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浦井が一人と「話」が三つ@♾️ホール(2022/11/19)(配信)

※配信期間中はネタバレバレの下記ご注意ください。

浦井が一人と「話」が三つ@∞ホール(2022/11/19)(配信)


浦井が一人と「話」が三つ(11/19 21:00) – FANY Online Ticket (yoshimoto.co.jp)


”脚本家が書き下ろしたショートストーリー3本を浦井が演じる
一人オムニバスコントライブ”と銘打たれた公演。


2021年に第一回公演があっての二回目で、今回もお話が3つ。
そしてその3つの話のうちの1つを浦井さんが書いて浦井さんが演じる。
演じるし話も書く。なんて汗をかくんだ浦井さんと
最初にそれを聞いた時、すごく嬉しかった。
男性ブランコのネタは叩き台は平井さんが作って、と
そういう風に話しているのをよく聞くけど
浦井さんが”書く”なら一体どんな話を書くんだろうってワクワクして
その日を待った。

  1. テニスコート・神谷さんの『VR』

  2. ダウ90000・蓮見さんの『広くなった部屋の中で』

  3. 男性ブランコ・浦井さんの『手品』


幕間は脚本を書いた方と浦井さんの3分トーク。
”3つ”つながりで3分なのかな?


ダイジェスト映像。


『VR』


最初、VRを使った話が浦井さん作品かと思った。
(以前VR買った話をしていたから)
VRのゴーグルを外した瞬間の眼鏡の位置が面白くて、
話が進む中でもしばらくそれがぼんやりと頭に残ってしまった。
話としては考古学というより文化人類学っぽかった。研究職が似合う。
男性ブランコのネタでは発しないような言葉が結構出てきて
見てるうちに浦井さんがちょっとずつルシファー吉岡さんにも見えてきた。
人前で大きな声で言うことを許されるってどんな心地なんだろう。
最高なのかな。



『広くなった部屋の中で』


ひとり部屋の中で始まる。
『広くなった~』ということは誰かがいなくなったんだろうな。
部屋に物がいろいろあって、それが何かタイトルにまつわる何かを
示唆していたりするのかなとかマジマジ見てしまう。
それでもなくても人の部屋の本棚とか気になるのに。
(棚にある雑誌?本?のタイトルわからなかった~)
この部屋に置かれた物がただ空間の彩りとしてあるだけじゃなくて
話の中で使われていって、意味がある物だった。


言葉遣いなのかワードなのか、浦井さんがぐっと若く見える役で
自分は今までずいぶん浦井さんのことをおじさん的年齢の人だと
安心して(?)見ていたんだなって気づいた。
ダウ90000と男性ブランコがユニットコントをする機会が
今後あったとしても、その場合に浦井さんが
こういう役をふられることはない気がする。
浦井さん一人だから、な役な気がする。
情けなさが愛らしさにもなっていて
(ごめんってすぐ謝れるところがあの役のかわいいところだなあ)
浦井さんがネタ以外の時に垣間見せる人間っぽさ的にも
とてもハマっている役柄な感じがした。


1本目とはまた違った意味で
浦井さんが口にしてるところをあまりイメージできないワードが
スピード感を持って出てくるから、
私は何個かうまく聞き取れなかったりした。
浦井さんの発音がどうとか、そういうことじゃなく、
これはただの私の老いだ。
ワードに対してパッと反応できない若くなさ。
会場からは瞬時に笑い声が上がっていて、
男性ブランコのあの∞での客層と自分のズレを初めて笑いで感じた。
しょうがない。悲しい。もうおじさんだしおばさんだ。
なんかそういうことに気づかされて胸のうちにコツンときた。
ちきしょう、蓮見さんめ。これからも見るけど!老いを感じながら見るけど!

浦井さんたくさんしゃべるなと思ったけど
蓮見さんが公開してくれた今回の脚本を見て
実際にその文字を目の当たりにすると、本当にえげつない量。


広くなった部屋の中で|蓮見|note

これを覚えたのか。浦井さんエゲぇ。。。
セリフ量は多いけど聞いていての煩わしさみたいなものは全然なかった。
なめらかだし、会話している様子が自然。
書く方も演る方も、どっちもエゲぇ。

この公演はトランプがひとつモチーフになっているっぽくもあるし、
1本目にジャックが出てきて、このあとクイーン、キングと
出てくるのかなと思ったけど、2本目のクイーンはわからなかったな。
あったのかな?と思い返してみて、ひょっとしてバーベQのQか?!って
なったんだけど、ちがう?ちがうか?わかんないけど。
もし最後まで出てこなかった卵がクイーンなら、
北村薫さんの円紫さんシリーズを思い浮かべちゃう。
えみちゃんのクイーン。・・・・・・これはこじつけが過ぎるけど。


『手品』


浦井さんの長所であり、捉え方によったら(ZAZYの言うように)
ウィークポイントにもなりそうなところを刺すような、
ここまで浦井さん自身に寄った役を書いて角が立たないのは
本人しかいないだろうなあ、という話だった。


何者にもなれるけど表面をなぞっただけ。
でもそうじゃなく、自分にも打ち込めるものを見つけて「幸せな地獄」に。
浦井さん自身の覚悟にも思えるし、普段もんどり打ちながら
ネタを作っている仲間たちに向けたラブコールにも感じる。

EDで浦井さんが言っていたように
前回公演後にZAZYから他力本願と言われたことが
今回脚本を書く原動力になったのだとしたら、
浦井さんに着火してくれてありがとうZAZY。
今回の好評っぷりを目にしたZAZYがさらに燃えて、
燃えて燃えての燃え合い追いかけっこになるのだとしたらワクワクするな。
楽しくケンカしてほしい。


3本とも、どれも平井さんは作らないような話に思えて
書く人によって味が違うっていうのを浦井さんを通して改めて感じた。
ダジャレや言葉遊びのない浦井さんっていうのも
初めて見た気がして新鮮だった。



浦井さんが話を書いたことで、男ブラの中で
「こっちでも書いてよ~」ってなったりすることはあるんだろうか。
平井さんは今回の【浦井が一人】にどんな感想を持ったんだろう。
見ない、ってことはないと思うけども。



平井さんが一人芝居・・・・・・をすることはなさそうな気がするけど、
もしそれで浦井さんが話を書いたりしたら
一体どんな平井さんが見れるんだろうなぁとか夢想しちゃう。
こんなにいろんな浦井さんが見れたものだから
平井さんだったらってちょっと思っちゃうな。
叶わないかもだけど、まあ、ことだま、ことだま。


【浦井の枕もと】で浦井さんが今回の感想を話してくれている。


#99 浦井が一人ありがとうございました!の話 - 男性ブランコ 浦井の枕もと - Radiotalk(ラジオトーク)


浦井さんは自分に近い話しか書けないって言ってるけど
演劇って自分じゃないものになる側面があると私は思っていて、
その辺が浦井さんは役者じゃなくて芸人なんだなぁってちょっと思った。
自分をさらけ出せるのって本当にすごい。



今回、配信特典では浦井さんのリハーサル風景の写真や
幕間の神谷さん、蓮見さんとのトーク、浦井さんの脚本が見れて、
こんなに!?ってほど盛りだくさんだった。
会場で見たかったけど配信でもとても楽しかったな。
(会場にいれたとしたら時間気になっちゃってたろうな。タクシー代案件・・・・・・)


「浦井が一人」
だけどひとりじゃない、たくさんの人が関わっている、
いろんな人の姿が浮かぶ公演、とても楽しかった。


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