私と北見と「染、色」と

6月9日 18時公演
ご縁があって舞台「染、色」を観に行くことができました。
備忘録も兼ねて、レポを残します。

がっつりネタバレ含むのと、庄汰さんメインのレポになります
ご了承ください🙇🏻‍♀️🙇🏻‍♀️
めちゃくちゃ長いかも。ごめんなさい。



原作読んでから行った方がいいのかな、と思ってましたが
色々調べてかなり原作と変わっていると聞いたので読まないまま観劇。
そもそも北見が舞台のオリキャラなので、
舞台前に読まなくてよかったかもしれない。

序盤から北見は登場して、正門くん演じる深馬と小日向くん演じる原田の3人がめちゃくちゃ仲がいい。
北見がめちゃくちゃハイテンションキャラだとは前々から聞いていたから知っていたけど、予想以上にハイテンションなキャラだった。
冒頭のシーンは本当にお調子者以外の何者でもない。
知り合った女の子(北見曰く彼女ではない)たちとめちゃくちゃ連絡取るし
スロット(ここら辺記憶が曖昧)とかそういう遊びをめちゃくちゃするような人間。
本人は女の子を弄んでる自覚はないんだろうな!!!ずるいぞ!!!

序盤の北見は本当に笑いを堪えるのに必死になるくらい顔芸とモノマネのオンパレードでマスクをしていてよかったと心から思った。
おばあちゃんのモノマネ×2、酔っ払って盆踊り、深馬が北見の粘土を奪って机に叩きつけるフリのモノマネ(顔芸つき)×2 この時点で腹筋崩壊太郎である
原田がバルーンをつけた銅像を作って持ってたんだけど、酔っ払った北見がその銅像にめちゃくちゃキスをしていた。銅像になりたいと思った。
てか乾杯の時に舌ペロしてたんですけど。
ヤバくないですか。
アナタ。
ちょっと待ってくれや。

と、こんな感じでめちゃくちゃにお調子者の北見だったのだけど、深馬の作品(真未がひとつ手を加えたもの)が有名な芸術家の目に留まり、展覧会(?)に出てくれないかという話を聞いてから徐々に深馬に対する嫉妬心や羨ましがる心が露になってきて。
あのシーンからの北見の演技が本当に凄かった。
いきなりがっつり嫉妬心を露にするんじゃなくて、少しずつ少しずつ、シーンが進むにつれて北見の深馬に対する声のトーンだったり、接し方だったりが変わってきて。
パンフレットの庄汰さんのページで、瀬戸山さんに「感情の違いがもっと見たい」とリクエストされて、メリハリをつけていきたいって言っていて。普段はおちゃらけていてあまり自分の負の感情を出さないタイプの北見が、自分の身近にいて自分よりも1歩先にいく深馬に対して徐々に負の感情を出していくお芝居を見事にやっていて、たくさんたくさん悩んで作り上げた北見なんだなと。細かい動作や表情だけでも北見が今どう思っていて、何を感じているのか、こちら側でも想像ができてとても震えた。

北見って、小さい頃からあまり不自由なく過ごしてきたタイプの人間だと思うんですよね。
親も出版社の社長だし、裕福な家庭で、裕福な環境で美術に触れてきて、美大に入って、入学当初から実力もあって、女の子にも困らなくて。

深馬は実家は恐らくあまり裕福な家庭ではないんだろうけど、ちゃんと実力で美大に入って(本人はまぐれって言っていたけど)、その実力が認められていて。
でも自分の感情をあまり表に出さないし言わないタイプ。女の子もそんなに取っかえ引っ変えするようなタイプじゃないけどあんまり自分からはマメに連絡しないタイプ。

2人は性格とか環境とか似てないけど、深馬も北見も、入学当時から賞賛された2人だったからこそ、心の奥底ではライバル心があっただろうし、北見は深馬を、深馬は北見を認めていたからこそ良い関係でいられたんだろうな。

