【うつ病は財産】⑥克服のキッカケ

その中で私が実践していたことがある。
それはできるだけ「ヨーグルト」と「納豆」を食べることだった。
当時の私は、身体が欲し好きという理由で食べていた気がするが、後々調べてみるとこの2つの食品にはうつ病改善にも期待できる効果・効能があることが分かった。

ヨーグルト:免疫力を高める、腸内環境の改善、精神的ストレスの緩和・解消など
納豆:免疫力向上、整腸作用、精神安定作用など

以上、共通して両方にこの3つの効果・効能が挙げられている。
もちろん、バランスよく様々な栄養素を摂取することが大事であるが、もしかするとこれらの栄養素は私のうつ病克服に一役買ってくれたのかもしれない。
これらは、現在も継続して食べている。
ただここもポイントとなるが、強制的に毎日食べようとすると逆効果となるため「できるだけ」という表現の方が適しているであろう。
また、当然であるが摂り過ぎには要注意である。

相変わらず、眠りは浅く、起きているのか眠っているのかもわからない日々が続いていた。
その中で少しでもリラックスできるよう、私が取り入れていたことがある。
自然音や環境音楽のようなヒーリング音楽を流したり、アロマオイルを焚いたりしていたのだ。
また一般的な入眠しやすくなるための方法を実践した。

例えば、
・就寝時間の2~3時間前までには入浴を済ませる
・寝る前には軽くストレッチをする
・部屋の灯りを暗めにする
・テレビや携帯電話は見ない

あと先程挙げた、ヒーリング音楽を流し、アロマオイルを焚き、そして「意識的に」深呼吸を行った。
ただ始めた頃は、体力がなさ過ぎて入浴も短時間で疲れ、ストレッチも少しすれば息切れがする状態であった。
何せ体重は40㎏を切っていたのだから…

またうつ病の様々な症状の波もあるため、毎日継続してできることはなかったが、少しでも落ち着いているときにはできることを実践していた。
幸い私の過ごしていた部屋にはテレビはなく、テレビにも全く興味を持てなかった時期であったため、テレビを見たい欲求との葛藤はなかった。
しかし、当時はスマホではなくガラケーが主流な時代であったが、不必要に携帯電話を見る習慣があったため、この習慣には負けることも多かった。

深呼吸については、特別な方法を取り入れていたわけではなく、ただ鼻から吸って口から吐くというシンプルなものであった。
私が深呼吸に「意識的に」と付けたのは、深呼吸どころか普通の呼吸でさえ「意識的に」行わなければならなかったためだ。

当時の私は常に呼吸が浅く、呼吸回数も多かった。
これは強張った心身が引き起こすものであり、健康な時の呼吸がどういった呼吸であったかもわからずにいた。
また同時に、リラックスしている状態がどういった状態であるのかもわからずにいた。

普段なら無意識にやっていることができず、意識的に行う難しさと直面していた。

健康な時には当然と思い、深く考えたこともなかったことが、いかに有り難いことであるかを痛感したのだった。
そして、常に強い不安を感じていたのである。

私は本当に以前のような「私」に戻れるのであろうか…

そんな日々の中、私はそれまで持っていた本を再読し始めた。
以前、私がうつ病を克服するキッカケとなる本を挙げたが、その著者である佳川奈未さんの本は既に何冊か持っていた。
当時は既に多くの本を出版されていて作家として成功されていたが、それまでの過去を知り驚いたのだった。
とても苦しまれた過去があり、現在に至っているのだと。
その佳川奈未さんのお言葉は愛に溢れ、未来への希望を感じさせてくれた。
そして、私はいつしか「本を書きたい。出版したい。」という漠然とした想いを抱き始めていた。

それは真っ暗闇の中の私に射した、針の先ほどの小さな小さな「ひかり」だった。

また、当時に出版された、かねてから大ファンだったX JAPANのYOSHIKIさんのノンフィクション本「YOSHIKI / 佳樹」小松成美 著も私には衝撃を与えた。

偉大な方々や成功されている方々、現在幸せな人生を送っている方々の多くは、壮絶な過去を経て輝かしい人生を手にされている。

もちろん、それは上記の方々に限らず、一般の方々や身近な方々でも同様であり、誰の人生にも大なり小なり波がある。
きっと誰もが感じたことのある「なぜ私だけ…」「なぜ私が…」という思いを当時の私も感じていたが、ある時ふと想ったことがあった。

「私だから」うつ病になったのかもしれないと。
これはネガティブではなく、ポジティブな解釈である。
私がこのうつ病を克服し本を出版すれば、誰かのお役に立てるのではないかと感じたのだ。
この想いがのちの私の感じるミッションへと繋がることとなる。
そして、少しずつ経過を綴るようになった。

【うつ病は財産】⑦愛の学び

#創作大賞2022

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