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20230826NCT NATION

そもそも、ずっと迷っていた。
資金と気合いと時間と勇気があれば本国コンに行って帰ってこれるというのが発覚してしまい(7月本国ペンミ)、尚且つチケッティングによる妙なアドレナリン分泌を体験してしまったため「チケッティングくらいは挑戦してみてもいいだろう」というところから始まったNCT NATION本国コンチャレンジ(たった今命名)。

前回の備忘録

今回も日本から普通のネットワークで挑んだため若干苦戦したが納得できる座席を確保した。エアや宿を手配しつつ自分の生活にどうこれを押し込むか、また行くこと自体、自分をどう納得させるかについて格闘する日々が続いた。資金も気合いも時間も無限にあるわけではない。しかしエアを取った時点で覚悟を決めなければならなかったのに「同じ公演を日本でも見るのに…」と結構ぐずぐずしていた。チケットのキャンセル料が発生する前には絶対に決めなければと思い、最終的にやっぱり本国の熱量を感じたい、一度でも多く、テイルさんがステージで輝く姿をこの目に焼き付けたいという願いと、日本でセトリ落ちする可能性の高い曲を本国でやるかもしれない、という希望を持って腹を括った。

腹を括ったはずだったのに突然の出来事は我々に忖度しない。何に価値を見出すのか、改めて見つめ直さなければならなかった。あらゆる思いが拮抗し、考えること自体が辛かった。巡り巡って「本国と日本の公演、違いやそれぞれのよさを感じたい」という思いで決着をつけた。
それに何より、私はNCTが好きなのだ。
自分で掴んだチャンスを手放すのは現地に入って音を聞いてからでも遅くはないのではないか。しんどくなったとしても、同じ思いをする人がたくさんいて、何よりももっと心を痛めステージに立つであろう人たちが、違う場所で特別な思いで過ごすであろう大切な人がいるのだ。世界中の何処にいても同じように思いを寄せるなら、やっぱり行こう、と思うことができた。

大陸の風は湿度が高くなく、次の季節の気配を連れてきていた。蒸されるのではないかと本国のペンたちが心配していた競技場も、陽が高い頃は暑かったが公演が始まる頃には涼しい風が入り始めていた。

リミレスは私が生きている間に生で味わいたい曲の一つだ。七感で一気にNCTの世界観に引き込まれたにも関わらず、リミレスのイントロが聞こえた瞬間、空席から感じるテイルさんの存在の大きさと、パートがどうなるかへの不安で、血の気が引いた。歌声も空白になった時、ほんの少しほっとして、そして心がずんと沈んだ。誰も代わりを務められないし、同時に曲にとってテイルさんのパートがとても重要な部分でかけがえのない存在であるというのを突き付けられた瞬間だった。
リミレスのあのパートは技術的にも、表現の仕方にしても、とても難しいと思う。デビュー当時の無垢であどけなく感じられるあの歌い方も好きだが、この頃の歳になって成熟した声で歌う、あの温度感を残したまま、その当時の表現に寄り添うような今の歌い方も大好きだ。だから、代わりに歌われなくてほっとしたし、聴くことができなくて心がつめたくなった。
個人的には曲としてもとても良さがあると思うし、多くのファンに愛されている曲だと思う。私の願いはまだ叶ったとは言えないので、必ずや次の機会に全てが満たされた状態で聴くことができると信じている。

ドリムと威神がそれぞれに披露し、会場が盛り上がったところに続いたのは、テイルさんの魅力を存分に味わうことを約束されたセットリストだった。名曲揃いで息ができなかった。テイルさんも、メンバーも、公演に関わる人たちも、それはそれは悔しかっただろう。世界中でこの出来事を知る多くの人たちがそう思ったと思う。
もちろん私もそうだったし、この怒涛のセットリストに耐えられる自信がなかった。状況が状況なだけに、泣くことが許されるのかどうかも分からなかった。

でも。ドヨンくんが泣くもんだから。
「WITHOUT YOU」でドヨンくんが泣くもんだから。
私の涙腺もおしまいになってしまった。

涙や感情に貴賤や勝ち負けはもちろんないが、あの瞬間、ドヨンくんの涙に勝るものはなかっただろうと思う。
その姿を横に、ジェヒョンも、代わりを務めたクンさんも、自分のパートを全うして、ドヨンくんも見事に歌い上げて、それがほんとうにすごかった。私ならどの立場にいたとしても崩れる未来しかないなと想像してしまう。あまりのプロ精神に感動しながら、引き続いて歌われる曲それぞれに涙が溢れた。

「誰かが代わりに歌う」という状況は、その曲にまつわるどの立場にあったとしても、気楽なものではないと思う。もちろん聴き手もその中に入る。
歌う方はただ代わりにその音程で歌えばいいというものでもない。テイルさんはNCTの長兄だから、代わりを務めるのはみんな弟たちで、だから彼らは兄さんのパートがそもそも大切だろうし、憧れだろうし、畏れ多いだろうし、オタクの邪推はここまでにしておくとしても、並々ならぬ責任感と共に代役を務めたはずだ。
それぞれその重役を任された弟たちが歌う直前に画面に映し出されたとき、その覚悟を決めた、あるいは敬意を払うように感じられたその表情にとても心を揺さぶられた。それぞれ、凛々しくて、逞しくて、いい表情だった。
歌い方を真似る、とかそういうことではなくて、テイルさんのアティチュードを尊重しながら自分のものにして歌う必要があっただろうし、それを見事にこなしていたと思う。音楽は再現性のある芸術だから、音楽が地球から途絶えない限りは、別の人が演奏することで、その曲は命を燃やすことができて、聴き手はそれを味わうことができるのだ。
私は弟たちのプロ意識によって、これらの曲が一度でも多く披露される機会があったことにありがたさを感じた。
テイルさんの声が聴きたい、という思いと、音楽がほんとうに大好きだ、という気持ちと、メンバーの心を思う気持ちが一度に押し寄せて、涙が止まらず肩が震えるほどだった。

