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レイニー・ヴァニラ・グレイス poetry


声のような雨

雨のような声


私の中に降る

きみという存在


降る


見境なしに 降る

取り止めもなく 降る

季節を忘れても 降る


降って止んで 焦がれて

降って 泣いて 溢れて


泣いて 溢れて 降って


降って 降って

静かに なって


果ての 港の ベッドの

ぬくもり が

優しい痛みになるまで


まわりゆく 

ぬくもりが

乾いたそよ風になるまで

まわりゆく 


時と時の境目を

ぼやかすように



レイニー・ヴォイス

つらなる詩篇



溶けた私の感情を注いだ地点 水辺


水面の上に立ち みつめる 視線の先


レイニー・ヴォイス

つらなる詩篇



物語のままで終われない

美しい記憶にも満たない

愛にもなれない

ひそやかな情緒


なだらかな白い草原に横たわり

水滴を纏って

束の間の夢をみる

私たち


レイニー・ヴァニラ・グレイス


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