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フランスから、食関連ニュース 2020.03.18

フランスにおける旬でコアな食関連のニュースを、週刊でお届けします。

1. 今週の一言

皆さんもご存知のことですが、コロナウィルスとの戦いで、先週からフランス政府もとうとう非常事態を宣言し、厳戒態勢がしかれています。土曜日にはたった4時間前の発表で、同日の深夜から、レストラン、カフェ、ディスコ、映画館の閉鎖、さらに食料品と薬局以外の、日常生活に不可欠ではない商店も閉鎖を要請。それから2日後の今週月曜日にはマクロン大統領からの声明があり、翌日火曜日正午から、必要のない外出を禁止するという勧告。ほぼ全ての人が、在宅勤務を余儀なくされることに。このような状況で私も急遽、事務所のデーターや荷物を午前中に自宅に運びました。午後は1件だけ取材の予定があったので、政府が発行した外出証明書に当てはまる理由にチェックとしてサインをしたものと、身分証明書、プレスカードを持って、出かけました。昨日火曜日は、試験的な開始で情状酌量があったようですし、あまり警察や軍隊の姿は見ませんでしたが、本日、そして明後日と日増しに取り締まりが強化されるようです。コロナウィルスが勝手に蔓延するのではなく、人がそれを運搬するのだと、外出以外に防止する良策はないという判断。一日5人以上に会うことも控えるようにとも明言しています。

コロナウィルスがじわじわと蔓延しているのにも関わらず、黄色いベスト運動や国際女性デーのデモ行進が週末街中を占拠して、さらにサッカー国内リーグ戦を無観客で開催を決めたのにも関わらず、試合時に会場周辺にファンが押し寄せるなど、現状を無視した行動に政府もしびれを切らした結果でした。しかも週末は天気が良く、国民性でしょう、セーヌ河岸や公園に人が溢れていた。私としても、フランス人の危機感の無さと公徳心の無さには、ほとほと驚いていたので、今回の外出禁止令は、致し方ないと感じています。政府ができるだけの保証を図るとは約束してくれています。しかし、その後の経済的な影響を考えると背筋も凍ります。

毎朝6時から「フランス2」のニュース番組を見ながら、出かける準備をするのが日課です。ところが、昨日から顔ぶれが異なりました。トップキャスターが休んでいた。その理由は前週にスタッフ内で感染者が出て、ほぼ全員が濃厚接触者と判明。2週間の自宅隔離を要請されたということです。他のチャンネルのニュースもそうだったのですが、報道する側も危険にさらされているからか、新しい顔ぶれが多いように感じました。不謹慎ではありますが、若手のキャスターにチャンスが与えられた滅多にない機会でもあるのかとも。不慣れながら、頑張っているキャスターの報道には、力がこもります。それぞれ社会的な立ち位置や条件は異なるかもしれませんが、誰もが同じ状況下に置かれた時間だからこそ、種まきをできるか否かは、個人の力次第でしょう。


2. 今週のトピックス【A】来年度仏版ミシュラン・ガイドは、コニャック市で開催。【B】GMSのE.Leclerc、フランスのアマゾンを目指す。【C】老舗レストラン「タイユヴァン」、シェフの交代劇。【D】1590リットル入り世界一巨大なワインボトルに損害発生。

2. 今週のトピックス

【A】来年度仏版ミシュラン・ガイドは、コニャック市で開催。

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