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『朝。君がコーヒーを淹れてくれないので不機嫌』



はあ……。


機嫌? 悪いよ、そりゃね。

ただでさえ朝弱いの知ってるでしょ?
もうね、全然、目、覚めない。
いつでも寝れる。



はあ……。


朝ごはん、つくるかあ……。


……。


……フルーツグラノーラでいいかな、もう。


……。



……コーヒー、飲みたい。


…ねえ、コーヒー。飲みたい。



きみのコーヒーじゃなきゃ、私、起きらんない。


淹れてよー。ねえ、
いつも用意してくれてるじゃん。


なんだよ。勝手にハマったくせに。豆ばっか買って。
急なんだよ、いつもいつも。


正直最初は「はあ?」って思ってたよ。
台所の物、いっぱい増えるし。


私、コーヒー飲めなかったのに。
美味しいの知ったら、飲めるようになっちゃったの。


きみのせいで。きみの責任。


そう、責任があるの。
だから、今すぐ、私はコーヒーを要求します。


要求しますので、応えてください。

ほら、はやく。


……。


はあ……。


だって、私じゃ淹れ方わかんないし……。
どうしたら、いいかわかんない。



どうしたらいいか、わかんない。


わかんない。


わかんないよお……もう。




味も、もう、思い出せなくなる……。



……。



…淹れてくれないなら、起きたくない。




勝手にいなくなるなよ。
ばか。さいてー。


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