【うつ病は財産】⑩最後に

最後に、死の目前にまで悪化したうつ病を経験した私が、生きていくうえでとても大切にしていることがあります。

それは「感じる心」です。

かつての私は自分の心が感じることは、気のせいだと見て見ぬふりをしていました。
自分の心が感じることを信じることは、自分を信じることに繋がりますが、この「自分を信じる」ということが全くわかっていなかったのです。
目で見えるもの・形あるものや、数少ない知識と経験で考え出した結論しか信じられなかった、とても浅はかな私でした。

「自分を信じる」ことは「自分を大切にする」ことです。
また「自分を大切にすること」は「人を大切にすること」でもあるのです。

自分を偽りながら人と関わることは、相手と向き合っていないことであり、今を精一杯生きている相手に対し、とても失礼なことだと気づいたのです。
特に、愛する家族や大切な人に対しては、できるだけ偽りない自分自身で在りたいものです。

自分を大切にできない人は、人を大切にすることはできない。
今なら心底そう思えます。

この「感じる心」は、いつもどんな時も自分自身を護り導いてくれます。

私は一人でも多くの方々がこの「感じる心」を磨き、自分を信じ、希望に満ち溢れる人生を歩んでほしいと願っています。
また、現在うつ病で苦しまれている方々、人生の冬である厳しい時期を過ごされている方々の心に「希望のひかり」が射すことを切に願っています。

私のこのうつ病の経験が、誰か一人にでもお役に立てれば、私がこの世に生まれ、これまで生きてきた人生に意味があると感じ幸いに思います。

「うつ病は財産」を最後までご覧いただいた読者の皆さまに心より感謝するとともに、愛と希望に満ち溢れた人生であることを心よりお祈りいたします。

また、どんな時も支えてくれている愛する家族、いつも応援してくれている大切な友人、そしてこの有り難い私の人生に関わってくださっているすべての方々に心より感謝いたします。

ありがとうございます。

沙倉あや☆

#創作大賞2022

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