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部屋の両隣の人達が僕をかけて勝手に争っています


「○○くーんっ…私の事…好き…?」


『もう!○○君は私の事見てるんだから邪魔しないで!』


「○○君は私の方が好きだし!!」


『違うよ! 私だよ!』


「『むーっ…!!』」


○○:あのぉ…今日はいつになったらお帰りに…?


「『決着が着くまで!!』」


○○:はい……


────────



僕は今年から大学生になりアパートに住み始めた



お隣さんに挨拶に向かうと……



隣人がどっちも大学の先輩だったのだ



左隣の方が賀喜遥香さん。




黒髪ロングがとても似合う笑顔が素敵な女性


会った時の一言目は


遥香:えっ…超タイプかも…○○君だったっけ…?
私…彼氏いないんだ!!  ○○君付き合ってよっ!!


だった。


家に招き入れられそうになったが
怖かったので一旦自分の部屋に帰り


反対のお部屋の方に挨拶にいった



右隣の方は田村真佑さん。



とても大人っぽいのに声は甘々で
この人に甘えられたら何でも断れなさそうな感じがする


会った時の一言目は


真佑:えっ…かっこいい…! 真佑ビビッと来ちゃった!
ねぇ…○○君っ! 真佑の彼氏にならないっ!?


だった


賀喜さんと同様に家に入れられそうになり
怖かったのですぐ断って部屋に帰った。



"なるべくお隣さんとは関わらないようにしよう"


そう思っていたのだが……


遥香:やっほー!


真佑:遊びに来ちゃった!!





─────────────




こういった出来事があり、毎日のように2人は部屋に来ている


もはや2人ともいるのが当たり前になってきて
違和感が無くなってきてる自分が怖い……


遥香:よし!今日こそ決着つけるぞ!!


真佑:受けてたつ!かっきーには負けないぞ!勝負だ!


○○:勝負はいいんですけど…
別のところでやってくれません?


真佑:何言ってんの!
○○君にアピールする必要があるんだから
見てもらわないとダメに決まってるじゃん!!


遥香:そーだー!そーだー!




○○: ……早めに終わらせてくださいね?


遥香:当たり前じゃん!すぐ決着つくよ!


真佑:私の勝ちでね?


遥香:私の勝ちで終わるんだしっ!!


お互いがお互いを睨みつけ合う


ちょっと可愛いなって思ったのは2人には秘密…



────────────



真佑:最初の勝負は……お料理バトルー!!


遥香:いぇーい!!


真佑:審査員は…○○君ですっ!


遥香:いぇーい!!!


○○:まぁ…でしょうね……


この2人のテンションはたとえ寝起きじゃなくてもキツい


真佑:それじゃー用意スタート!!


僕の部屋じゃいっぺんに料理できないため
2人とも1度自分の部屋に戻った。


○○:あれ…これもしかして…
鍵閉めればあの人達入って来れないんじゃ…!?


早速○○は鍵を閉め、2人を追い出す事に成功した


○○:はぁ…これで今日一日は休める……



・・・・・・



1時間後


ドアノブがガチャガチャと回る


きっとあの二人が入ろうとしてるのだろう


○○:もう開けるつもりはないぞ…!
今日は家から1歩も出ないんだっ!!


○○がそういった次の瞬間


ガチャっとドアの開く音が……


遥香:もう!なんで○○君鍵閉めたの!?


真佑:まさか私達を入れさせないように……


2人の顔がムッとなる


○○:い、いやいやそんなわけないじゃないですか!
不審者とか来たら怖かったので…!!


遥香:そっか…確かにそうだねっ!!


真佑:これからは私達も鍵気をつけないと!


○○:えっと…ひとつ聞きたいことが…


遥香:ん?どうしたの?


○○:なんで僕の部屋に入ってこれたんですか…?


真佑:えっ、これのおかげだよ?


真佑さんが見せてきたのは1つの鍵。


○○:そ、それってもしかして……


遥香:そっ!合鍵だよっ!♪


○○:ち…ちょっと…!!
それどうやって作ったんですか!!?


