クイーン×ディズニー考察5〜Dルネッサンスその2〜美女と野獣ー2

※記事を間違って消してしまったので、コピーをまたあげました。

ここには、命を懸けて仕事をした人物、そして、それを引き継いでいく意志のようなものを感じる。

美女と野獣
(概要)
美女と野獣(1991公開)
音楽:アラン・メンケン
製作総指揮:ハワード・アッシュマン
アカデミー賞歌曲賞(ビューティー・アンド・ザ・ビースト)・作曲賞:メンケン
アカデミー賞作品賞ノミネート(アニメで初のノミネート)

絶賛の「リトル・マーメイド('89)」に続き、

2人にとっての次回作「美女と野獣」。

元は、フランスの民話。

ウォルトも1930~50年に構想していた。

主な楽曲

主題歌:「美女と野獣(Beauty and the Beast)」

登場順から、

1.朝の風景(Belle)

2.そのreprise

3.強いぞガストン(Gaston)

4.そのreprise

5.一人ぼっちの晩餐会(Be Our Guest)

6.愛の芽生え(Something There)

7.美女と野獣(Tale As Old As Time)

8.群衆の歌(Mob Song)

など。(順や正確なタイトルもちょっと違うかも。すみません)

すべて作詞家ハワード・アッシュマン(と作曲アラン・メンケンのペア)の作品。

そして、「愛の芽生え」のレコーディングが彼の最後の作品とされている。

美女と野獣は、アニメ作品で初めてアカデミー賞の「作品賞」にノミネートされたという歴史的な作品。子供向けのはずのアニメの格が上がったということ。

前々作のブレイク・スルー作品「リトル・マーメイド」以上にヒットした。(因みに前作の「続・ビアンカの冒険」も続編の割に異例のヒット。)しかし俯瞰してみれば、ディズニーにとってルネッサンスの始まりに過ぎない。

特にエンド・クレジットの、世界の歌姫、カナダのセリーヌ・ディオンと歌唱力のピーボ・ブライソンのデュエット「美女と野獣(Beauty and the Beast)」がヒットし、この曲でアカデミー賞歌曲賞をとる。

しかしこの授賞式にアッシュマンの姿はなかった。

曲の細かな解説
7.劇中の「美女と野獣(Tale as old as Time)」の方は、ティーポットのポット夫人が歌う。

6.「愛の芽生え(Something There)」は、ベルが歌い、恐ろしく、醜いはずの野獣へ芽生える愛情をうたう。

「リトル・マーメイド」のアリエル・ソロ「パート・オブ・ユア・ワールド」と同じく、主人公の心情を歌い上げ、重要な曲である。

冒頭の「朝の風景(Belle)」もサビが同じメロディーである。

1.「朝の風景」は、

「ボンジュールx5」というやつで、

ごらん、あのこは、い~つ~で~も~、

すこし風変わり(ふうがわり)~♪

というやつだ。

クイーン関連では、

There must be more than this provincial life!
(この田舎の生活よりもいい場所があるはず)

というセリフがかなり気になる。

「頭がお留守(her head's up on some clouds)」とか。

近年ディズニー・ランドにもこのフランスの朝市みたいな噴水周りが再現されている。木組みのアルザス地方っぽい可愛い家が立ち並んでいる。羊が現れ、ベルの大好きな本を食べていく。

ベルは本好きで、冒頭でも「豆の木と巨人」などと言い、これはディズニー作品にもあるが、巨人はgiantでなく、ogreオウガといっている!(オウガ・バトル)

他にも、歌は、

ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guestビー・アワー・ゲスト)や、(強いぞ)ガストン、モブ・ソング(群衆の歌)など。

5.「Be Our Guest」は、燭台のロウソク、ルミエール(Lumiere,もとコック)がフランスのコース料理でベルをもてなす曲。フランス語も多用される。

あ〜れ〜、も〜、

こ〜れ〜、も〜

とか、

食べ過ぎには御用心〜♪

というやつ。

シャンデリアやシャンパンなど、キャバレーのショーのようでとても華やかで楽しい。

ルミエールは陽キャで声もよくソロもあるのでジーニー的な感じがする。

作品として
しかし、私が子供の時見た時は、晩餐会の部分は好きだが、この作品は全体的にあまり意味がとれなかった。

ドームに入ったバラの花の意味や、

いったい誰が敵なのかとか、

今何が起こっているのかとか。

ベル、早く逃げてー!としか思わなかった。

何でのんびり、いじわるなモンスターと食事しているのかと。

視聴中ずっと、このスキに逃げればいいのに!、と落ち着かなかった。

ラストも、野獣の変身した王子もワイルドすぎてなんか合わない。そもそもマッチョな黒髪のガストンがいい男というのがピンとこない。海が舞台のせいか現代風な感じのアリエルに比べても、昔話風フランス美女ベルもあまりかわいいと思えなかった。

とにかく子供心(5、6歳くらい?)にはよく意味が分からなかった。

したがって、ビデオ(ダビング)・テープが家にあったがあまり見なかった。

ディズニーとしては、フランス風に挑戦したので、そこらへんのおしゃれな感じが私には伝わらなかったのかもしれない。せっかくのフランス語という異国情緒も吹き替えだとわからないし。

私がオーストラリアで暮らしてたとき、2017年の4月ごろ、「美女と野獣」の実写がかなり流行った。ハリポタのハーマイオニーのエマ・ワトソンがベルを歌った。主題曲はアリアナ・グランデ。(私は残念ながら現地で見てない。日本はその前の年に「君の名は」がヒットしてた。)

とにかく、美女と野獣は、ディズニーの中では私にはあまり好きでない映画だった。

しかし、今は曲の部分だけYouTubeで見ると、それだけで泣いてしまう。

そこには一人の男の人生が込められていた。

何か伝えたいメッセージが、そこにはある。叫びが。

ハワード・アッシュマンはHIVウイルス陽性で、すでにエイズの症状が出ていたと思われる。

美女と野獣の公開を待たず、1991年に亡くなる。

追悼。

ここには、命を懸けて仕事をした人物、そして、それを引き継いでいく意志のようなものを感じる。



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