代役が必要だったのはテイルさんのパートだけじゃなくて、他にも必要だったのだけど、私は特にUniverseでショウタロウのパートをやってくれたヤンヤンとRESONANCEの中の90’s Loveでソンチャンのパートをやってくれたテンちゃんがそれぞれのアティチュードをしっかり引き継いで丁寧にやってくれたところにも感動した。それぞれ、また何度もやるのかもしれないけれど、ある意味であの代役は初手だったから、オリジナルを大事にしてくれたのが、本当に嬉しかった。

ところで私が観覧した座席の両隣というのが、どちらもドヨンペンの方だったようで、初めから分かっていたのだけど、ドヨンくんがとても頑張っているのに私が嗚咽を漏らして泣いてもいいのだろうかと思いながら、でも止められなかった。頑張っているドヨンくんに声援を送りたっかたかもしれないのに申し訳なかったと思う。どちらも本国の方だったので例えばうまいこと話しかけて謝ることは難しかったし、片方の方には充電ケーブルを貸していただいて、本当にお世話になった(モバイルバッテリーのコードを宿に忘れて現場に入った時には30%を切っていた、勘で電車に乗るのはハードすぎたので本当に助かった)。

申し訳なかったし、お世話になるしで恐縮ばかりなのだけど、私が今回行ってよかったな、と思っていることにこの方たちの存在がある。
7月、ペンミの会場で本国シズニたちの圧倒的な熱量と声援の大きさに感動した。その時の感動がどうしても忘れられない、というのが今回本国に行った理由の一つでもある。
スタジアムでもその熱量は変わらなかったし、屋根があろうとなかろうと全然関係なかった。空が割れるんじゃないかと思うくらいの声援に勇気づけられて、私も思う存分応援した。
とは言え、何をどれくらい叫んでいいものか、というのを周りの様子から決めることもある。そういう意味で、私の両隣におられた方たちは純粋にNCTが、NCTの音楽が好きなんだ、と感じられるような姿でありがたかった。
とにかく歌っていた。推しのパートの時は特に一生懸命、声を合わせて歌っているように聴こえたし、多分お気に入りであろうパートも一緒に歌っていた。後半イリチルの曲が続いた時、テイルさんのパートは特に、はっきりと歌ってくれていた。掛け声と歌と、何役もこなすときもあった。いい曲だもんね、分かるよ…と思いながら、自分も夢中になれた時間だった。
たまたま私の周りがそうだった、私にとって一つの癒しのポイントでもあった、ということで、行った人の数だけ思いがあるだろうと思う。隣の方たちももしかしたら横にむせび泣く異国のオタクがいて、やりにくかったかもしれないから、今あらためて「ごめんなさい…」と念を送りながら書いている。

途中舞台装置のトラブルで進行が押してしまい、最後まで居られなかったのだけど(異国で終電チャレンジを敢行する怖いもの知らず)、選曲も、お衣装も、曲の構成も、とても盛りだくさんで、本当にいい時間だった。あの曲もこの曲も聴きたかったな、あんな企画やこんな舞台配置もよかったかな、などきっとアイデアは尽きないのだろうけど、公演が安全に終わってよかったなと思う。
日本の公演まで時間があるから、また別のお仕事をこなしつつ準備していくのだろうけど、健康と怪我には気を付けて過ごしてほしいし、また日本の公演でもたくさん楽しんでほしいなと思う。
あらためて、NCTを好きでいられて、よかったなと思えたし、時には距離感が難しくなる時があるし事務所に文句言いたくなる時もたくさんあるけど、アイドルとして、アーティストとして一歩ずつ歩みを進めていく彼らを、自分にとっても前向きなエネルギーになるように応援していけたらいいなと思います。長すぎた、もう書き直せない。おしまいにします。


以下、何もまとまらない雑感です(こっちが本題か?)

BOSSからお召しだったあのお衣装、最後RESONANCEでみんなお召しだったからテイルさんのフィッテイングの時のお写真残ってたらいいのになー!!!あと英雄のお衣装がかっこよかった あと個人的にVCRがひたすらそれぞれのお顔で繋がれるのもよかった 私はヘンドリーのパフォーマンスが好きなのでめちゃくちゃカッコよくて最高だった The BATの曲もお衣装も振りもとんでもなかった チソンくんに半袖ハイネックを選んでくださった方どうもありがとうございました トラックビデオ、振りあるといいな Baggy Jeans、わっかんねー!かっこいいー!!!というのが本当に好き イテヨンが率いるNCTがかっこよすぎて、NCTに出会えて、好きになれてよかった、とひたすらに実感しました Misfit聴けてブチ上がった、新曲のパフォで一番好きなのは実はCall Dでした テテンでしか得られない蜜のような味わいは、確かにある
威神は5月以来に観られたのだけど、スタジアムでもすごく大きく見える存在感というか、圧倒的な凄みというのがあったし、それぞれにお仕事をこなしたり、世界中を回って、全てが糧になってるんだなと思ったら痺れた ウィンウィンをこの目で見られたこと、ほんとうに幸せ
ドリムに向けられる視線を見て、へチャンがISTJのインタビューか何かでファンと自分たちの関係について言ってたと思うし、(詳しいことが思い出せない)映画でもそういう話があったけど、ファンとの相乗効果がすごいなと思った どんなエネルギーも前進させるベクトルに変換できるのは強い


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