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コード譜の表記に関する疑問を解決☆~D♭とC♯は同じ音なのに?~

先日は大変ご心配をおかけしました。まだ完全に元通りではないですが、徐々に回復しております。
後遺症の様な症状でライブを出演辞退してしまったりと、私としても中々本調子が出なくもどかしい思いをしていますがが、気を取り直してまず新たな記事を書いていきたいと思います。(コロナあいつだけはまじ許さん)

最近ピアノを始めたという友人から、こんな質問をもらいました。
「楽譜の表記によって、例えばD♭とC♯みたいに、同じ音なのに楽譜の表記が違うのあるじゃない?あれはどう理解すればいいの?鍵盤も同じ場所を弾くから何が違うのかな~って。」

確かに。そうなんですよね。弾く場所も、聞こえる音も同一なのに、名前が違うとなると、混乱しますね。
というわけで、その質問に回答すべく、順を追って説明していきたいと思います。

1.♯、♭の機能と対応のさせ方

始めに、ピアノの白鍵と、対応する音名、コードはこの図のようになっています。(黒鍵は後ほど)
ここでは、シンプルに説明するため、コードは敢えて和音ではなく、単音で表記します。

1オクターブ上(同じ音で1段階高い音)を加えるとこうなります。
あ、絵が雑ってツッコミはご容赦いただきたく(;・∀・)

さて、ここでご質問の本題に入ります。例えばD♭とC♯みたいに、同じ音なのに楽譜の表記が違う音について。ゆ~っくりひも解いていきましょうね~。
ゆるゆるっと^^

まず、そもそも♯や♭って何なんでしょうというところから入ります。
こちらをご覧ください。

まず、音には「音階」という音の階段があります。
ド→レに1音高くなる時は、ちょうど建物の1階→2階へと上がるイメージです。
反対にレ→ド(下)に下がるのは2階→1階のイメージですね。

この音の階段には、ドとレの間に半音上がる、または下がる音が存在します。 例えるなら1階と2階の間に1.5階が存在する感じです。

その半音上げ下げの機能を担うのが ♯(シャープ)と♭(フラット)です。

♯(シャープ)は、元の音を「半音だけ上げる」機能を持ちます。
ド#はド+0.5音上がるのでつまり1.5音高くなる。
1階→1.5階へ上がるということになります。

逆に♭(フラット)は元の音を「半音だけ下げる」機能を持ちます。
考え方は♯のちょうど逆の要領です。

これを、鍵盤に対応させるとこのようになります。

ここで黒鍵登場です。
例えばC(ド)を♯により半音上げると、C♯(ド♯)になり、ドとレの間にある黒鍵を弾くことになります。
反対にD(レ)を♭により半音下げると、D♭(レ♭)になり、やはりドとレの間にある黒鍵を弾くことになります。

ちなみに、Bを半音上げてB♯になる時はC(ド)を、EをE♯にする時はF(ファ)を弾きます。同じ隣り合う白鍵同士でもシとド・ミとファの間だけ、短2度と言って少し音同士の距離が短い為です。(逆は長2度といいます)
♭の場合も然りで、F♭はE、C♭はBを弾きます。

そういう訳で、弾く場所と聞こえる音が同じなのに譜面上異なる表記の音が出て来るのです。

2.調号と譜面への対応

次に、これがどのように譜面上の音名として決定され、譜面に反映されるのかです。今回のご質問の内容はここから先を理解していただくとより納得できると思います。(説明する側も頑張ります(`・ω・´))

♯や♭という調号には必ず付く音の順番があり、それによってその曲の調(キー)が決定します。
何も調号が付かない調(キー)はC(ドレミファソラシド)とAm(ラシドレミファソラ)になります。(マイナーキーは上行する時のみ6番目・7番目の音に♯を付けて自然な聞こえ方にする事があります。下行して弾いてみた方がしっくりきます。)

それぞれ、調号が付与される音の順番は左から順にこのようになっています♪

例1 ♯がファ・ド・ソの3つについた曲は
A(イ長調)ラシド♯レミファ♯ソ♯ と 
F♯m(嬰ヘ短調) ファ♯ソ♯ラシド♯レミ
の2つになります。
例として、F♯m(嬰ヘ短調) の曲 鬼束ちひろさんの「月光」を取り上げてみます。(出典:ミュージックランド 「HIKIGATARI歌姫」)

この曲はF♯m(嬰ヘ短調) で、それぞれの音は基本的にファ♯ソ♯ラシド♯レミ
(F♯G♯ABC♯DE)に属しています。(基本的にというのは、臨時に上げたり下げたりする音が存在する場合があるため)
そうすると、この譜面のC♯m7の主音であるC♯はCが半音上げられたものとこの曲では定義されます。Dを半音下げた音と同一であっても、この曲のキーではDには♭がついていなく、Dを常に半音下げる指示はされていないので、Dは白鍵のD(レ)を弾くことになります。
従ってこの曲では、以下の図の白鍵C(ド)とD(レ)の間の黒鍵の音はC♯(ド♯)に決定されます。

例2. ♭がシ・ミ・ラの3つに付いた曲は
E♭(変ホ長調)ミ♭ファソラ♭シ♭ドレ
Cm(ハ短調)ドレミ♭ファソラ♭シ♭
の2つです。
例として アンジェラ・アキさんの「HOME」を取り上げてみます。
(出典:ミュージックランド 「HIKIGATARI歌姫」)

この曲はE♭(変ホ長調)で、それぞれの音は基本的にミ♭ファソラ♭シ♭ドレ(E♭FGA♭B♭CD)に属しています。
この譜面のE♭はEが♭により半音下げられたものとこの曲では定義されます。
Dを半音上げたD♯と同一の音でも、この曲ではDに♯はついておらず、常に半音上げる指示はありませんので、Dは先ほどの曲と同様に白鍵のD(レ)を弾きます。
従って、この曲では白鍵のD(レ)とE(ミ)の間になる黒鍵の音はE♭(
ミ♭)と決定されます。

まとめ

同じ鍵盤を弾く同じ音で表記の違う音については、
・その曲がどの調(キー)であるか
・それぞれの音が属する調(キー)にのどの音に調号がついているか
によっておおよそ判別できます。
歌詞とコードのみが表記されているような場合だと、少々分かりにくいかもしれないですが、このように譜面にしてみると理解しやすくなると思います。
と、こんな感じの回答でいかがでしょうか?
また何か追加でご質問をいただいたりしたら、新しく記事にしようと思います^^
ではでは~


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