1/29(土)

今日は自分が以前、教員をしていた時に担任した子がお母さんと一緒に来てくれた。

久しぶりの再会かつ、学校という場所以外で会ったことがなかったため、向こうもこちらも少し緊張していたように思う。
学校はどうか、大きくなったね、など、ありきたりなことしか言えず。
自分の照れた距離感に少し後悔しつつ、そんなことよりも、来てくれたことがなにより嬉しいなと思い返す夜。


その子のお母さんと話す中で、「やろうとしてることの本質は教員の時と変わらないんですよ」という言葉が自分から不意に出て、そうかと変に納得した。

子どもからお客さんへ、対象は変わったけど少しでも心地の良い世界を作ることを目指している。
教員の仕事はそれだけじゃ駄目だと思ったから、今ここにいるのかもしれない。多分それだけしか目指せないんだろう。


あの頃は教室で、教科書を武器に闘っていた。今は自分の店で、珈琲に本に音楽、好きなものという武器をたくさん抱えて珈琲屋という仕事をしている。




昔、RCサクセションの「ぼくの好きな先生」を聴いて、いいなあと思っていたが、現実はそうは行かず。
教員時代、ありがたかったことや嬉しかったことの思い出の片隅にずっと、苦しめてしまったであろう子への申し訳なさや不甲斐なさがこびりついている。
先生という枠を越えられず、自分が何かを盾にしながら生きるずるい大人になったような気がして、思い出以外のいろんなものを捨ててここにきた。


明日は誰が来るだろう。
お客さんがいる時もいない時も、営業後に一人で考え事をする夜も、何かしらドラマチックだ。
珈琲屋という商売はやめられない。

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