あんなに女の子とマメに連絡を取っていた北見が、いざ親友の彼女となると全く手を出さないし、杏奈が深馬のことを心配しているから深馬の親友として北見は親身になって相談に乗ってあげてるの本当に優しさの塊。
杏奈に触れたいけど親友の彼女だからと留まる北見。キュンで死ぬかと思った。私のところにこないか。
かと思えば北見が深馬の作品を壊したと疑われて1人になった時に杏奈が現れて無言で杏奈の手を取って引き止めてる北見。抱きしめたい。私が北見の支えになりたい。

私情が入りました すみません

深馬と北見が大喧嘩した時は本当にヒヤヒヤしたしマジでビビりました。
真未が北見のことディスっているときにあんなに言い過ぎだとか言ってたのにその直後に北見の作品をディスってるんじゃあないよ深馬。
庄汰さん、他の演者に比べて背格好が大きいので、その分投げ飛ばされたときはヒヤヒヤしたし殴りかかっていたときはまじで止めようかと思った。
北見は深馬と杏奈のことを心配して取り持ってあげようと言っているのに、深馬は杏奈と北見が会っていたことにめちゃくちゃブチギレている。なんでよ。
北見の怒りのボルテージが上がって最終的に作品をディスられて堪忍袋の緒が切れた瞬間の演技、庄汰さんも正門くんも怖すぎて頼むから落ち着いてくれと心の中で100000回念じた。
それくらい熱が入っていた。

そんなにさあ!!!!!!深馬のことを思ってくれているのにさあ!!!!!!!!!深馬ってやつはさあ!!!!!!!!!!!!!もう!!!!!!!!!許さん!!!!!!!!!!!!!!!()

北見、芯はしっかりしているんだろうな、と思ったら最終的にコネ入社していて笑いました でもスーツ姿がめちゃくちゃにかっこよかったのでオッケーです

後半、ずっとお芝居をみて震えてた。素晴らしすぎて。
役者松島庄汰が本当に大好きだなあと感じた。
庄汰さん、役者を続けてくれてありがとう。


ここからは他の演者さんのお話と色々な解釈について。

正門くんの深馬。はじめてお芝居を見たけど、よいお芝居をするなあと思った。私は目のお芝居が上手い人が好きなのですが、最後のシーンの正門くんの目がめちゃくちゃ憑依した目をしていて好きでした。
あと真未が実在しない人物で、全部深馬本人がやっていたという回想シーンのとき、最初真未がやっていた行動を深馬がやっている演技がそこにいるのは深馬なのに真未に見えてきて震えた。正門くんと透子ちゃんが重なって見えた。
真未が現れたトリガー、滝川先生の「新しい風」だと思うのですが、ここ見た皆さんはどう思いますか。滝川先生はスランプから脱した深馬に対して最後の方で憧れと、嫉妬心と、絶望を抱えた狂気的な演技をする訳だけど、そんな深馬のスランプを脱した人物もまた滝川先生だと思うんだよね。どうだろうか。
服装、最初は白だったけど真未と一線を超えてから急に黒になり、最後眠りから覚めたあと白に戻っていて、黒時代の時間軸はまさに真未の行動全てが深馬の行動だったのだな〜と。気づいたら腕にスプレーをかけているしね。
舞台冒頭でトマトの詩と共に「何だってありだよ、面白ければ」と言っていた深馬、だけどその発言とは逆に作品を完成させることが怖くて上手く打ち込めなくなっていく深馬、真未が現れて、ポリダクトリーとして真未とスプレーアートをして自由になっていって、後半の方で書いてたデカい街の絵の時にまたトマトの詩を言っていて、真未に詩のことを一蹴されて、真未が深馬の"自由"な部分だとしたら、芸術は何だってありなんだから、縛られずに自分の思うままに表現していけっていう意味なのかな〜。ここ、確実に伏線として繋がっているよね。
深馬はもっと杏奈を大事にしてください。自分の寂しい時だけ杏奈を頼るな。杏奈は就活の悩みをお前に言えなかったんだぞ。おい。聞いているのか。
と、それくらい深馬にイライラしてしまっていたのですが、それは舞台の上の正門くんが間違いなく"深馬"だったからで。それくらい良い演技をしていた。
深馬の、怒りも悲しみも喜びも全部笑いで済ませる演技がめちゃくちゃ怖くて、もちろんちゃんと感情として怒ったりイラついたりしているところもあるけど、所々で見せる笑いがとてもゾクっとした。正門くん、サイコパス役やってみませんか。どうですか。
あと、カテコ3回目の正門くんの挨拶が終わって捌ける時に笑顔で両手フリフリしてて軽率にときめいた。あれが西のリアコですか。

