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【再掲】 第4回 日本平と駿河東海道ウルトラウォーキング105km に参加しました。

※note開設前にまとめた大会レポートを再編集し、改めて投稿しています。

今年7月に参加した標記の大会は、自身初の100km超・3つの峠を越えるトレイル区間あり・暑さに降雨予報ありと、当時の私にとってチャレンジ枠。

少し不安を抱えて挑んだものの、序盤から登山するユニークなコースに、
急遽形成された楽しいグループウォーク、アツいトップ争いに巻き込まれるなど、なかなか貴重な経験ができました!

今回は、主観的なエピソード多めで記していきます。



【大会概要】


大会名 :第4回 日本平と駿河東海道ウルトラウォーキング
開催日 :2024年7月13日(土) ~ 14日(日)
コース :105km
制限時間:30時間
※完歩率 82.1%
https://www.actrep-sports.com/ultra-walking/nihondaira/

東海道を中心に、3つの峠越えを経て静岡県内を焼津から三島まで105km歩くというなかなかハードなコース。
とはいえ、大変なだけではなく、天候に恵まれれば駿河湾や富士山などの絶景を拝むことができます。

シーズンオフになりがちな夏にも歩みを止めない、タフなウォーカーにはもってこいの大会ですね。



【大会当日】

1.スタート前


スタート会場がある焼津駅までは、都内の自宅から新幹線を利用して約2時間。
前泊不要のため、当日朝に出発して向かいました。

静岡駅で在来線に乗り換えたあたりからあきらかにウォーカーらしき人の姿が増え、徐々に大会感に包まれていく感じが好きです。


焼津駅に到着すると、会場の『焼津北公園』はすぐそこ。
受付後ほどなくしてX繋がりのウォーカーさんとお会いでき、開会式までお話させていただきました。


アクトレップ社の大会は初参加ですが、今回は季節柄か普段よりも定員が少ないようで、当日の参加者は約100名。
そんな中でも比較的知り合いの割合が高かったように思います。

当時、静岡で連日40℃近い最高気温を叩き出していたことを考えると”人間が活動できる”気温で安心しましたが、この日は傘マークがちらつく不安定な空模様。
しかし、曇りから次第に日差しが強くなり、スタート時にはすっかり汗ばむ陽気に変わっていました。


開会式での「最初の日本坂峠は追い抜き禁止のため、速い人は前列からスタートするように」との案内を受け、
知人のウォーカーさんに促されるがままに気付けば最前列へ。

これまでは、微妙な位置から徐々に追い上げていった経験しかない私。

「せっかくの機会なので、今回は玉砕覚悟でなるべくトップ陣のスピードについていってみよう」とここで心に決めました。

2.第1エイド ファミリーマート静岡用宗店(11km) まで


そのまま先頭陣を追って進んでいくと、スタートから4-5km、まずはゆるやかな舗装路から登りが始まります。

趣ある 『花沢の里(花沢集落)』を抜けると、 日本坂ハイキングコースへと突入します。

1つ目の峠『日本坂峠
焼津市から静岡市側の小坂集落をつなぐ峠で、標高309m。

確かに追い抜きできない道幅の急なトレイルコースを登っていきます。
整備された階段が多いですが、前日までの雨の影響で足元が悪い場所も。

登山道と言える道をサクサクと進んでいく先陣に息を切らしながら着いていき、焼津辺展望台まで一気に登ります。

休憩推奨スポットです。

ここにはベンチがあり、焼津市街を見下ろしながら休憩できるポイントですが、私はパスして下りへと進んでいきました。

開会式でも説明がありましたが、この後の下りコースは草が生い茂っており、どこに着地したらよいのか迷うポイントもあるほど。

一歩一歩自分の脚で確かめながら時間をかけて下っていき、そして舗装路の下り坂へと抜けます。

ここで立ち止まって靴紐を結び直したあと、 勝手にペースメーカーにさせていただいた方を見失ったと勘違いして下り坂を爆進。

そのせいで、濡れた苔に滑って派手に転ぶ
アスファルトに打ち付けた右肩に若干の痛みを感じつつも、大きな怪我に至らなくてよかった。これは反省すべき点です。

その後も「これだけ歩いても一向に姿が見えないなんて、どれだけ速いんだろう」 と勘違いしたまま突き進み、
この区間は自分比で速い7:30min/kmペースでの進行でした。


11:52 第1エイド『ファミリーマート静岡用宗店』(11km)到着。

ここで2位だと聞く・・・あれ? 

