見出し画像

私を構成するマンガ5冊(百合編)

最近ツイッターで流行っていた「私を構成するマンガ5冊」って企画、自分の影響を受けた作品が入ってなかったので呟かないでリクエストを送っていたんだけど、いつまでも待ってるとこの企画を忘れてしまいそうなので、ここで書いちゃおうかと。

ちなみに百合編。そして初期の方で触れたものに限定。(以下、参考企画のURL)

1:『熱帯少女』

吉富昭仁先生を知ったきっかけは『BLUE DROP』だった。アニメが放送していたこともあって、いつも通っていた書店の入り口にコーナーが作られており、何度もその名前を目撃していた。(というか初期『BLUE DROP』って電子版出てないんですね。持っててよかった紙版)

当時、百合についてまったく知識がなかった僕は、百合コーナーにずらっと並ぶ見知らぬ名前の中に吉富先生を見つけて、まるで無人島で知り合いに出会ったような安心感に包まれ、迷わずこの『熱帯少女』を手にとったのだった。

自分の中で百合といえば、夏・海・制服というイメージが刻まれた一冊。世界に二人だけしかいないと感じさせる描写がとても好きで、「二人の世界」ということを意識するようになったのはこの漫画のおかげ。原体験。

2:『かわいいあなた』

『熱帯少女』と一緒に手に取ったのが、乙ひより先生『かわいいあなた』タイトルと絵柄に惹かれて購入したこの漫画との出会いも、僕にとっては重要だった気がする。

王子様×お姫様文脈で語られる表題タイトルの「かわいいあなた」が特に印象に残っている。「王子様にみえてお姫様、お姫様にみえて王子様」というのは、僕の中にあった「男だけど可愛いものが好き。かっこいい女の子が好き」というようなアンビバレンスなもの(?)を肯定してくれるように思えた。(こういった感情は今では珍しくないかもしれないけど)

『熱帯少女』が百合との出会いだとしたら、『かわいいあなた』は百合の中に自分の居場所を見つけたような作品。

3:『青い花』

紹介するまでもないくらい有名であろう志村貴子先生『青い花』この作品からエロティクス・エフの存在を知った人も多いのではないだろうか。青い花特集号はまだ大事にとってある。(今見ても錚々たるメンツ……)

ノイタミナ枠で放送していたアニメにハマり、原作を買ったという典型的な流れ。アニメが放送していた2009年、僕は浪人をしていて、青い花の放送が毎週の楽しみだった。受験や色々で百合から離れていたのだけど、青い花のおかげでまたこの世界に戻ってくることができた。(むしろ以前よりもディグるようになった)

アニメの話が多くなってしまったが、志村貴子先生の漫画は白と黒のコントラストがとても綺麗で、純度高く心を抽出してくれるので好き。杉本先輩と京子の虜になった人間です。

4:『GIRL FRIENDS』

「百合入門にオススメ!」という評判を聞いて手に取ったのが森永みるく先生『GIRL FRIENDS』良い意味で王道百合漫画だと思っている。徐々に積み重ねられていく関係も素敵。「女の子と女の子だからできる表現ってあるよな」と思わされた作品。

ちなみに『GIRL FRIENDS』が連載していたコミックハイ!って丁寧に恋愛の過程を描いている漫画が多くて、百合漫画以外にもいろいろ買い漁った記憶がある。百合という概念以前に、僕はラブコメに類するような恋愛が関わってきたり、人と人が愛し合う物語が好き。

5:『少女セクト』

肉体的濃厚接触のある百合は、『少女セクト』がおそらく初めてだったと思う。発売当初(?)ネットで話題になっていて、「どこも品薄だ!」みたいな記事は記憶に残っている。メガストアで連載していたのに年齢制限がないのも驚いた。

『少女セクト』を読んだ時、なんだか一人前になったような気がした。本棚に並んだ背表紙をみるのが好きだった。僕にとって『少女セクト』は通過儀礼のような存在だったように思う。この本を持っていることが、ディープな世界に足を踏み入れた証である、みたいな。勲章的存在。

さいごに

ここで紹介した以外にも百合の摂取は恒常的に続けているし、他にも衝撃を与えた作品はあるけど、「私を構成する」って視点だと、初期に触れたものがいいかなと思い、このラインナップになりました。

百合の話をするとやっぱり楽しい。最近は辛いニュースを多く目にしますが、こんなときこそ、好きなもの・大切にしているものに触れて、自分を見失わないようにしたいですね。


<『二十年代黙示録』 第4回目>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?