1月27日 (木)

数日前に、用事で昔住んでいた街に行った。
特に用事のない時間を過ごした街。
喫茶店や安居酒屋に吸い込まれた街。

住んでいた時、よく通る商店街の路地にいつも気になっていたジャズ喫茶があった。
自分が通ってた珈琲屋のマスターが若い頃に通っていた店。
白い外壁の窓から中が少し見える。いつも窓際の席に1人、カウンターに1人といった具合。
6年住んだが、少し気を遣ったのか、結局そこには行くことがなかった。


用事の帰りに通りがかって、初めてその店に入った。客の居ない店内で、マスターが雑誌を整理していた。

スピーカーから大きな音が流れる。
スティーブ・ガッドからブレッカー・ブラザーズへ。
冬なのに、窓からの陽射しが暑かった。
大きなカップに入った珈琲と一緒にタバコを2、3本吸って店を出た。
ジャズ屋の昼下がり。


初めて入ったのに懐かしい気がしたのは、通っていた珈琲屋のマスターの中にこの店で過ごした時間が染み付いているからだろう。


時が経って、いろいろあって、今は自分が喫茶店の店主をしている。
果たして、過ごした時間は連鎖しているのだろうか。

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