見出し画像

スナック社会科presentsゆさカルツアーin金沢が終わりました。

 あっという間に1週間経ってしまいましたが、無事終了いたしました。会場と配信でご参加頂いた皆さま、誠にありがとうございます!会場にご来場の皆様には受付などでご不便をおかけしました。まだあと1週間、アーカイブの方はご視聴いただけますので、ご意見・ご感想も是非お寄せください!

また、見逃した方からのご要望でアーカイブ配信の販売を再開しております。引き続き、学生さん・被災地域の方は無料ですので、良かったらこの機会にご視聴ください。
書籍付きチケット、書籍のみも販売しております。送料込みで書店で購入するより若干お安くなっていますので、書籍未読で気になった方はこちらも是非。

 そして、ただいま文字起し原稿を作成中です。こちらはお時間いただきますが少々お待ちくださいませ。

 まだ未視聴の方もいらっしゃると思うので、詳細なレポートは追ってにしようと思いますが、気が付けば3時間半という長丁場でしたが、この「ゆさカル」という本のこと、カルチュラル・スタディーズについて、そして、金沢や石川県、北陸、という一括りに出来ない土地の話や歴史の話、話題は多岐にわたりあっち飛びこっち飛びしましたが、このゆさカル(に込められたカルスタを逆なですること)を軸に「いまここ」(人、場、含む)でしか出来ない話になったのではないかと思います。

 司会がド下手くそなのは相変わらずなのですが、ご登壇の皆様のパンチラインは炸裂し、フックになるところはいっぱいありましたね。中でも、山本浩貴先生のresponsibilityについての話のくだりはぐっと来た方が多かったのではないでしょうか。
 自分でもスナック社会科を開催するときは毎回考え、逃れられないこととして自分の持つ特権性や場を作ることで生じる暴力性や加害性というものがあります。当日のテーマやトピックが何であれ、そこに向き合いながら続けていくこと自体も、もはやテーマだとも思っていて、「自分の特権性を認めて、それを罪とするのではなく責任に置き換えていく」という山本浩貴先生の言葉はズシンと刺さり、心のなかで「浩貴!浩貴!」と山本浩貴先生を胴上げしていました。
 カルチュラル・スタディーズを背負う気はない、と稲垣健志先生が言えば、僕は背負いたいのに誰も背負わせてくれない、と山本浩貴先生が返し、笑ってしまったところでもあるのですが、やはりお二人の覚悟のようなものは伝わってきたし、同じ本を作った同じ学校でたまたま働いている研究者と言ってもスタンスは全く違うし、それでもこうして一冊の本を編み、個別バラバラな私(たち)ともこうして同じ場で話すことも出来る。
 終わりの方の稲垣健志先生のお話も重要で、ケイン樹里安さんがこの本の第一章で言ってたこととして重ねながら、自分(たち)で変えていくことも出来ることや、この本を批判的に継承するものが出てくると良いし、それは僕らじゃなくて構わない、という言葉など、「やはりパンクの人だな、D.I.Y(Do It Yourself)なんだな」と感動。
 ご自身では「自分は山本さんほど真面目ではない」「背負う気はない」と言いながら、こちらがゆさカルの企画をやらせてほしい、といってから当日のイベントから打ち上げに至るまで自由にやらせてくれる大らかさを終始感じていて、それは自分がD.I.Yを大切にしているように、他者のD.I.Yも尊重しているからなのだろうなと。だからこそ、「内灘闘争ー風と砂の記憶ー展」で、学生さんたちがあの手この手で実践をすることが出来たのかなと。
 
 私含め登壇者全員がよその人間ながら、今回金沢でできたこと、登壇者だけでなく会場の皆さんやこの場所とも出会えたことも重要で、やはりお呼びして本当によかったなと思ったのですが、Jaewon Kimさんがいたことでより膨らませることが出来たと思います。
 中央ー周縁という二項対立ではなくその間にあるグラデーションも見ていく、という話も途中ありましたが、首都圏でイベントを開催して来れる人は首都圏の人で、遠くの人は配信で見る。というイベントあるあるの図式も、こうしてあちこちに行くことでその逆転も出来るし、二項対立になりがちな二項という境界をぼやかすことも出来る。その土地々との出会いやそこでしか得られない視点もある。昨年の京都、今回の金沢とその面白さにも目覚めたのでまた金沢でも、他の場所でもやろうと思います。

 この度はご登壇・ご参加頂いた皆さま、誠にありがとうございました!。石引パブリックの店主砂原さん、スタッフの皆さん、無茶ぶりばかりしてしまった北樹出版の福田さん・ちょうさん、記事で紹介下さった北陸中日新聞の松岡さん、毎回思いますが、誰ひとりかけても作れなかった場だと思います。適宜集合・解散で今後もひとりが一人を持ち寄って続けていけたらと思います。本当にありがとうございました。

Stop Genocideテプラ、FREE PALESTINEパッチ、STOP FANUCステッカー、永住許可の取消しに反対しますフライヤー、持参したZINEが広げられた写真
店頭に広げさせて頂いた連帯コーナー。イベント中もガラス越しに立ち寄る方や手に取る方が見えて心のなかでガッツポーズしてました。Make Some Noise!

【お詫びと説明】
 トーク後半、私と稲垣先生の留学に至る話のやり取りの中で「日本にいると人種差別が見えづらい」という発言が両者からあるのですが、文脈としては「高等教育を受けられる立場の日本国籍男性(私の言葉で言うどマジョ中のどマジョ、特権性がかなりあるという意味)が日本にいると人種差別は見えづらい」というもので、歴然として日本にも人種差別もその他の属性に対する差別も「ある」し、エクスキューズなく言ってしまっていたので、踏みつけられる思いをされた人もいらしたかと思います。不用意でした。誠に申し訳ありません。

※4/11(木)追記

当日のお話の中にあった山本浩貴先生の国立西洋美術館であったことへの応答の記事が出ました。特権性やレスポンシビリティの話も出ましたが、そこへ繋がるものでもあると思います。是非、お読み下さい。

改めて、こう問いたい——その「声」は誰のためにあるのか?

2024年3月11日に国立西洋美術館で起きたこと、2023年10月7日から——あるいは、もっと以前より、そして、この瞬間も——ガザで起きていること #1 (文:山本浩貴)
より引用

(そして、また「浩貴!浩貴!」と心の中で胴上げしてます)

いただいたサポートはスナック社会科運営資金として大切に使わせていただきます🍺 いつか乾杯しましょう!