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人の見え方はTPOでガラッと変わる (73/365)

どうにも相性がよくない人っていますよね。ちょっとした会話でもイラっとしたり、空気が悪くなる。頼んだこともしっかりやってくれないし、期限の約束も守らない。こうなると顔を見ただけでテンション下がります。

上司がこういう人だったら一番きついかもですが、同僚でも、部下でも、友人でも、家族でも、親戚でも、こういう人がいるものです。直接関係なくても、メディアでみる政治家や評論家に対しても同様の感情を持つかもしれません。

相性が合わない人とは、距離を取る、というのが私の基本ポリシーです。もちろん思うようにいかないこともありますが、できるだけ距離を取って関わらないようにする。これが、心の健康を保つ最大のコツかと。

でも、少しだけ心の余裕が持てるなら、こういう人に関心を向けてみるのもときにはよいとも思っています。なぜか?理由はふたつあります。

理由①
耳の痛いムカつく指摘の中に、大事なことが含まれている場合があります。「あームカつく!」と遮断する前に、たまにはちょっとだけ耳を傾けると何か気付きがある、かも知れません。

理由②
使えないやつ、と思っていた人が、ある時、ある局面で素晴らしい働きをすることがあります。こちらから見えるのはその人の一面に過ぎなかったということに気付ける、かも知れません。

理由①、にまつわる経験談
ある経営セミナーの冒頭で、講師の大学教授に基本的な質問をしたところ、「このセミナーに出るなら前提知識としてそれくらいは知っておくべきだ」とけんもほろろ。当然回答もありません。質問の真意は他にもあったのですが説明する気は失せてしまいました。

のっけから気分が悪いので退室しようとも思いましたが、ちょうど数日前に、「耳に痛い言葉が大事な気付きをくれることがある」と友人と会話していたのでそのまま受講を続けました。

結果として、学びの多いセミナーでした。すると、休み時間に講師が近寄ってきて、「先ほどは無礼なことをしました。しっかり学んでいってください」と。彼も朝からなにかいやなことがあったかも知れないな、と俯瞰することができ、後半もしっかり聴講できました。

理由②、にまつわる経験談
ある製品開発に関わっていたとき、Aさんは、いつも適当な発言だし、担当した仕事もいいかげんで期限も守らない。会議や飲み会でもなんか噛み合わず、イライラしていました。結構辛辣なことも直接言った記憶があります。

製品開発が佳境になり、工場で試作品を作る段階になったのですが、部品の持ち込みの日程が遅れ、しかも大雪となりました。そんなとき、彼は壊れやすい試作部品を大事に抱えて飛行機で現地に飛び、運転手さんを説得して社有車で工場に向かいまいした。工場では作業日程に余裕がないことを技術者の方々に詫び、なんとか試作を成功させてくれたのです。

まさに、タイトルの通り、人の見え方はTPOでガラッと変わる。私は彼の得意なことがぜんぜん見えてなかったのです。試作の打ち上げで、私は勇気を持って彼と握手をして、今回の貢献に感謝するとともにこれまでの非礼を詫びました。「あなたのことを理解していませんでした。申し訳ありません」

相性の良し悪しは避けられません。しかし、リスペクトを持って相手を観ることはとても大事です。よく、「人のいいところを探せ」と言いますがまさにその通りです。こどもの頃もそうでしたよね。成績はビリだけど、かけっこなら負けない、とか、数学は苦手だけど絵を描くとすごい、とか。本来そういう個性が集まってこそ大きな価値を生み出せるのだと思います。

何かムカつくことがあったら、この話を少しだけ思い出してみてください。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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