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勝手に乃木坂にされました7

昨日は予想もしない展開が起きた。

秋元先生から5期生の楽曲を任され…

井上和ちゃんをセンターにする為にお断りを入れに行くと…

なんやかんやあってWセンターとなってしまいました。

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○:はぁ…どうしよっかな…

今悩んでるのは昨日のWセンターの話もあるが…

だがそれだけではないのだ…

どちらかというと目の前で起きてる大惨事の方に困ってる…

⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯

元々今日は梅澤さんのお家に泊まる予定の日だった。

そしたら姉ちゃんが

史:梅が○○に変な事しないか監視する!

と言い始めた。


自分で言うのもなんだけど心配する方逆だろ⋯

そう思っていたら、美月さんがその話を聞きつけ

美:私も参戦するっ!!

と言い⋯


そして近くにいた遠藤さんの耳に入り、賀喜さんも一緒に連れてきて⋯


皆さん仕事が早く終わったので先に梅澤さんの家に集まってもらい、俺はまだ仕事があったので遅れていった。

その流れで一緒に仕事していた和ちゃんも

和:私も行きたい!行かせてください!

と言い始めたのだ。

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「へへ⋯○○きゅん〜君も飲みなよぉ〜!」

○:飲みませんよ!!

普通にお話するだけだったら楽しいだけで終わったのだが⋯

俺の前には酔っぱらいが6人いる。

そりゃ誰でも困るに決まってる⋯

唯一の助けであった和ちゃんも自分のジュースと勘違いしてお酒を飲んでしまったのだ⋯

まともなのは俺1人しかいない。

今はまだ皆大人しくしてるからいいが……

賀喜さんは遠藤さんと和ちゃんを膝にのせニコニコしながら頭を撫でていて、他の3期生さん達は爆笑しながらお話をしている。

はぁ⋯これ絶対後々大変になるやつじゃん。

そう呟いた瞬間。

悪夢が始まった⋯

梅:よしっ!じゃあ今から王様ゲームしまーす!!

皆が「賛成〜!」と声を上げる。

これは始めさせたら大変な事になるぞ⋯!

○:み、皆さん?お水飲んで寝ません?
もう21時ですし⋯

皆納得してくれるはずもなく⋯

美:おい!○○〜!
美月ちゃんの提案に文句あんのかぁ!!

あんたが考えたのかよ⋯当分優しくすんのやめるか⋯

史:よーしっ!割り箸持ってきたよ〜!
赤が王様だからね〜!

姉ちゃんもノリノリで楽しそうだ⋯

皆やる気満々なので仕方ない。

さっさと王様を引いて権限でこのゲーム辞めさせよ⋯

…来いっ!赤色!!

引いたのは⋯⋯

"4番"と書かれた箸だった。

ま、まぁ7分の1だし⋯

そう簡単には当たらないよな⋯

次引けばいいだけの話だから!!

「あ、私赤色だぁ〜」

ほんわかする口調で遠藤さんが声を上げた。

遠:んふふっ⋯じゃあ〜?
1番と"4番"が抱き合っちゃお〜!!

うっわ⋯
なぜピンポイントで当ててくるんだ⋯

「あっ!1番私だ〜!!」

勢いよく手を上げたのは姉ちゃんだった。


あぁ、まだ良かった⋯
他のメンバーだったらどうなってたか⋯

史:で、4番は誰っ!?

○:はぁ⋯俺だよ⋯

史:えへへ⋯○○とハグ⋯

皆が「ずるい!」「羨ましい!」という中で1人だけ驚いた顔をする人が⋯⋯


賀:えっ⋯○○ちゃんって男の子だったの⋯?


やっば⋯

賀喜さんにはまだバレてなかったんだった⋯

賀:えへへ⋯まぁいっかぁ〜!続けましょ〜!


マジで酔っ払ってて良かった⋯

俺の事知ってる人ばっかだったから完全に気緩んでた⋯

史:ねぇ!!いいから早くハグしてよ!!

今あなたの弟の一大事だったんですけど!?

なんて自己中な姉なんだ⋯

○:はぁ⋯分かったよ⋯

ギュッ

○:これでいい?

史:はうぅ⋯もう死んでもいい⋯⋯

なんて顔してんだ⋯アイドルがしていい顔じゃないだろ⋯

和:早く次しましょ〜!
私も○○さんと抱き合いたい!!

○:和ちゃん言い方⋯⋯

梅:次は絶対私が王様だから!!

⋯今度こそっ!赤色!!

引いたのは⋯

"2番"の箸だった。

もおぉぉぉ!!なんで赤来ないんだよ!

王様は一体誰だ!? 頼むから大人しい人⋯

「私が王様だーい!!」

引いたのは⋯1番当たって欲しくなかった人。

美:美月ちゃんが王様だぜーい!
よし!○○は美月ちゃんを抱きしめてなでなでしながら
キュンとする一言をいいなさい!!

