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2006年10月5日の日記

あるニューエイジ系宗教団体の講演会に潜入した事があります。もう5~6年前の話です。きっかけは街角の電柱に貼られたポスター。「UFO講演会」とでかでかと書かれていたそのポスターを見かけ、会場が家から近かった事もあり、好奇心から行ってみる事にしたのです。(ちなみに確か有料だった。といっても数百円だったけど。)

始めにその時の感想を書いておくと、「助けて~!」です・・・。わりと恐怖体験でした。

丁度今日みたいな小雨の降る日でした。ポスターに付いていたチラシをもって会場に向かいました。会場はパイプ椅子の並ぶ至って普通の貸し会議室。(但し、正面の壁にお誕生会のような輪つなぎと風船、そして「UFO is LOVE」の文字以外。)まずアンケートを書かされる。会報が欲しかったのでとりあえず住所は教える。勧誘とかあると困るので電話番号は書きませんでした。


会場にはほとんど人がおらず、しかもヤングガールは私一人。既にここで少しびびりはじめる…。が、そこに一人同い年くらいの女の子が入ってきたのだ!見た目も普通だし、ホッと一安心したのも束の間。何やら信者の人と親しげに話し始めるではないか!よくよく周りを見渡してみると、皆でかい六亡星のペンダントを胸に光らせていたのであった…。

おそらく信者でないのは私と、蜷川社長を汚くしたような、明らかにやばそうなカルトオーラを出しまくっているおっさんだけ…。

ああ、ちょっとやばいかも、と考えていると、口ひげを生やした男性が「こんにちは」とにこやかに話しかけてきたのです。風貌は「ちゅーとはんぱ」でおなじみの芸人風。

「こんにちは」と笑顔で話し掛けてきたその男性にいろいろと質問される。「今日の講演会は何で知ったのか?」「私達の団体を何で知っていたのか?」など。講演会はポスターで、団体のことは知ってましたなどと適当に話す。その後、クローン人間の必要性、クローンってすばらしいと思いませんか?みたいなやばい話が始まったので否定しつつも適当に聞いておきました。

そうこうしていると講演会が始まりました。講演会は主にプロジェクターが用いられ、
内容は以下のとおり。

1 世界各国のUFO目撃映像の上映。(UFOの場所を「ここです!」と丁寧に教えてくれる。)

2 チョウチョのアルファベット・数字模様映像・その他オーパーツ系の映像上映。(ちょうちょは画像参照)「自然は宇宙人の力が働いている!」

3 クローンの素晴らしさについて説明。
説明は先ほど話し掛けてきたおっさん。理学博士らしい。ここから怪しくなっていく。「クローン人間にYES!」大まかな内容は確か、クローン人間だと完全な欠陥のない人間として永遠に生きられる・いいことづくめでっせー!的な話(鉄腕アトムが紹介されていた気がする)で、私は全く共感できませんでした。

4 広報担当の話。
 ここからプロジェクターがしまわれ、部屋が明るくなる。

と共に何故か「SPEED」の曲に乗って、白いスーツをきたバブリーな外見の広報担当のお姉さんが登場。
昔はいじめられていたけど、ここの代表の本を読んで入信を決意。洗礼を受けて明るく・前向きになれました♪みたいな身の上話を披露。あとちょっとした教義の説明。

おしまい。


※ここで軽くこの組織の考え方の説明をしますと、地球上の全ての生物はそもそも異星人によって作られたクローンである。(だから神や霊魂は存在しない。進化の歴史も嘘。)
それから地球は、人類による(核)戦争・環境破壊等によって壊滅的状態になってしまった。異星人は、仏陀、イエス、ムハンマド等の預言者を選び、人類にその愚行を悔い改めるように警告を発してきたが、人類はその警告を無視し続けて今日に至った。
そこで、地球を「本来の正常な状態」に戻すため、教団の代表を預言者として選び、異星人たちが再び、この地球に降り立つための大使館をスイスに造ろう!!というのが大筋。だから「UFOには愛がある」なんです。後、独自の紀元を作っていて何故かafter hiroshimaだったと思う。
ちなみにこの異星人達は笑顔を絶やさず、5秒に1回は大爆笑してるような人たちだそうな。なので信者は皆笑顔です。
神や進化論の否定と言う所が無理がありつつも新しいですね。


講演会が終わった後、今度は「懇親会」なるものが開催されるとの事で、信者の人たちはその準備に取り掛かっていました。(お菓子とジュースの用意)

