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帰化選手獲得・申請の手引き④(最大の難関!!在留期間3年)

プロバスケットボール選手の場合、日本国籍取得にあたり、最もハードルが高いのがビザの在留期間に関する要件です。

2022年の帰化許可基準見直しにより、ビザの在留期間が「3年」以上である事が求められるようになりました。

プロバスケットボールの場合、殆どの選手が「興行」という在留資格です。

在留期間とはその選手が、新規入国許可もしくはビザの更新許可を得てから、日本国内で滞在できる期間になります。

具体的には2024年6月2日から2025年6月2日まで「1年間」、2024年6月2日から2027年6月2日まで「3年間」のように、ビザの更新手続きが不要で適法に日本に滞在できる期間が「在留期間」です。

「興行ビザ」の在留期間は入管の審査により、原則「30日」「3か月」「6か月」「1年」「3年」いずれかが決定されます。

「興行ビザ」は数ある在留資格の中で、最も「3年」の在留期間の許可を得る事が難しいです。

分かり易い事例ですと、大相撲の番付上位力士でも「3年」の在留期間を得るのが難しく、殆ど「1年」以下の在留期間になります。

入管へ提出するビザの申請書に「3年」と書けば、「3年」の在留期間になると勘違いされるケースが非常に多いのですが、申請書に「3年」と記入をしても、入管当局がこまめに在留状況の確認をする必要があると判断した場合は、在留期間を短くし「1年」「6か月」などの在留期間を決定します。

このように在留期間を短くすることで、入管当局は「1年」おき「6か月」おきという短い期間で当該外国人の方が、適法に日本国内で滞在をしているかビザ更新時に確認をする事ができます。

3年の在留期間が付与されるケースは、入管が3年間は当該選手については在留状況を確認せずとも、問題なく日本国内で滞在できるという判断をした、いわゆる信頼の証が「3年」の在留期間と言えます。

最近の傾向ではプロバスケットボール選手の在留期間は、Bリーグ発足当初と比較して「短縮の傾向」にありますので注意が必要です。

では、在留期間はどこで確認すればよいかという問題ですが、選手の在留カードで確認します。こちらの方の在留期間は「1年」になります。

この場合、帰化申請をしてもほぼ許可がおりる見込みはありません。

帰化申請は届出制ではなく、法務省による許可制の行政手続きです。

何度も書きますが、帰化申請受理=帰化許可ではありません。

もし、在留期間「1年」でも帰化許可がおりると説明を受けたら、事実であるかクラブ様より所轄の法務局に確認する事をお勧めします。

選手の在留カードの情報があれば、在留期間「1年」で帰化許可がおりるかについては、回答してもらえます。

かみ砕いて説明しますと、在留期間「1年」で帰化申請の受理をされたとしても、それは日本国籍を取得できる事を保証するものではなく、申請受理をもって「帰化選手を見込み」契約してしまうと、クラブのチーム編成に大きな影響を与えてしまう為、法務局で許可の見込みがあるか確認しておいた方が良いのではないでしょうかという事です。

バスケットボール選手の場合、他の就労ビザで滞在している外国人の方と比較しますと、在留期間の部分で帰化許可が難しい一面がありますが、ある一定の条件を満たす事で「3年」の在留期間を得られる場合がありますので、「興行ビザ」だからという理由で諦める必要はありません。

このように「興行ビザ」でも「3年」の在留期間が許可されるケースがあります。

弊所でも、どのような条件が揃えば「3年」の在留期間が得られるか、実務の研究をして一定の答えを持ち合わせています。


プロバスケットボール選手の場合、殆どが「興行」という在留資格ですが、奥様が日本人の場合「日本人の配偶者等」という在留資格になります。

「日本人の配偶者等」の場合、「興行」と比較し「3年」の在留期間の許可を得やすいです。

目安としては、結婚し婚姻届けを提出してから日本国内において3年以上、結婚生活の実態があり、ある程度の年収があり、住民税の納付や国民健康保険料納付などの公的義務を履行し、交通事故等を含み刑事犯罪などがなければ「3年」の在留期間を得られる確率が高まります。

また「日本人の配偶者等」のビザで、在留期間が「1年」であっても、婚姻届を提出してから日本国内における結婚生活が「3年以上」であれば、「1年」の在留期間であっても帰化許可の要件を満たすと、法務局より説明を受けています。

ただ、殆どの選手は「興行ビザ」で、在留期間も「1年」もしくは「1年未満」といったケースが多いので、日本国籍取得を目指す場合、しっかりとした計画を立てて、許可の要件を満たしていく事が重要です。

第五回に続きます。

帰化申請についてのご相談はこちら。

バスケットボール選手専門 帰化申請サポートチーム (basketball-kika.com)


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