに行きたい、が わたしを動かす。 今回もそうだった。 しかし新しい出会いや発見、体験は見知らぬ土地に行くより何倍も多かった。 書ききれるかな。書いてみよう。 今回の旅は7月半ばの3泊4日。 【愛媛】松山-下灘-内子-【香川】津田-小豆島 6月の末に高知県の室戸にある廃校水族館から松山へ1泊で駆け抜ける弾丸の旅をしていたので、日を置いて四国を3/4周した気分。 旅

          旅のはじまり

          未来の自分が行けと言った

          真夏のまちのマーケット かつては7月の初旬なんてまだ夏本番ではなかったのにここ最近の体温超えの気温ときたら。 気温を理由に、11:00から20:00のマーケットは体力がもたないから16:00から終わりまで、雨が降るなら出店はしないと運営と相談して決めていた。 消極的なようにも見えるが、関わっている新エリアが気掛かりで自分にできる範囲を見極めた結果だった。 前日に天気予報がみるみる変わり、わたしがお店を広げる予定の16:00は雷雨。 今日はなしかなあ、と雨雲レーダーを涼し

          未来の自分が行けと言った

          かっこいい姿を見せたいときだってある

          組織に属さないわたしが、 今日はとても組織の話をした。 話しているときには気づかなかったけど、1日の終わりに思ったことのメモ。 無理しているよね、あの子。 の、あの子にどうしたら無理を無理と言わせるかを考えてしまった。 それが弱音を引き出させて、本人の負担を減らせるんじゃないかと思ったから。 なんならいっそ倒れて欲しいと思ってしまった。 でも、それはエゴだ。 いつ倒れても舞台袖で受け止められるよう、手を伸ばす信頼関係もあってもいい。 のかもしれない。 無理をしてでも、

          かっこいい姿を見せたいときだってある

          戦略的白いまつ毛

          わたしのまつ毛は白い。 すこし嘘で 正確にはまつ毛を白く塗り上げている。 もう何年も。 数年前にファッションとして流行って、今は下火なのかもはや定番と化したのかは流行に疎いのでわからない。 アイシャドウの色はピンクやオレンジを織り交ぜつつ、自分以外にはわからないくらいのマイナーチェンジをしている。 しかしまつ毛の色は白のまま。 白にこだわる理由。 それはただひとつ、目を見てもらえるから。 まつ毛に違和感を作り出すことで、ひとはわたしの目を凝視する。 顔を覚えてもら

          戦略的白いまつ毛

          道端の保健室

          運営するコーヒースタンドのある通りの先には大学がある。 大学と駅とを行き来する大学生たちをコーヒースタンドから毎朝見送っている。 去年の冬から春にかけて、この場所をDIYしていたころ、よく手伝ってくれていたのも春休み中だった大学生たち。 彼らはたまたま遊びにきて、楽しく過ごし、居着くようになった。 お店がオープンしてからも、 実習に行ってきます、や、帰ってきましたの挨拶にきてくれたり、近況報告してくれる。 修繕があれば、声をかけると直しにきてくれる。 そして彼らは相談ごと

          道端の保健室

          組織が羨ましい話

          というよりなんでも羨ましく見えた話。 もう喉元すぎてその気持ちは落ち着いているので過去形。 _____________________________ 10年間、会社勤めの保育園の管理栄養士をしていた。2年前に退職した。 会社には勤務時間があり、評価制度があり、等級がある。  わたしはとりわけ優秀な管理栄養士ではない。 が、道筋が立てられていて、なにをすれば評価が上がるかが視認できることは、 保育業界において割合の少ない調理業務、おいてはさらに少ない管理栄養士という資

          組織が羨ましい話

          いてもいい場所

          わたしが暮らすまちにはマーケットがある。 生鮮食品を売るスーパーマーケットというわけではなく、おまつりだ。 暮らすひと、働くひと、遊びにくるひと。 まちに関わるひとが顔を合わせるためのおまつりだと思っている。 5月に出店したばかりだと思ったが、7月のマーケットももう1ヶ月を切っていることに気づいた。 なに作ろうかなあ、とまだ決めかねているので少し焦る。 コーヒースタンドとレンタルスペースの運営と外部依頼の仕事が重なって、頭の余白が最近少ない。 マーケットの相談をしようと思

          いてもいい場所

          眠ろうね

          先日、2日連続寝坊して、運営するコーヒースタンドの開店が遅れてしまった。 普段は9時の開店後30分は客足がないなんてことはざらにあるが、その日に限って開店を待つお客さんが5人もいた。 素直に寝坊しましたと謝って、茶の間でしばらく待ってもらった。 焦ったし反省もした。 寝坊する原因はわかりきったことで夜更かしだ。 ついスマホをいじってしまったり、このnoteを書くことに夢中になってしまっている。 睡眠が足りないのはよくない。 てきめんに判断力がにぶる。 ある夜、友だちが

          暮らしの記憶集

          2023年の4月30日にわたしの運営するコーヒースタンド兼レンタルスペースはオープンした。 正確にはその数日前から無告知でオープンしていたが、4月30日にオープニングパーティーを開いたのでその日を周年としている。 それから1年後の先日。 1周年の節目として「暮らしの記憶集」を企画した。 この日見た光景は、毎朝コーヒースタンドに立つための心の糧になっている。 この日を作ったいくつかの要素に分けて書き留めておきたい。 タイトル 「暮らしの記憶集」と題したが、決めたのはもう

          暮らしの記憶集