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『ラストダンス・メモ』



何回もはじまっておわる。


別れ際、いつまでこんな想いをしていくんだろう。

いつになったら言葉にできるんだろうか。

 
また「行かないで」と言えなかった。


いつだって私たちは、好きな気持ちを押し殺して、

何かを背負って、身に纏って、口を塞いで。

ちょっとした達成感と引き換えに、涙を流すのをやめてみる。

 
でも、止められなくて。

止められないくせに、終わり際だけかっこつけて。

一体誰のための優しさなんだろう。

わがままになっておけばよかったな。

でもあと一度、キスしたらきっと離れられないから。

できないね。


記憶の中のあなたのくちびるを想像して、

目を閉じて、気持ちだけ満たして、知らない世界へ歩いていく。


・ 


『ラスト・ダンス・グレイス』という短編を書く前に作ったメモ。


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