合唱のトリコ【Re-Nコン 青春2020-22】

2023年9月24日。大阪某所で開催されたRe-Nコン 青春2020-22に参加して、大きく心が動かされた。(以下、Facebookに投稿したものと同じ)

久々にFacebookを開こうと思うほどの大きな心の動きがあった。
しかも私の大好きな合唱で。

今日(2023.09.24)開催された #ReNコン に参加してきた。
コロナ禍でNコンが中止になったり録音審査になったり…奪われてしまった青春がある人達に、NHKが最高の舞台を用意してくれた。

初めは誰も知り合いがいないため、楽しく歌えればいいやと楽しもうと軽い気持ちだった。
しかし幕を開ければそう簡単に言葉にできない、最高の空間が広がっていた。

最高のスタッフさんとスペシャルゲストの方々。
当時の小学校の課題曲から順番に歌っていく。
そしていよいよ高校の「彼方のノック」
リハーサルの時点で一気に雰囲気が変わった。
そして作詞の辻村先生からのお言葉があった時から私の脳内には、あの青春の記憶が駆け巡った。
先輩方と迎えられなかったコンクール。
コロナに阻まれて録音審査になってやるせないまま終わってしまった私の合唱人生。
もちろん部員と歌う機会は設けていただいたが、大好きだった全員合唱は高校1年以降味わったことはなかった。ずっと夢見たステージも迎えることなく気づけば合唱のない人生へと時は進んでいた。

------長い長い、あの廊下のことを考えている
   わたしは1人、突き当たりの扉を目指す-----

この歌い出しから、何故か涙が止まらなかった。
歌詞1つ1つが、1音1音がすべて自分の身体全体に降りかかってきた。
あの感覚は、何だったのだろう。
これが何なのかも分からないまま、気づけば曲が終わっていた。
しかも私はあり得ないほど大号泣していた。
突如求められたコメントも矢継ぎ早に言葉が飛び出し、句点の登場はたったの二回であった。
せめてでもと最後に感謝を述べるくらいしか私にはできなかった。

こんな感覚は初めてだ。

舞台は中学校課題曲「足跡」へと変わっても、私はそれから抜け出すことはできなかった。
同じようにコロナ禍で悔しい思いを抱いた参加者の想いを耳にし、更に涙がこぼれ落ちた。
歌い出してもなお私の心は止まらない。
しかもこの曲は歌える参加者が多く、声の厚みが圧倒的に厚くなった。
各方面から飛び出す低音から高音までの1つ1つの音が重なって1つの大きな音楽を空間を作り出していく。
私はこの空間をずっとずっと求めていたのだ。
この全身を音に包まれる感覚。
鳥肌が止まらなかった。
1人1人の想いが、あの長い廊下の中にいた私達の青春を、無駄ではなかったのだと肯定してくれた。
そして今を生きる私の背中をも押してくれた。

そしてもう1つのキセキもあった。
会場に着いた時、そこにいたのはたくさんの学生団体と仲間がいる方々ばかり。
心細い中で思い切って声をかけた1人の女の子がいる。聞けば遠いところからわざわざ大阪まで来たのだと。
合唱という共通点から話は弾み、Instagramを交換するほど仲良くなった。
そこで私は気づいた。
この子、知ってるぞ。
X(旧Twitter)上でこのイベントの参加表明をした際、不安が多いとInstagramに連絡をくれた子がいた。
私が目にしたアイコンは、この子と同一であった。
1000人以上の参加者の中で、たまたま私が声をかけたのがこの子。
そして好きな音楽や合唱への想いなどでも共通点も多く、運命的な出逢いをすることができた。
ただ普通にしていれば出会うことのない出身も生活地も全く違う人間が、合唱を通して繋がることができた。
これこそまさに合唱の醍醐味ではないか。

改めて、合唱は人の繋がりも音の繋がりも導いてくれる、最高のものなのだと。
もう1度私は、合唱のトリコになってしまった。

あぁ、合唱がしたい。

あの時に戻り、コロナのない世界でもう一度青春を、、、という想いが強くなってしまったのかと一瞬錯覚したが、私はそれよりも未来への希望で溢れていた。

------生涯 忘れられない日々
   抱きしめ 生きていく
   辿った道に 続く足跡
   全て美しく
   届けたい未来は 叶えたい未来
   あの日の自分へ------

------たくさんの扉を開けて、
   選んで、生きた先に私がいる
   永遠に開かないと思っていた扉から
   今、光がこぼれていく-----

合唱っていいな。

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