最近のオクトラ大陸の覇者について。

※批判的な内容を含みます。
抵抗のある方はブラウザバックを推奨します。

みなさんは、オクトパストラベラーというゲームをご存知でしょうか。
スクウェア・エニックスから2018年にニンテンドースイッチで発売されたコンシューマーRPGです。
ドット絵のキャラとHDの背景を組み合わせた、いわゆる懐古層向けのゲームなのですが、これが非常に出来が良く、新規ipながら根強いファンを獲得しました。
何を隠そう、僕もそのワンオブゼムですし、音楽ライブにも足を運んだ生粋の信者です(自称)。

そして、そのオクトパストラベラーの過去を描くということで始まったのが、オクトパストラベラー大陸の覇者というソーシャルゲームです(以下「大陸」といいます。)。
僕は、サービス開始前からずっと情報を追い続け、今か今かとサービス開始を待っていました。
そして、遂に封切りとなった大陸は、凄まじく良くできたRPGでした。

20時間程度でクリアできる3つの重厚なシナリオを終えると、さらに重厚な1つのシナリオが始まり、最終的に強烈な盛り上がりを見せる。
この構造は、まさに原作オクトパストラベラーをリスペクトしたものだと感じましたし、ラスボス戦では感動のあまり泣きました。

そんな大陸も、今では2周年を控える状況で、コンスタントにシナリオやコンテンツが追加され、ソーシャルゲーム的なローテーションが構築されつつあります。
最近のコンテンツには批判も多いようですが、人気の高い闘技場というバトルコンテンツは、素人目にも調整が難しそうで、使い回しコンテンツが増えるのも、多少はやむを得ないと思っています。

そんな信者の僕が、今回筆を取ってネチネチと書きたいと思ったのは、まさに大陸の根幹をなすシナリオについてです。

批判をおそれずに敢えて言えば、サービス開始直後から遊べる「全てを極めし者編」以降は、全て右肩下がりの出来だと感じています。
それだけ「全てを極めし者編」のストーリーの出来がよかったということだと思いますし、それによって目が肥えてしまって、どうしても追加シナリオに批判的になりがちな傾向は否めないと思います。
ですが、ここ数ヶ月の「全てを授けし者編」は、ちょっと目に余ると感じています。

もちろん、「全てを極めし者編」以降にも、いいシナリオがないわけではありません。
「名声を授けし者編」の第3章は、原作をリスペクトしながら、サスペンス的要素やどんでん返しをうまく散りばめた完成度の高いシナリオだったと思います。
それだけに、「全てを授けし者編」の最近の展開が残念でなりません。

「全てを授けし者編」の第5章では、原作シナリオの根幹を成す、ある門を開くことになります。
ですが、原作をプレイすれば分かりますが、その門の奥はそうそう行けるところではなく、主人公たちが、それぞれの旅の果てに、ようやく辿り着く場所なのです。

それを、原作未登場の1キャラがホイホイと開くというのは、極めて違和感があります。
門を開くには、あるキーアイテムが必要なはずですが、それを使った形跡もなし。
原作設定を見直しても、原作開始時点において門が開いているのか、閉まっているのかは明確ではありませんが、それでも、簡単に開けたり閉めたりできるような描写はちょっとおかしい。
本当に原作の過去なのでしょうか?

ネットでは、原作シナリオとはパラレルだから、というような諦めの言葉をよく目にします。
ですが、「名声を授けし者編」の第3章までは、原作シナリオが意識されていると感じられたのに、ここに来て原作シナリオとはパラレルだからとちゃぶ台を返すのは、あまりに横暴だと思いますし、もし本当に製作者側がそんなことを考えているのであれば、残念極まりありません。

つらつらと思いの丈を述べましたが、まだあと3章分は「全てを授けし者編」のシナリオがあるはずですし、そこから手のひらをクルックルにするくらい面白い展開が待っているかもしれません。
僕も、第4章までは、逆転を期待し、静観の姿勢を保っていましたが、第5章で遂に不安を感じてしまいました。

製作陣には、是非とも「全てを極めし者編」を超えるシナリオにして欲しい。いちファンとして、そう願うばかりです。

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