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始まりは「パンツがない」

今日は、『ルグ』のパンツがどうやってできたか、の話。

おなじみ「ゆるりパンツ」が誕生したのは2012年。

私はショーツはもっぱらコットン100%派(それも、スーパーの3枚1000円とか)。しかし、海外は意外とこれがない。なので、学生時代から通算そこそこ続く海外生活でも、下着は帰国のたびに日本で調達していた。
しかし、バリで子育てモードにはいってから帰国のペースが落ち、買い替えのタイミングががっくりと減ってしまった。

このままでは履けるパンツがなくなる。。。

ちょうどそんなとき、日本では自然派の人達の間で女性用「ふんどしパンツ」なるものが流行りつつあると教えてくれる人がいた。
普通の下着はウエストや股の部分の細いゴムの縫い付けは難しそうだけど、ふんどしなら作れるかも。

そこで早速、生理用布ナプキンの試作用(ルグはもともとバリ向けの布ナプ屋としてスタートしている)に買ってあった綿100%Wガーゼで作ってみる。うーん、快適って話だったけど、私にはダメだ。縫い目も結び目も痛い。イマイチ可愛くもない。残念。

それからしばらくして、バリで服を作っていた友人から「布ナプの試作用に」と、同じくコットン100%のTシャツ生地のハギレをもらう。どう使えるかなぁ、と広げて眺めているうちに、「これ、パンツになるかも」と、思いつきでもっこふんどし型(この時はまだ、そんな名前も知らないのだけれど)のパンツにしてみた。せっかくなので、ひもも同じTシャツ生地。
あら、これはいい。すごくいい。

これがこのまま、その後多くの方に愛されることになる「ゆるりパンツ」になったのでした。

ちなみに、ゆるりパンツの本体両脇と紐が切りっぱなしなのは、縫わないでもほつれてこない生地の特性を生かした、ルグのパンツならでは(というか、ここぐらいしか自慢できるところがない)のアイデアである。
これは、縫い目を少なくして肌への当たりを柔らかくしたかったこともあるけれど、そもそもは「縫う工程が少ない方が、縫製工さんも楽だろう」と思ったからだった。しかしこれが大きな誤算で、縫い子さんは「切りっぱなしのまま製品になるようには、きれいに裁断する勇気がない」とのこと。結局ひもまで全て、店主本人(私)が切って持っていくことになり、そのまま今に至る。(店主として、ここが一番仕事してるところかもしれない。)


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