○:え、要求多くないですか!?
てか最早番号とか関係ないし⋯

梅:そうだよ!ずるい!

遠:美月さんだけずるですよ!

美:うるさい!王様がルールだぁ!
それに2人も王様になればさせられるよ⋯?

梅:ふふっ⋯○○になでなでされるのかぁ⋯

遠:甘いセリフ⋯楽しみだぁ⋯ふふっ⋯

2人とも味方になってくれるはずが、既に妄想の世界に飛び立ってしまったみたいだ。

美:じゃあ○○!お願いしますっ!

手を広げて美月さんが抱きしめられる準備をしている。

はぁ⋯なんでこんなことに⋯

ギュッ

「美月⋯いつも頑張ってて偉いねぇ⋯?」

美:ぐっ⋯やばい⋯鼻血出そう⋯

なぜ俺はアイドルにこんなことしてるんだろう⋯

美:もっとぉ!もっとちょうだい!!

史:ダメだよ!それより早く次!
私も○○に甘い言葉言ってもらうんだから!!

⋯もう茶番はおしまいだ。

絶対に赤を引く。

引いたのは⋯


_______________



○:ど、どうしたんですか⋯?

結局俺は赤を引けなかった。

そして王様を引いたのは賀喜さん。

賀喜さんの願いは⋯

「○○ちゃんと話したい事があるので別室に2人で行かせてください」

というものだった。

流石の皆も雰囲気を悟ったのか今までの盛り上がった雰囲気とは違い大人しくなった。

賀:じゃあ○○ちゃんこっち来て。

そして今に至る。

○:お話っていったい⋯

賀:○○ちゃん男の子って本当なの?

やっぱその話ですよね⋯

表情が真剣だから分かってました⋯

賀:酔いが覚めてきて冷静になったらさ。
さっきの話を思い出してきて⋯

今までのほんわかした笑顔とは違い凛々しい顔をしている。

○:はい…全て本当です…

賀:あのね。私怒ったりするつもりは無いの。
皆さんもあんだけ○○さんの事信用してるって事は
きっと悪い子じゃないんだろうなっていうのは分かるから。

○:えっ…じゃあなんで……

賀:私ね…すっごい不安だったの…
先輩達が卒業していって前に立たないと行けない機会が増えて…

○:賀喜さん…

賀:○○さんも5期生楽曲のセンター努めるんでしょ?
でも平気と自然な顔をしてる…
なんていうか…プレッシャーとかないの…?

いつも笑顔な賀喜さんがこんな悩みを抱えていたなんて…

○:俺だって正直不安でしかたないですよ…
でも…心強い皆が支えてくれるんです。
そう考えたらフッと楽になって!

賀:○○さん…

○:頼れる人たちばかりなんですから…
辛い時こそ周りを頼りましょ…?
俺も何か助けになれる事があればいつでも駆けつけます!

賀:そっか…そうだよね…!
なんか○○さんの話聞いて
今まで悩んでたのがバカみたいに思えてきました!

今まで暗かった賀喜さんの表情がパッと明るくなった。

「がっぎぃー…気づいて上げられなくてごめん……」

まだ酔いが抜けてないのかフラフラとしたさくらさんが入ってきた。

賀:ううん…私も頼らなくてごめんね…?

遠:う゛うっ…これからは私の事頼ってね…


この2人が一緒に乃木坂のセンターに立つ姿を見たい。

そう思うくらい尊い空間だった。

遠:ちょっと私御手洗いってくるね!

賀:行ってらっしゃい!

賀喜さんと話してスッキリしたのかスキップでお手洗いに向かう遠藤さん。

○:じゃあ俺達もリビング戻りましょっか?

戻ろうとすると…

賀:待って…まだお願い聞いてもらってないから…

○:えっ、だってさっきの…

賀:まだお願い聞いてもらってないから…

○:いやいや、もう終わり…

賀:まだお願い聞いてもらってないから…

これ絶対折れないパターンじゃないですか…

○:はぁ…お願いってなんです?

賀:わ、私にも…美月さんと同じことして…?


なんでアイドルの上目遣いはこんなにも威力が強いんでしょうか……

しょうがない…
俺も賀喜さんと話してセンターの件とか
スッキリした気持ちあったし…

ギュッ


「遥香なら絶対できる。一緒に頑張ろ?」


賀: …ありがとね!

賀喜さんは笑顔でそう言ってきた。

そして耳元に近づいてきて


「私の初恋…責任取ってよね?」


と呟いた。

○:ち、ちょ!どういう!?

"あーっ!かっきーと○○イチャイチャしてる!"

リビングにいた皆が突撃してきた。

○:ち、ちょっと!皆抱きついてこないで!!


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賀: …これが恋なのかぁ。
なんか私まだまだ成長出来る気がするっ!!



END



















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