Vol.56 名人級から学ぶもの

早朝に母親を連れてホテル周辺を散策していると、道端に咲いている野草の花を一つ一つ指差して嬉しそうに名前を呟き始める。結婚してからずっと専業主婦をしている母親だが、外に出ると目の輝きがまるで違う。花や葉の形状、食用の有無など、熱い想いで解説をしてくれるのだ。昔から野草や花が好きで、折りに触れて息子の私に語っていたが、探究心は今になっても失われていないようで、その分野については間違いなく学者並みの知識を持っている。水引の花を5分かけて解説した時は驚きを通り越して尊敬の念を抱いたくらいだ。

私の母親に限らず、それぞれの分野で活躍されている方々がいるが、名人級の技を実際に目の当たりにすると、何をどうしたらそこまで至るのか、秘訣を知りたくなる。同時に自分の知らない世界を追体験でき、そこから抽出して得たものを積極的に自分事として取り入れ、他と差別化できるよう自身を色鮮やかにしたいものだ。そうなれば、必然的にある分野については誰もが認める人物となるであろう。それを目標に今は黙々と歩き続けているのである。

まとめ
◯名人級の技から秘訣を探り、抽出したものを取り入れる。
◯ある分野で差別化できれば、誰もが認める人物となりうる。

日々是好日