例の方はそれからほどなくしてエイド入りし、話を伺ったところでは下りの爆進時に早々に抜き去っていたようです。
なぜ気付かなかったんだろう、反省2回目。

気を取り直して(?)、塩おむすびと冷やしきゅうり一本漬けをいただきます。
 その後はコンビニで飲み物を補充して次へと進みました。


3.第2エイド セブンイレブン静岡三保店(33km)まで 


この区間はほぼ平坦、海岸沿い歩きが中心になります。8:00-20min/kmペース。

海岸沿いに出たあたりから雨がパラつきはじめ、しばらくはそのまま様子見したものの止む兆しが見えず、
リュックのみに雨対策(ダイソーの使い捨てレインカバーを装着)を施すことに。
本大会ではひどい雨には遭わず、また、濡れて身体が冷えるような陽気でもないため最後までこの装備で乗り切ることができました。


天人森公園の松林にたどり着くと 「まっすぐ進め」 と書かれた矢印がぽつんと現れるも、
目の前には道という道がなく、少しのあいだ困惑・・・。

まっすぐ・・・?

Googleマップを確認しながら、なんとなくコースと大きく外れないようにして進みます。
富士山世界文化遺産構成資産に登録されている 『三保の松原』 の松をありがたく雨よけにさせていただきました。


15:07 第2エイド『セブンイレブン静岡三保店』(33km)到着。 

静岡県産小麦使用のドーナツ (9個入)をいただきますが、 その場で食べきる自信がなく未開封で持ち帰ることに。

代わりにコンビニでおにぎりとアイスを購入し、食べ終えたあと出発しました。 
ここでもトップ陣の僅差での出入りが激しい状況でした。



4.第3エイド 日本平 月日星前(43km)まで


エイド間は10kmと短いものの、2つ目の峠 『日本平峠』を通過する区間です。 

幸い雨は止んだものの、雨上がりの蒸し暑さに不快指数が上がります。
先に出発されていた知り合いのウォーカーさんと途中で合流したため、少し会話しながら並歩させていただくことに。

2つ目の峠『日本平峠
先ほどの日本坂峠とは異なり、こちらは舗装されているゆるやかな上り坂。

天気がよければたびたび絶景が拝めたはず。

明るい時間に通過できたこともあり、今回の3つの峠の中ではもっとも歩きやすく、景色を眺めながらグネグネと登っていきます。
坂の終盤で1、2位の方とも合流できました。


16:47 第3エイド『日本平 月日星前』(43km)到着。 

4名でほぼ同時にエイド入り。 

カレーメシ(ビーフ)をいただきます。ここに来てしっかりとした味付けのカレーがおいしい! 
ただ、ボリュームと脂っこさが私には重かったようで、このあとしばらくお腹の調子がイマイチでした。後々考えるとパスしても良かった気がする。

ちなみに、ここから徒歩5分の場所にある『日本平夢テラス』は、
富士山をはじめ三保松原・駿河湾・静岡市街地など360度の美しい眺望が楽しめる絶景スポットだそうですが、今回は天候も天候なので行きませんでした。



5.第4エイド 薩埵峠(60km)まで

 
エイドを出ると間もなく日本平ハイキングコースに突入し、あとは下りのみとなります。

こちらは整備済みのトレイルコースで自然の中を気持ちよく歩けますが、真っ暗な日没後に通過した方はだいぶ難易度が違ったことと思います。

第2エイドから並歩していた方も後ろから来られたため、私が先を行く形で自然と並歩を再開することに。 

ただ、峠を抜けてすぐの矢印を私が見落とし、誤ルートで行き止まりにぶつかったところでコース間違いが発覚
往復約1kmの距離上乗せになりました、その節は申し訳ありませんでした・・・。

矢印はどこにあるでしょう!

ひとりなら慎重にマップを確認する場面でも、複数人だと気が大きくなりがちですね。これまた反省点。

このあたりから、成り行きで3名グループで進むことに。

正規コースに戻って東海道を進み、商店街や宿場町の道標など、街道歩きの雰囲気を楽しみながら歩いていきます。

途中で他参加者とお会いして抜きつ抜かれつの展開がありつつ、次第に時間帯は夜へ。


もうすっかり陽が落ちたあと、本格的に薩埵峠の登りが始まる手前になんと私設エイドが。

こちらではたくさんのフルーツときゅうり、 地元名産品のお菓子、 静岡茶をご用意いただいていました。 
つらい登りの前にこれは嬉しい!