真佑:まぁまぁ!それは置いといて!!
早速お料理対決に行きましょー!


遥香:自信作作ってきたからっ!  負けないよ!!


真佑: ……ふふっ、勝てるといいね?



なんだ今の真佑さんの笑顔は……

何かよくない予感がするのだが…?


真佑:最初は私!
じゃーん!肉じゃがでーす!!


○○:うおっ…美味しそ……


思ったよりちゃんとした"肉じゃが"が机に用意された


食べてみると


○○:んまっ!!


真佑:えへへ! でしょ!?  私料理得意なんだっ!


○○:これはすごい美味しいですっ!!
毎日でも食べたいくらい…


真佑:それってぷ、プロボーズ!?


○○:ぶっ…! そんなわけないじゃないですか!!


遥香:むぅ…私だって負けないもんっ!!
ほら、私のも食べて!


遥香さんが出してきたのはシンプルな野菜炒め


○○:あ、こっちも普通に美味しそう…


真佑:さぁ、早く食べて食べて!!


さっきから真佑さんがニヤニヤしてるのが
すっごく気になるのだが……


○○:いただきます……


野菜炒めの味は


○○:うわっ…しょっぱっ!!!


塩分が強すぎてまともに食えたものでは無い


遥香:えっ…嘘……


真佑:ふっふっふ…実はかっきーはバカ舌なのだっ!
この勝負最初から私の勝ちは決まっていたのよ!


だから最初から笑ってたのか…


遥香:えーっ…普通に美味しいけどなぁ…


表情を全く変えずに
激しょっぱ野菜炒めを食べる遥香さん


この人……やばい……



─────────────




遥香:第2回戦は…お絵描きバトルー!!


真佑:いぇーい!ふぅー!


○○:あれ…そういえば遥香さんって絵上手なんじゃ…


遥香:そうなのっ!覚えててくれたんだ!
 もう大好きっ…!


真佑:ちょっとかっきー!
どさくさに紛れて手繋いじゃダメっ!!


遥香:いいじゃんっ!ちょっとくらい触らせてよ!


まるでアイドルにでもなった気分だ

この2人の方がよっぽどアイドルっぽいのに


○○:もう…早くやりましょ…?


真佑:おっ、○○君もノリノリになってきたねー!


○○:違いますよ…早く終わらせて欲しいだけです…


 遥香:じゃあやっちゃうか! よーいスタート!!


・・・・・・


特に面白い展開もなく
遥香さんが圧倒的な力を見せつけて勝利した。




遥香:やったー! 私の勝ちー!


真佑:くっ…でもまだ一対一だしっ…!!


○○:次の対決やって早いとこ勝負決めましょ…
もうそろそろ21時になっちゃいますよ…


この人達が家に押しかけてきて
もう4時間近くが経過していた


遥香:次の対決は……あれ…そういえば…


真佑: あっ!そうだ…私達…




「『2回戦しか用意してないや……』」




真佑:えっ…かっきーどうする…?


遥香:同点のまま終わる訳にも行かないしね…


真佑: …あっ!いい事思いついた!!
ちょっとかっきー耳かして!



遥香: …うんうん!確かにいい案かもっ!


2人はニヤニヤしながら作戦会議をしている


○○:もういいでしょ…疲れたんで寝かせてください…


真佑:うん!いいよ!!


○○:えっ、いいんですか!!?


遥香:もちろん!じゃあ寝室行こっか!!


2人に腕を拘束される。


○○:ち、ちょっと…何してるんですか…?


真佑:最終対決の内容が決まったの!


遥香:最終対決は……



「『どっちが○○君を満足させられるか対決♪』」



○○:はい…?


真佑:まぁまぁ…意味は後で分かるから!!


遥香:じゃあ寝室いこうね!○○君っ!


○○:は、はい……。

嫌な予感がしつつも2人に連れられ寝室に…



その後寝室にいった○○からは
"助けて"というセリフが数え切れない程聞こえた……



・・・・・・・・・・・


真佑:今日も対決するからっ…!


遥香:夜…覚悟しといてねっ…?♪


END

























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