透子ちゃんの真未。深馬とのコンテンポラリーダンスがとても良くて、すごい身軽だなあと。ダークなお芝居が似合うね、笑い方が怖くて鳥肌立った。
深馬にスプレーを隠されて癇癪を起こす真未は、最後真未のいたはずの部屋でピンクのスプレーを見ながら泣く深馬と繋がってるのかな?それともスプレーのインク切れでイライラする深馬?上の人の汚れか何かをピンクのスプレーで消した行為は結局なにに繋がっていたの?教えて有識者
あと最後の白真未登場シーンがよく分からなかったのだけどここの解釈を聞きたい。→この解釈について、twitterのレポで「あれは未来の深馬の姿で秋に咲いてしまった桜である深馬が再び桜として咲ける未来を予感させてる」ってあってめちゃくちゃ腑に落ちた。確かに白真未に桜降ってきてたし、いろいろなしがらみから解き放たれた後の深馬の姿なんだろうなあ。

レイナちゃんの杏奈。登場人物の中で唯一まともに就活もしてるし、健気だし、守ってあげたくなるような女の子だった。でもこれは男から見た視点で、もし私の近くに杏奈みたいな女の子がいたら苦手なタイプだろうなあと。確かに健気だしいい子なんだろうけど、それが裏目に出ちゃっているタイプ。天然系あざとい。北見に相談乗ってもらってるシーン、深馬はどうやって変わったのか、北見だったらどうやってスランプを乗り越えられる?って聞くシーン、北見の出す答えに対してひたすら「他には?」って返すところがあるんだけど、北見は北見で杏奈への想いが少なからずあるだろうから、なるべく恋愛系じゃなくて面白くて杏奈が元気出そうな答えを出すんだけど、納得がいかない杏奈はひたすら「他には?」って聞き返すの、そりゃ北見も「ズルいよ、杏奈ちゃん」って言うわ。ズルいよ杏奈ちゃん。北見報われてほしい。

小日向くんの原田。彼もまた色々な苦悩がある役どころだなあと。原田が北見と深馬を引き合わせてくれたおかげで3人が仲良くなれているわけだけど、彼も彼で自分は空っぽだと言っていて。彼の悩みはあまり表面に出さないながらも原田にとっては劣等感があるにしろ北見と深馬は大切な親友だったんだろうなぁ。と。いつまでも3人でビールを飲んでいてほしい。
そういえば最後の深馬私服、原田北見スーツの居酒屋のところで原田がオールバックだったんだけど、それは冒頭部分で原田が言ってた「そんなに好きな人に会えなかったら…オールバックにするよ!(ニュアンス)」の伏線回収でしょうか。

岡田さんの滝川先生。いや、さすが岡田さんという感じ、最後の最後で本当に鳥肌が立ちました。狂気そのものだった。滝川は自分が叶えられなかった夢をすべて深馬に託そうとしていたんだよね。だけどそれを投げ出そうとした深馬。滝川先生も滝川先生でずーっと心の中で生徒に対して嫉妬心ももっていたんだろうね。確かに15年の努力を生徒に奪われたら辛いよなあ。最後の最後に岡田さんの演技にもってかれた。凄かったです。(語彙力)


濃厚な2時間10分でした。
今回はご縁があって見に行けることができたけど、
庄汰さんの北見が本当に素晴らしくて。
どうか配信をしてほしい。お願いします。

言葉に表すことが苦手でぐっちゃぐちゃの文書でごめんなさい。
伏線がところどころで散りばめられていて、あれも伏線なんじゃないか、これも伏線なんじゃないかと気になりだしたら止まらない。
また何か思い出したら書き足します。

最後まで無事に駆け抜けることができますように。

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