〈まとめ〉池内先生の本(著書&訳書)+受賞情報


はじめに

Awiです。
今回は、先生の単著(Amazonリンク等)の情報+おまけ的に、先生が受賞した各種賞の情報まとめです。

ただし、これ実は、先生のプロフィールを見れば一瞬で完結します。
さらっと単著リストと受賞歴を見たい人は、こちら、先生のブログ•中東イスラーム学の風姿花伝:プロフィール欄へどうぞ。

受賞については、そのうち最後は本に対しての受賞じゃないんだけど…今のところ他の記事に入れるような機会がなさそうですので、強引にここに入れておきます。

それから、ここはAwiのnoteですので、私らしく、検索してきた情報等々&アホなオタクの駄文を付け足しておきました。検索した情報は、書評、出版に際して、先生のインタビュー、先生がご自分の著書を紹介・振り返ったものなど。

私の長い読書感想文は、時間ができればそのうち書くかもしれません。


著書

2002年1月
⚫︎現代アラブの社会思想

今回、これを書くに当たって、講談社のサイトを覗いて来たけど…宣伝用の情報も何にも見当たりませんでした。
2002年の日本って、インターネットで情報検索って普及してない感じですよね。

そこで先生のブログ記事引っ張ってきました。

そして、こちらは9刷を受けて書かれた先生のブログ。
13年の月日を経ての想いが詰まっていると、私は思います。


2004年2月
⚫︎アラブ政治の今を読む

私はどういうわけか、池田明史先生(ROLESのリンクつけておきます)が、書評をした記事のコピーを持っているんですよね…。
多分画像を載せると著作権の関係でNGだと思うので、抜粋。

著者の筆鋒は、現代アラブ世界の思想状況や政治構造を明晰に分析しつつ、いわば地域に淫してきた我が国の中東研究のあり方や我が国のイスラーム認識の問題性を剔抉していてまことに鋭い。
分析の対象から不即不離の距離を自覚して保つという緊張感に耐え続けてはじめて、地域研究者が異文化理解の現実に切り込めるのだという自明の事実を、本書は小気味良いまでに証明している。

日経新聞(2004年3月28日)より


私にとってこの本は、P197の「イスラーム的共存」の可能性と限界——Y•カラダーウィの「イスラーム的寛容」論、これが特に印象に残っています。読む前に当時の日本の中東・イスラム学術界の予備知識があるといいのかな…。先生が発表した説が、学術会とは全然逆の方向性だったために、何度か先生の身にあれやこれや起きたんですよね…。(先生のSNS投稿を読んでると出てくる話)
ある程度の知識があってこの論文を読むと、ものすごくスリリングです。どのような反応があるか、わかって書いておられますから。先生の生まれ持った気性と、そしてずっと変わらない、先生の考え方の基礎になっているところがよくわかる論文ではないのかな。
P200、“真に他者との対話の橋渡しを志すのであれば、まず他者の思考に一旦内在し、その論理構造を把握する必要がある(以下略)“の箇所は、折に触れて、自分への戒めとして思い出す文章。


2006年4月
⚫︎書物の運命

こちら編集担当さんの文が載っています。

書物の運命、これはとても好きです…。
幅広いジャンルの本を選んで書かれた書評、中でもバーナード•ルイスの書評は先生の性格がとても出ていて良いですね。もう、ちゃんと「あえて言う」って太字で書いてあるもん。
先生の子供時代やエジプト滞在エピソード、イスラムの将軍が死の床で語ったという言葉を巡る考察など、内容は多岐に渡ります。読んでいると、たくさんの場所へ旅をしているようで楽しい本。


2008年11月
⚫︎イスラーム世界の論じ方

こちらは増補版が2016年に出ています。
増補版に情報をまとめていますので、そちらをご覧ください。


2009年7月
⚫︎中東 危機の震源を読む

こちら、書評と編集担当さんの文が載っています。
新潮社のサイト、すごくしっかりしています。本の紹介ページに熱量がある。他の出版社でもこういった取り組みがあるのかも?ですが、今回、いろいろ調べてみて、新潮以外の他の出版社でこういうの見ておりません…。
書評のタイトルが素敵です…「池内恵を持つ幸せ」。
…どなたですかこれを最初に言い始めたのは。オタクを殺そうとしていませんか…?


2015年1月
⚫︎イスラーム国の衝撃

こちらは、出版に際して先生のブログ記事リンクと、編集担当さんの文。


そして「イスラーム国の衝撃」は、出版と同時に日本人人質事件が起きてしまい、反響が凄かったそうなので、インタビュー出てます。
文春のサイト…お写真大きすぎてオタクの心臓に悪いのですが。

書評。

売れに売れたせいか…剽窃事件まで起きてしまったのですね…。


2016年5月
⚫︎増補版 イスラーム世界の論じ方

インタビューはこちら。

旧版の「イスラーム世界の論じ方」は、売り切れ後に高額転売の問題などもあったそう。先生のブログを読むと、考えに考えて増補版の出版にこぎつけたことが伺えます。

私、この中に収録されている、増補版P277、周縁の文学、これが好きなんですよね…
こういうものが書ける先生の感性が沼なんですけど。わかる?


