【読書メモ-40】「ボイスレコーダー 撃墜の証言」(小山巖/講談社+α文庫)

これも大韓航空機撃墜事件のレポ。エリツィン政権下でブラックボックスが返還。フライトレコーダー、ボイスレコーダーが解析され、ICAO(国際民間航空機関)による最終報告書が出された後のもの。ボイスレコーダーは、文字に起こしてもけっこう生々しい。スパイ飛行説が完全に否定されたものの、航路を外れたことについては、「ヘッディングモードで飛行し続けていることに気づかなかった」という説が濃厚に。また、ICAOの報告書は1998年時点では日本語訳がされていない模様。そのため、遺族や報道関係者でもその存在を知らないとか。

個人的には、柳田邦男氏の丁寧な検証を読んだ後だったりするので、もう少し可能性の分析をしてほしいと思ってしまうところ。柳田邦男氏の仮説、「ナブスイッチの切り替えミス」も可能性が大きそうな気がする。実際、こうしたミスによって航路を外れる事例もあったということで、大韓航空機事件後、ナブスイッチの切り替えに関しては航空各社でマニュアルが変更されたらしい。

そしてこの事件後の最大の変化(対策)は、GPSの民間利用化だったのかも。

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