退屈をぶっ飛ばす、気持ちのいいスケートに酔う

ようやく、ファンタジーオンアイスの感想が書けます。
メ~テレさんが地上波で特集をしてくれていたものを録画し、やっとやっと落ち着いて見ることができました。草民なので、山本選手がメインです。

まず、オープニングのお衣装が素敵

片腕を出したアシンメトリーな衣装で、タイダイ柄のようなスカーフが風になびく。素敵、ドラマティック。まず、それだけで眼福。
オープニングのランビエルさんのスピンを見て心ときめく。

「僕こそ音楽」 山本草太選手の気持ちのいいスケーティングに酔いしれる

城田優さんとのコラボで滑る「僕こそ音楽」
モーツァルトのミュージカル音楽で、山崎育三郎さんだったかが歌っているのを聴いたことがあった。
モーツァルトという人も数奇な運命をたどる人で、幼い頃から「天才」ともてはやされ、しかし自分の好きなようには生きられず、20歳には「ただの人」と言われてしまう。
天才を自分の権力を示すための道具として独占したいという権力者を拒み、自由に生きようとするも「天才」と呼ばれたころが「影」のように付きまとう。

そう思うと、山本選手の競技人生とも重なる部分があるとやはり感じてしまう。山本選手も将来を嘱望されたときに大けがをしてしまう。
復活していくまでの道のりにかつての自分が「影」のようにつきまとったこともあったと思う。だけど、山本選手は過去に戻りたいわけではなく、前を前を向いて歩みを進めてきた。そのときの自分を自分で愛することができる優しく素直な選手だからこそ、この曲を滑ることにより深い意味をもたらすのだろうとも思った。

とにかく、城田さんの伸びやかな歌声に山本選手のスケーティングが溶け込んでいく。それはわたしたちの「こういう滑りが見たい」というものに答えてくれているようで、とにかく気持ちが良い。

山本選手はよくプログラムについて「自然に自分を表現できる」という言葉を使うことがあります。この「僕こそ音楽」もそうなんだろうなと見ていて思います。
ありのままの自分で滑ることができる。役作りもするのではなく、体から奏でられる音楽がそのままストーリーになっている。腕の一振り、足の一蹴りが音符なのだと実感する。

「僕こそ音楽」というタイトル通りの滑りを魅せてくれている。

あと、スピンで感情を表現できるというところも山本選手の素晴らしいところだなとというのと、ポーズが1つ1つ明確なので印象に強く残る。

あとは、こういう甘さのある曲がすごく似合うということを再発見した。最近、TeethとかBeat itみたいなロック、セクシーみたいな演技も「ああ、これも求めていた山本草太!」って思っていたけど、こういう砂糖をまぶしたキラキラしたパフェを重厚な洋館で食べるみたいな雰囲気の演技ももっとみたい。(すみません、意味不明な説明で)


ああ、このプログラムをまた見る機会があればいいのに。



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