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”強度勝負”J1第16節 鹿島(A)vsFC東京(H)マッチレビュー

鹿島 1 ー 3 FC東京

 前節鳥栖戦を劇的な引き分けで終えたアントラーズ。終盤逆転にしたものの、ラストワンプレーで引き分けにされてしまった悔しさがあるものの首位には浮上成功。きっちり勝ち切って首位保持、といきたいところです。スタメンはブエノとアラーノが名を連ね、代わった和泉と関川がベンチスタート。この意図としては対人とスピードに特徴のあるブエノで対アダイウトン、オリヴェイラに対応するためかなと個人的には思います。和泉はね、さすがに使いすぎましたよ。まぁ結局使うんですけど(依存症)

 対するFC東京はミッドウィーク清水戦を3-0快勝、7位につけています。左SBで今季好調を維持している小川諒也がこの夏ポルトガルへの期限付き移籍を発表。どうやらこの試合が移籍前のホーム最終戦とのこと。代表に選ばれた際も印象的なパフォーマンスでしたし、楽しみっすね。

〇前半

ロングボール前進に半ば失敗。東京の高い守備強度に苦しむ

 両軍立ち上がりから敵陣へボールを蹴りこみ、とにかく自陣でのプレーを避けた。鹿島は高い位置からガンガンとプレスを仕掛けて東京のビルドアップを阻害。相手の縦パスにも積極的に迎撃しインターセプトやクリアへとつなげた。相手の出鼻を挫くという点では鹿島が先手を取れていた気がする。

 ただ、ロングボールによる前進が効果的だったかというとNO。カイキvs長友のエリアでこそチャンスに繋げられたものの、セカンドを拾ってからの展開に苦しんだ。安部、渡邊らの出足も早くボールを押し戻される局面も多かった印象だ。自陣でのプレス強度においては東京も隙がない。3CHがキッチリ人を捕まえてくるのでフリーでボールを運べるシーンがなく、敵陣で秩序を構築することは不可能に近かった。この高い守備強度のおかげで地上進軍ルートも険しい道のりとなり、鹿島はなかなか起点を作れなかった。

 FC東京は10分すぎくらいまで落ち着いてボール保持をできる時間を得られなかったものの、左サイドの高火力コンビであるアダイウトン&小川が突破役として機能。アダイウトンに関してはこの試合最初から最後までアダイウトンさせてしまったので、その時点で鹿島はかなりキツかった。33分には小川が斜めに差し込んだパスから崩して渡邊が先制点GET。ブロック間をドリブルで抜け出されると脆いのは鳥栖戦でもあった課題。プレスのベクトルがボールホルダーに強く向いている以上、それを剥がされるとやべえっすな。36分には鹿島も反撃、ロングボールを逸らしたカイキ、更に拾った優磨とのワンツーで抜け出して決定機を作るも得点には至らなかった。

 リードを取られたことで鹿島はより前掛かりにはなるも、そうなれば薄くなる後方の堅さ。ピトゥカだけでなく樋口も積極的に前へ絡むようになってしまえば、広大なスペースを与えられたアダイウトンが活きるスペースを与えてしまった。42分にはブエノがアダイウトンを抑えきれずに突破を許し、最終的には渡邊の2得点目を許してしまった。ぐぬぬ。

〇後半

アダイウトンの悪夢、再び

 後半開始!!さぁ反撃じゃ!!ともいかず、50分にブエノがまたもやアダイウトンに振り切られてたまらず後ろからスライディング、PK献上。完全に白旗ですね。きっちりオリヴェイラに決められ、前節に続きまたもや3点ビハインドとなった鹿島。直後の54分、失点後すぐ交代で入った和泉のフリックから上田綺世が決めて1点を返せたものの・・・

 FC東京は2点リードを得たこともあってか、鹿島の攻めを受けつつ凌いでカウンターを狙う姿勢にシフト。アダイウトン、オリヴェイラに攻めを託しつつ、自陣守備の強度を保って致命傷だけは避ける戦い方となっていった。鹿島としてはボールの保持時間も確保できたので何が何でも追加点が欲しい展開。優磨が右サイドに張る局面が明らかに増えたことで、左右から攻め立てられたのもグッド。流石に左右に振れれば東京もしんどそうではあった。

終盤にさしかかり見事だった東京のリズムコントロール

 鹿島が追加点を奪えずに時間が過ぎ、65分あたりを過ぎるとFC東京は攻撃を速攻から遅攻へとチェンジ。ボールを奪ってから即カウンターを打たずに、じっくりと鹿島陣内へ入り込みながら展開をコントロールしていく。このプレーテンポの変化に、鹿島は悪い意味で付き合ってしまった感じはあった。このクロージングは相手ながら見事だったし、気を削がれてしまいましたな。流石に連戦組は疲れ切ってました。

次戦、天皇杯・新潟医療福祉大学戦

 1-3と敗北し、2位転落。さらに首位に躍り出たのはきっちり勝ち点を積んできたマリノスとあっては更に悩ましい。次のミッドウィークにはとうとう天皇杯が始まるものの、相手は大学生とあって流石に大方の選手はお休みを貰える・・・・はず・・・・?

天皇杯、ルヴァンPOを挟み6月18日京都ホーム戦がリーグ再開日。優磨は後半ATに受けた警告(異議)により出場停止が決定しています。個人的には、彼のアツさとチームを背負おうという気概に心から敬意を表しています。ただ、やはりネガティブな感情をコントロールできずに粗暴な立ち振る舞いを行ってしまう場面もあるしそこは残念に思います。チームの顔ですしね。鳥栖戦でも悔しさを爆発させて腕章を地面に叩きつけたりもしていましたが、そういった状況だからこそグッとこらえて欲しくはあったり。気負うがゆえに、難しいんだろうけど・・・異議による警告はマジで勿体ないっす。

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