誰かのために口紅をつけた日

きょうは　
誰かのために
口紅をつけた日だった

いつもは自分のため
社会人としてのマナー、
というテンションのあがらない理由

そんなだから時々
ロックな心情で
真っ赤な唇にしたくなる衝動がおこる・・

だけどきょうは
あなたたちのために口紅をつけました

母と祖母

入院している祖母に
数ヶ月ぶりにオンラインで会える日だった

画面越しだったけど
その場がセッティングされるまで
たくさんの人が関わってくれた

ほんの数年前まで
歩いて5分もすれば祖母に会えていた

それがコロナをはさんだ今、
一目会うためには
色んな手続きがいるようになった

寝たきりの祖母は
ほんの一瞬だけこちらを見た

ほんの一瞬だからこそ
最高のわたしでありたかった

いつも手元の口紅を
ルーティン的につけるけど

きょうは顔が明るくみえるように
オレンジ系をえらんだ

口紅の色から選ぶなんて
ひさしぶりだった

そして祖母に会う前に
母をランチにさそった

前回会ったとき
なんとなく元気がないような気がしたから

母のことだから
きっと大丈夫だろうとは思ったけど
なんとなく引っかかってた

それに久しぶりに
おしゃれをした母を目にしたかった、
というのもある

だからわたしも
母に会う前、口紅を塗り直した
お互いの姿をみて明るい気持ちになるように

だれかのために
口紅の色から選んだり
口紅を塗り直したり

彼氏以外の人のために口紅を塗るなんて

やっぱり
祖母と母は大事な人

大事な人には元気でいてほしいから
わたしも
元気な姿をみせていたいと思う

もちろん自分のために
ときどき
真っ赤なルージュもつける

ただ今日はひさしぶりに
誰かを思って口紅を塗った日だったな・・
って

お風呂につかりながら
そんなことを思っていました