⚫︎サイクス=ピコ協定 百年の呪縛

増補版イスラーム世界の論じ方」と同じ月の発売です。
こちらは、池内先生のインタビューも良いですし、編集担当者さんのお話も良いです。是非下の下までスクロールして読んでください。

先生のブログで紹介されていた書評。

元の書評は読めないのですが、書評を受けて先生がちょっと長めに書いているブログ記事、紹介しておきます。


2018年5月
⚫︎シーア派とスンニ派

今回のインタビューも楽しいです。

先生は今は大変にお忙しいので、すぐには無理だと思いますが、このシリーズの続きがいつか出ることを、ずっと待っております…

訳書

2008年
⚫︎コーラン (ブルース•ローレンス著)

この本は、2016年に翻訳を見直して新書になって出ています。
装丁がとても美しいので私は本棚に並べるならこちらがいいなあと思ってしまうのですが。巻末の塩野七生先生との対談も楽しいのですよね…

この本は〈名著誕生〉というシリーズの5冊目として出版されたようです。同シリーズの2冊目、ダーウィンの『種の起源』ジャネット•ブラウン著を翻訳された、長谷川真理子先生と池内先生の特別対談があって、それを収録した小冊子を私は持っています。写真はモノクロだけど、楽しい対談だったようで、先生がとてもいい顔してらっしゃるんですよね…note上では誰にも見せられないけど…(著作権)。


2011年
⚫︎中東戦記 ポスト9.11時代への政治的ガイド (ジル•ケペル著)

ブログで先生が本の紹介をしています。

「中東戦記」は、各章ごとのイントロダクションがあって、さらに本文の下段には延々と訳註が書かれているという、ものすごく親切な翻訳書です。
先生の解説で本を読んでいる感じですね。


2016年
⚫︎コーランの読み方 イスラーム思想の謎に迫る (ブルース•ローレンス著)


先生のブログ、発売後すぐ増刷が決まったという話など。

読み比べるために、結局新書も買ったオタクですが何か。
イスラーム世界の論じ方も、増補版を買ったのに後から旧版を探して購入しています…(頭おかしいのは重々承知)。

本については、ここまで。

受賞

さて、ここからは受賞歴とその情報。

2002年 第2回 大佛次郎論談賞
⚫︎現代アラブの社会思想


2006年 第5回 毎日書評賞

⚫︎書物の運命


2009年 サントリー学芸賞 思想•歴史部門
⚫︎イスラーム世界の論じ方

受賞者一覧(2000〜2009年)
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/year/2000.html

選票
https://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/detail/2009sr1.html


2015年 第69回 毎日出版文化賞 特別賞
⚫︎イスラーム国の衝撃 

受賞に際して、先生のブログより。


2016年 第12回 中曽根康弘賞 優秀賞
*中曽根康弘賞については以下のように、説明がされています。

新しい国際秩序の創造、地域経済協力体制の構築、飢餓・貧困の克服、パンデミックや激甚災害への対応及び環境・エネルギー問題など、地球規模の課題に積極果敢に取り組み、かつ、国際的に業績をあげている若い世代を対象として、2004年に創設された表彰です。その努力を讃えつつ、さらに新たな活動を奨励することで、真に平和で豊かな国際社会の実現に資することを目的としています。

中曽根康弘平和研究所HPより

…ということで、本に対して与えられるものではありませんけれど、ここに並べておきます。
授賞式の写真あり。

こちらには、受賞について、先生のコメントが掲載されています。細谷先生や川島先生の論文も載っている豪華な季刊誌。
季刊誌 IIPS Quarterly 2016年7月30日発行 P15
https://www.npi.or.jp/publications/data/iips_quarterly_07_03.pdf

ブログには受賞の際(講演またはスピーチ中と思われます)のお写真あり。

以上、受賞情報でした。

おわりに

今回は久々に検索しまくったので少々疲れておりますが、非常に楽しい時間となりました。最近は、精神的にだいぶ負荷のかかる作業に取り組んでいますので、今回の記事で随分リフレッシュできたかなと思います。また、副産物として、先生のWeb上にある無料記事を色々拾えたのも嬉しかったですね。

…というわけで、今回は以上です。
この記事が、先生に印税が入るいくばくかの助けになることがあれば、いいのですけど…
(マニアックすぎて逆効果かもしれない不安もあります…どうしよう…)

ご覧くださって、ありがとうございました。

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