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『このみじゃないけど、きらいじゃない』

隣にいて欲しいなあって思っているのは本音で。

だから、あたしはあなたと一緒にいるわけで。


朝、教室に入って真っ先にあなたと喋る。

昼、くだらない噂話をしながら、スマホいじってご飯を食べる。

放課後、一緒に帰る。時々、カフェとかファミレスに行くときもあるね。

夜、ラインでスタンプ送りつけたり、面白い動画見つけたら共有したり。

なんとなく暇になったら、長電話してさ。

気づいたら三時間くらい経ってて。二人で爆笑して。


そんな毎日、なんとも思ってなかったけど、

なんとも思わないくらい、あたしにとって、ふつうだったんだよ。


だからさ、

友達いなくなっちゃうから。


告白なんてしないでよ。


好きって言わないでよ。


あたし、わかるよ。


あなたの瞳が、すこし違うこと。

手を握った時の温度が、高いこと。

心拍と表情が、あってないこと。


わかってるの。

でも、ごめんね。


あなたと特別になるよりも、

あたしはこの日々が愛おしいの。


そこまで踏み込めない。ううん、踏み込みたくない。

この距離感が、あたしにとってのしあわせだから。


だからさ、あなたが気持ちを口にしてしまわないように。言うね。


「このみじゃないけど、きらいじゃない」


あなたの気持ち、ずっと、気づいてないふりするから。

ズルくても許してね。


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