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夜行性の朝 スーパーカブのエンジン音に 鳥たちはあくびを重ねる 薄明けに孤独を半分預けて …
さざなみの寝息 引いては満ちて 3度目の朝が来る 丑三の咆哮けたたましく 土筆は大気圏まで伸…
明滅する心拍 去り際のまたね パパ お父さん オヤジ ママ お母さん オカン 3 耳をふさい…
今年、初めて夏を迎えた君は 虹色の汗をかいた 今年、初めて秋を迎えた君は 旬のヨダレをこぼ…
パン屑の宝石を拾って 人差し指から離陸する 上空70cmを右から左へ旋回し 真新しい前歯は 確か…
イルミネーションを 電気飾りというあまのじゃくは 12月に浮かれることのない あなたへの慕情 …
とかく 語りたがりな私たちは いつしか饒舌に ロジカルに 時に エモーショナルに 手から口からプレゼンをする けれども 言葉はあればあるほど 分かり合えず 伝わらない そうした脆さと未熟さを よだれ顔で笑う 赤子が教えてくれる
触れるとベタつき 溶けて無くなる イヤホンのスポンジ カセットテープは巻き戻ることもなく 燃…
ありがとうに重さがあるとしたら たっぷりの水分を吸った おむつの重さだと思う 生命活動の循…
体育館の水銀灯は くゆら ゆらり 急ぐことなく明滅し 西陽は沈む 天井に食い込んだ毛羽立ちバ…
歩道橋のパイナツプル 一段飛ばしで駆けてく君から もらったチヨコレイトは タイムカプセルに…
チョコミントの空 水泳帽の網目に 世界の全てが乱反射した ビート板と臀部の間には あどけない…
行き場のない手は 両想い切符を握る 穴を持て余した ハイカットのキャンバスは 蝶々結びで僕た…
ひらがなでなまえをかく いくつもいくつも あなたのなまえをかく 洋服タグ ガーゼの端 哺乳瓶 所属のなかった物物は 名刺を配られた新入社員のように どこか誇らしく それぞれの持ち場に散る かつて私のそばにもいた ひらがな達
