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昨日の夜は、たくさんの人が書いたクリープハイプの最新アルバム
『夜にしがみついて、朝で溶かして』のライナーノーツを布団の中で読んでいた。
自分と同じようにクリープハイプへの溢れる愛をもった人たちの言葉を読むと、止まらなくなって、なんとも温かい気持ちになった。みんな凄く深く言葉を綴っていて感動する。アルバムを聴いて、聴いている人たちの言葉を聴いて、布団の中でファンの人たちと忘年会をしているようだった。寝ないとと思って携帯を置いたけれど、中々眠れなかった。


私がクリープハイプに出会ったのは2014年『寝癖』のジャケットの撮影のときだった。メンバーが歳を重ねた写真を撮るために、特殊メイクでシワや白髪を表現した。嘘っぽくなく誠実。
自分の中を掘り出すような曲を聴きファンになった。

歳を重ねて実際に白髪やシワができた時も同じように写真が撮れたら良いなぁと思った。


2021年、歳を重ねるって、白髪って、結構あっという間だった。
4月『尾崎世界観の日』

初めてライブ撮影を依頼され、浮き上がる気持ちと緊張とでどうにかなりそうだった。
緊張の種類が2つあり、撮ることへの緊張とライブが本当にあるかどうかの緊張だった。会場に着いて検温をしても、『中止になるかもしれない』ということを心に止める癖がついていた。
会場が広い+客席を横断できないルールがあり、写真を撮る位置を変えるためには遠回りが必要で西へ東へ2階へ3階へと移動するとマスクで暑くてカメラのファインダーが曇って仕方なかった。
声を出せなくてもお客さんのまっすぐな気持ちの波動を感じた。

ライブがやれて本当に良かったと思った。

終演後、控え室で満ち足りた気分でいると
『今日メシある?』と家族からLINEがきた。外食ができない時期で
夕食を作れない日はLINEするのを忘れていた。
素晴らしいライブの余韻からあっさりと現実へ引き戻される。

けれど非日常の希望をもらった。

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9月のナイトオンザプラネットのpv撮影の予定表には「明け方終了予定」と書いてあった。夜通しの撮影も寒くなく、月の位置が変わっていった。
周りの建物からは夜を楽しむ音が聴こえた。
ナイトオンザプラネットって自分のために作ってくれた曲ですか?と思った。そう思う人たちが何人いるんだろうと考えた。それってすごいことだ。
歌詞がなくて、思い出す時間があけてある曲なんてそんな曲あるんだなあ。

夜が明けてきた時に鳥が3羽、空を飛んでいった。 

ムービーのカメラ助手の女性が、動くカメラを、動く尾崎さんに合わせて、ピントを4mくらい離れた位置で手元にある装置で合わせていてた。カメラも尾崎さんもどう動くかわからないのにどうピントを合わせるのか、とても難しそうに見えて「何年この仕事をしているのですか」と聞くとわたしの想像のしていた倍の長さの年月だった。

映像とても綺麗だった。  

このアルバムの最後の「生きたい」の部分が自分なら何て言いかえるのか聞かれている感じがした。今までも「大丈夫」と励ましてくれていたけれど、大変な毎日も自分たちが希望になるから、死ぬほど生きろと言われ、怖いけど家の外に出てみようと思うのだった。


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