その中でも甘くてみずみずしいスイカが最高でした。
本当にありがとうございました。

ヘッドライトの灯かりが心許なく感じる暗闇の中で細い未舗装路を登り、 『薩埵峠』に到達。 

天候に恵まれれば東海道一の絶景とも言われる富士山と駿河湾の画を拝むことができるポイントですが、夜間のため見えず。

その先は下り区間、何度も滑りそうになりながら慎重に脚を進めました。
歩きやすさと景色を楽しむために、健脚者は日没前に通過するのが理想的でしょう。


20:15 第4エイド『薩埵峠』(60km)到着。 

お菓子やバナナなどの軽食をいただきます。

難所の薩埵峠は無事に攻略できましたが、峠を最後まで安全にクリアするため、この先ももう少しグループ行動を続けよう、という方針に。 
そして、私たちの少し後にエイド入りした1名も加わり、いつの間にか4名グループに発展していきます。


柔軟に変形していくチーム編成、 なんだかどんどん面白い展開に・・・。

ひとりで己との戦いを繰り広げるのではなく、最初からグループ参加で知人とワイワイ楽しむのでもなく。

ここに100kmウォークの新しい楽しみ方を見た気がしました。



6.第5エイド 水神公会堂(75km)まで


さて、4名での行動開始です。

薩埵峠最後の下りは舗装路のため、ぐんぐんと下っていき、その先はまた淡々と東海道を進むコースになります。 

桜えびが有名な 『由比宿』、 歴史国道として認定されたレトロな街並みが見られる 『蒲原宿』を通過。 
せっかくの宿場町ですが、 周囲の暗さと歩きに集中していたことからこのあたりは淡々と進みます。
ペースについては、先頭の方に完全におまかせでした。


この区間では、途中で1名お別れして3名チームに戻る、
同じくグループウォーク化していた2名とたまたま合流して5名行動になる、などの入れ替わりもありつつ、

22:37 第5エイド『水神公会堂』(75km)到着。 

5名同時にエイド入り。
先客1名(トップ)、 その後ほどなくして1名、また1名と到着し、トップ陣が一堂に会する貴重な時間となりました。

スープ春雨と杏仁豆腐+冷凍みかん、ホットコーヒーをいただきます。
屋内エイドのため、終盤戦に備えて多くの方がゆっくりと20分ほど滞在しました。

 

7.第6エイド ミニストップ沼津千本街道店)(93km)まで


しばらく続いたグループを解散し、残り30kmは各々の戦いへと戻っていきます。
まだ特に疲労は感じておらず、ある意味これからが本番と言えるかもしれません。

途中から2位になり東海道・千本街道を順調に進んでいくものの、ここでトラブル発生。
ヘッドライトの調子が悪く、一定時間経つと勝手に切れてしまうように。


矢印を見失わないように慎重に進みつつ、『東田子の浦駅』付近の約88km地点で発見したコンビニ(セブンイレブン富士市中柏原店)にて電池を購入・入れ替えることで改善しました。
想定外の時間ロスのため、これ以降はノンストップで進むことに決めて飲み物の補充とトイレ休憩も済ませます。

コンビニを出ると、やや後方にいた3名が先に歩いていく姿が見えました。その後約5kmは抜きつ抜かれつの進行です。


2:02 第6エイド『ミニストップ沼津千本街道店』(93km)到着。

エネルギーゼリーをいただいて一気に飲み干し、ほぼ滞在せずに先を急ぎます。
この時点で3位でした。



8.ゴール 中郷温水池公園(105km)

 
出発後ほどなくして2位の方に追いつきますが、この方は3名グループで行動していたうちの1名。
先を譲っていただき、 自然と今度は私が先導する2名体制に。

この段階で ギリギリ17時間台(3時台)での完歩 に照準を合わせることに決め、8:40min/kmペースを意識しながら進みます。
市街地に入って信号で足止めを食らう、歩道橋を渡るなどが思った以上に進行の妨げになりました。


トップの姿が見えない代わりに後続の気配も感じることがなく、 
他参加者のこれまでのペースからも「よほどのことがなければこのまま私たちが2、3位だろう」という予想がそろそろ確信に変わりはじめた頃、 
残り約1kmで信じられない速さで迫ってくる方が1名。 

めちゃくちゃ鮮やかに追い抜かれました・・・。
このラストスパートは格好良すぎるでしょう!

自分ではまず追いつけない速さのため、その後ろ姿を静かに見送ったあと、
持てる力を振り絞って3:56『中郷温水池公園』(105km) に到着。

タイム:17時間56分27秒
順位 :総合3位・女性2位


終盤に立てた自己目標を無事に達成することができました。
お疲れさまでした!

ゴール会場に1時間ほど滞在して完歩者とお話したあと、快活CLUB三島店を利用してシャワーを浴びリフレッシュ。
脚のダメージは軽度だったため、三嶋大社を経由してJR三島駅まで約3kmのんびり歩いて家路に着きました。


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