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スナック社会科それから

 下記のとおり、スナック社会科meetingを緊急開催しました。あれから2週間が過ぎ、店長始めスタッフの皆さん、企画に乗ってくださったikomaさん、おいで下さった皆さんと連絡が取れて皆さんご無事だったのでやっと報告があげられます。
 ここで、誰かが、私が、陽性で入院とかしようものなら通勤や職場ではなく、会場のロックカフェロフトがやり玉にあげられる。自粛の要請の中イベント決行したバカ共扱いになる。と結構気が気ではありませんでした。いまだに犯人探しやそれによって他人事にしよう(したい)とする風潮があるし、だれにも発病して欲しくなかったし。

 開催前日に書いたnoteのとおり、現時点では本当にあれが人と集まってお酒飲んで話したりする最後の機会になってしまいました。人も集まらなかろうと思っていたけど、急な上、週末の外出自粛の要請って謎の強制力を持つ言葉が流れ、挙げ句の果に雪まで降って、人影もまばらになり始めた歌舞伎町であなぐらに集まって話す感じで、例えるなら小川洋子の人質たちの朗読会みたいな雰囲気でした。ほぼ初対面同士の皆さんとあっちこっちに話題が飛びながら色々お話したのですが、話したり、笑ったりしながらも命を意識せざるを得ない状況ってとこが。そもそも、今の状況が私達みんな人質なんじゃないかって思います。

 当日は人数が少ないこともあり、私もikomaさんも店長の東さんも客席で皆さんと一緒にソーシャルディスタンスを保ってお話しました(ただの飲み会とも言う)。私が「この人のスタンス面白いなー」と思っていきなりDMを送り付けて企画に誘ったikomaさんとの出会い(基本的にスナック社会科のブッキングは全てこの方式)、スナック社会科を始めたきっかけ、前回の「在日は誰だ!」で起きたこと、思ったこと、自分の話が多かったように思いますが、そこにそれぞれの方のこう思う、ああ思うで広がった感じ。時間があっという間でした。私は家が遠いので終電ギリギリで皆さんよりお先に抜けました。
 前回の参加者はお店の方以外いなかったんだけど、チケットが無くなったり、お仕事だったりで参加したかったけど来れなかった人が大半で、その後のハッシュタグも追ってくれていたようでした。「在日は誰だ!」と問われて心にさざなみが立つ人は結構いるし、問えば自分に跳ね返ってくること含めてそれまで直視して来なかったことを知りたいと思ってくれる人がいることは希望。バタバタしてる間棚上げになってしまっている文字起こしもせねば。移民、在日と来て、沖縄(延期)という流れは私にとって必然というか自然だったんですが、唐突感を持つ人もいたみたいで「反差別」というより、それが生まれた構造と歴史、距離とギャップって追っていくとそうなるかなと。

 そうそう、そして、そうして、成宮アイコさんが来てくださったのですよ。いつか社会科に呼びたい人でもあって、でもファン過ぎて無理、とか思ってた成宮さんが。しかも、こんな仲の良い人でも集まりは避けるタイミングで。私が成宮さんを知ったのはやまゆり園の事件を取り上げた神奈川新聞の記事だったのですが、その頃は耳を悪くして間もない頃で、それまでの当たり前が何も出来なくなって引きこもっていて、かなり死が近いところにある時期だったのですが。その記事で、成宮さんの「私は亡くなった人の話も、犯人の人の話もどちらも聞きたい」って言葉と、こわれものの祭典という団体との出会いが語られてて、それ読んで「生きれる」と思ったんですよ。絶対にどんな状況でも「場」はあるなと。そんな方なので最初はそっちすら向けなかったのですが、酒の力を借りて話すことも、感謝を伝えることも出来て、本当に生きてて良かった。色んな人のおかげで生きてるし、色んなことや出会いが社会科始めたきっかけになっているけど、この、点がつながる感じを追って生きてるよ、と思います。成宮さんの言葉はしんどい時に一口頬って口の中に糖分が染みて「痛い、でも、美味い(泣)」ってなるお菓子の様な効能があるので是非。

あと、延期になったもう片方の片山真理さんとなみちえさんの回の話になって、企画にあたってなみちえさんとの打ち合わせをお風呂屋さんでしたのですが、お風呂に浸かって話してると最初から頭の蓋が開くから楽だったって話をしてて、でも、お風呂だと誰でもってわけに行かないね、お風呂に変わるものだと何があるかな、ってなって、そしたら成宮さんが「スイーツバイキング」とおっしゃって「おおおー」と。確かに甘いものも蓋が開く。しかもバイキング。さすが。前回出演者ゆかりのフードメニューを入れたけど、次回はスイーツをメニューに入れても良いかもしれない。

「スナック社会科」っていう場所を作ることで、日常生活の範囲では知ることのなかった人や話すこともなかった人と、出会ったり話をする。小さい点を打ち続ける。次がいつか本当に未定になってしまったけど、看板は降ろさず模索して行きます。どんな時もそのタイミングなのだと思います。生き延びて、また、お会いしましょう!。

※開催後二週間の自粛期間を設けて、更に二週間近く経ってしまった。ご挨拶やご報告が遅くて申し訳ありません。




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