太陽を抱く月感想

AYAです。韓国の歴史物ドラマ「太陽を抱く月」を観終えました。ネタバレにならない程度に、以下感想です。あくまで個人の感想なので、お気を悪くされませんように。





え????


これがチャングムやトンイなどと同列に語られるのはなかなか失礼なのでは?と思うくらい、わたしは感情移入ができませんでした


脚本があまりにも浅いです。悪役が実質2人と少なく、王兄とその母は人がよく、主人公の家庭は過不足なく、悪役は謀反に賛成する者の名前を帳簿に書くくらい詰めが甘く…。韓ドラに限らずドラマというのは基本ご都合主義で成り立っていますが、その次元じゃありません。浅いとしか言いようのない脚本です。


この脚本のせいで、主人公に同情しづらいのが難点でした。後の王妃は最初歪んだ性格の子どもとして描かれますが、それ以降特に悪いことはしません。にも関わらず、常に主人公の影として、父親の政治の駒として生きなければならず、精神を病むまでになります。主人公はと言えば、親代わりの言うことを聞かずに身勝手な行動をしては問題に巻き込まれます。チャングムやトンイは確固たる信念を持って行動した結果問題に巻き込まれますが、この主人公には特に信念がなく、恋に生きているだけです。元も子もないことを言うと、たった1人を得るために王室を巻き込み、最終的に何人が亡くなったのかを考えるとめちゃくちゃ迷惑なロミジュリだな、と…。子供時代が聡明に描かれすぎた(子役はあのキムユジョン、やっぱり天才子役!)ために対比的にぼんやりとして見えたのかもしれませんが。


ネタバレにならない程度ですが、結局主人公の兄が政治的立場を得られなかったことも、「最終的に生きている登場人物は、必ず最も幸せな結末を迎える」という韓ドラの法則(これは現代ものには通用しない気はします)に沿わず………。


あと、王様がことあるごとに部下を怒鳴りつけるのが、自分が男性の大きい声を聞き慣れないためかとても気になりました。1話1時間のなかで最低でも3、4回は怒鳴るので途中で観るのをやめようかとも思いましたが、見始めた手前意地が芽生えてしまいまして。


配役にもやや不満が残りました。例えば義禁府の役人はもっと重要で目立たせるべき役だったと感じましたし、主役は可愛らしい/美しいのどちらかに振り切った方がよかったと思います。ハンガインの声は低く落ち着きがありますが、鬼気迫るシーンでは冷静すぎました。脇役が実力派で固めてあるだけに気になる点が目立ったのだと思います。ま、子役にキムユジョン、キムソヒョンなど名優を持ってきたことで期待値が上がりすぎたのもあるような。ところでキムソヒョンが悪役を演じるのは珍しかったような気がしますが、どうでしょう?





色々と書き綴りましたが、まぁ読んで頂いた通りこのドラマはわたしには合わなかった、というnoteです。個人的には剣士ペク・ドンスが短い韓国ドラマの中では最高だったので、またああいうドラマが出ないかな…と夢想しています。またいつかペク・ドンスの感想も書くかもしれません。ではまた。

2021.8.24

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