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道を外れた先




日記




わたしの人生は間違いの連続なのかもなと思うことがよくある。
けれど選んだほうを正解にすればいいんだなんだとかの綺麗事は聞き入れないようにしている。
間違いかもしれないが、それでいいと諦めている。
わざわざ正解にこだわらなくたっていいのかもなと思うようになった。

雨の日が好きな人が、その理由を「いつも正しく生きている人たちが全員この世からいなくなっている気がするから」だと話していた。
影を、陰を歩いていたっていいじゃない。
私は同じ理由で夜が好きだ。そして朝外に出るのは怖い。真っ当に生きている人たちと自分を比べてどうしようもなく惨めな気持ちになるから。
この前朝から用事があって駅へ向かう道中、ショルダーバッグを下げた制服姿の女子高生が汗を流しながら走っていた。電車の時間に間に合うように走っているんだろう。立ち止まる気配のない姿がすごく眩しかった。

もう決して人に誇れる人生ではない。
人に誇れる職業でもない。唯一抱いていた夢は、なんだか最近諦めかけている。専門家に、コミュニケーションが困難ですと言われたら、途端に自分の足元が見えなくなった。簡単に諦められるほどの夢だったのかもしれない。でも夢がないと生きられない。というより、夢がなくて生きていていいのかなぁ。
心を知りたかった。心理士になって、えーっと心理士になってどうしたかったんだろうな。

心を知れば自分を救えると思ったんだけど。
今まさに壊れかけている。



今日友達と焼肉を食べて夜カフェに行って終電で解散した。
たったそれだけなのに、どうしようもなく嬉しくて、スキップして帰ってきた。
黒烏龍茶とスムージーだけで爆笑できる。おすすめのコスメの話をする、スキンケア何使ってる?とか、あのブランドのクリームどうだった?とか、その香水いい匂いだねとか、好きな人いるの?とか、気になる人の話きいてくれる?とかをする。
売上の話はしなくていい。面倒なお客の話もしない。面倒なやりとりの話もしない。無理に笑うこともしない。無理に気をつかうこともしない。

いつも蓋をしている感情が踊り出しているような、こんなにも心は無邪気になれるんだと思った。

仕事は仕事だと割り切ってしまう性格なので、職場で仲のいい友達を作ることはできない。
通常、同年代の女の子が当たり前にしているはずの会話を普段全くしていないので本当に楽しかった。


「ご飯っていつもお客さんと行くときは焼き鳥かお鮨とかなんだよね?わたし何かでみたよ」と気遣ってくれた。
ヘルシーだからね。

でも彼女は焼肉が大好きらしいので、わたしは彼女の好きなものが食べたかったから焼肉に行った。牛角なんていかないよねごめんね、なんて謝らせてしまったんだけれど、全然吉野家だってガストだってサイゼだって行くよ。チェーン店はいつだって同じクオリティを出してくれて最高。


焼肉店で働く彼女はプライベートでも焼肉によく行くらしく注文が手慣れていた。
あんなに楽しい焼肉は久しぶりだったかもしれない。

お肉食べてる途中にアイスを挟む自由っぷりが見ていて楽しかった。
『自分の分それぞれ自分で焼こうね!そのほうが気楽でしょ!』と言ってくれる一言のおかげで変な気を遣わずにも済んだ。

いつからか選ぶ服も選ぶ髪型も髪色も化粧も食べるものも食べ方も、いろんなものをお客さんにウケるために変えてきた。

ご飯の途中でデザート食べちゃったっていいんだ。(まあそもそもそれを嫌うお客さんがいるのかどうかはわからないんだけども)

いい子でいなきゃ、普通でいなきゃ、感情は殺せ、お客の理想の通りに振る舞え、と思っていたら疲れていたらしい。
そりゃ疲れちゃうよねえ。




今日はその子のおかげで嫌なことを忘れられた日になったよ。
いちいち大袈裟で人を困らせてしまうから直接言えないけれど、素敵な時間を本当にありがとう。明日もいい日にしてね。おやすみなさい。









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