そろそろ帰らねばマズいな、帰るなら今だ!と意気込んでいたら、大阪を仕切っているという、若い男の人が私に話しかけてきました。講演会の感想を聞かれたので、とても興味深かったです。とお答えしました。(もちろん別の意味で)
少しお話するうちに脈ありと思われたのか(クローン人間全く興味ないですって言ってたんだけどね。)、今度名古屋に教祖が来日するとの事で、イニシエーションに誘われたのですが、丁重にお断りし、「バイトがあるので帰ります」とどうでもいい理由を述べ、アンケートを提出(「クローン人間にならなくても私は今のままで満足です」と記入)・猛ダッシュでその場を立ち去りました。

正直怖かったです。


その後、会報や洗礼をうけて宇宙コンピューターにDNAを登録しよう!と言ったチラシが送られてきたけど勧誘などは一切なかったので安心しました。内容はおもしろいので今も当時のチラシ(大使館構想図つき)と共に保管してます。


自己啓発とかでもそうだけど、基本的にこういった類の講演会では「あなたは今の自分に満足していますか?もっとすばらしい人生を送ってみませんか?」といった事が何度も強調されます。ここで純粋な人は感化されてしまうんだろうな。今回のケースではクローン人間でしたが、私は自分のクローンはいらないし、完璧は求めてないので今のままでいいです。でへへ。

感想としては、理系の人や若者が多かった事などからオウム真理教と重なって見えました。きっとオウムも初期はこんな感じやったんやろうなー…と。だからといって騒ぎすぎるのには私は反対ですが、中には彼らのように間違った方向へ進んでしまう人たちもいるわけで、教祖さんには頑張っていただきたいです。

まぁ彼らは今のところ無害なので、あの異様な空気に耐えられ、かつクローン人間にNO!と言える自信のある方は参加してみると良いお勉強になると思いますよ。(責任持ちませんけど)

この体験は私にとってのカルト体験の一つです。後は某アニメ専門学校の狂った入学式かな・・・。この話はまた今度。

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2020年の感想と注釈:

若さ特有の謎の上から目線。「教祖頑張って欲しい」とか。。

このころは好奇心だけで何でもできる年頃だったので、思いついたら割とすぐに行動に移していた。当時はまだ街の電柱に広告が貼ってあったりしていて、小学生の頃から「なんかキモい」と思っていたガガンボとかの上映会のポスターもまだちょいちょい見られた。電柱にUFOには愛があるという変なポスターがあったので、興味本位で参加したら結構しんどかったという話。

当時私は哲学(オカルト好きが高じて宗教社会学)を専攻しており、ちょっと気取って言うと、知的好奇心を満たすために体験してみたかったのだが、会場の公民館の会議室についた時点でどうやって帰ろうかということに集中していた気がする。ちなみにここで言及されているSPEEDの曲名は何だったかなと、覚えている歌詞から調べたら、「My Graduation」という曲で、youtubeを見る限りSPEEDも白い服を着ていた。

この体験の話を後日回帰クラブのメンバーにしたら、飲み物に薬とか入れられるかもしれんからやめとけと怒られた。

社会人になってからも、教育機関で働いていたので、4月は良く昼休憩で外を歩いていたら学生と勘違いされて、様々な団体から声をかけられたものである。私は皆がどんな説明をするのか興味があるから一応話を聞くので、気に入られて(というか脈ありと思われて)しおりやらご飯やら各々から頂戴した記憶がある。バーベキューに誘われたりして、ちょっと行ってみようかなと思ったこともあるけど、行かなかった。

恐らく韓国系のキリスト教団体が「ゴスペルサークル」を名乗って声をかけてきたときはチヂミを振舞ってくれたので、ついベンチに座って話を聞いてしまった。ゴスペルサークルを名乗っているだけに、iPhoneのしょぼいカラオケに合わせてお姉さんが一人歌(曲は忘れたけどアメリカに行ったことがあるという話をしたら50sアメリカンポップス)を披露してくれたりした。最終的に私は仕事にも戻らないといけないし、仏教徒だという事を前置きしたうえで「あなたも頑張っていてすごいと思う。方向性は違うけどお互い頑張ろう」とバンド解散時のテンプレみたいな事を言って無理やり納得させた気がする。

そして例によって「後は某アニメ専門学校の狂った入学式」編が公開されることはなく、今に至る。あまり覚えていないが、いわゆるブラック企業のような「校長が先頭に立ち大声であいさつ強要・気合」みたいな違う意味でヤバイ内容だった。あと宮村優子氏がゲストで、今USJで働いているというようなことを言っていたと思う。

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