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蝶の教え ~観ずる「美」

こんにちは。
今日もご訪問ありがとうございます。

季節がどんどんどん進んでいますね。

桜の花が散るのと相前後して一斉に萌え出づる、
柔らかい新緑の勢いには毎年、圧倒されます。

この桜前線に呼応するかのように
いろんな虫たちも姿を現します。

そんな虫さんたちの中でもとりわけ、
タテハチョウの仲間は
春まだ浅く寒さも残る時期から
いち早くその姿を見せてくれます。

ヒオドシチョウ・越冬個体

それは、この子達が蝶の姿になってから
厳しい冬を越すから。

成体として越冬したものを
「越冬個体」と呼んだりします。

タテハチョウの仲間の越冬個体は
前年の初夏に大人になって以来
ずっと同じはねで飛んでいます。

なので冬を越して次の春になる頃には
ほとんどのコの翅はズタズタのボロボロ。

鱗粉りんぷんを失い、色もぼんやり。

前年に生まれた個体か、
この春新たに生まれた子かは
そうした理由で翅を見れば一目瞭然。

どんなに翅が傷んでいても、風を受け
なお凛として飛び続けるその姿には
出会うたび深い感動を覚えます。

目線いただきました♡

4月のはじめ。
ぶらりと一人、山へお花見に行った日。

訪れた先で出会った上の写真のコは
そこのお社に私がご挨拶中ずっと、
高い樹の上でくるくると舞い飛んでいました。

お天気の良い日で、
樹の下にいた私の足元に影が映っていて
蝶がいるなと気がつきました。

ご挨拶を終え、お社の裏にある
見晴らしのよい展望台に向かって歩いていると
高いところから地面近くに舞い降りて
ひらひらと後ろをついてきます。

すると私をついっと追い越したかと思うと
すぐ目の前の地表に降り立って休憩し始めました。


いやいやいやいや!警戒しようよ!!!


あんまり近いのでちょっとびっくり。

翅がひどい状態で、鱗粉もほとんど剥げていて
よくこれで飛べてるな…と、も一度びっくり。

スマホのレンズを近づけても逃げなかったのは
もうそんな力が残っていなかったのか、
それとも

「私を撮って!見て!」

と撮らせてくれたのか…

蝶は翅の模様や形でしゅ(名前)を
特定できることが多いのですが、
肝心の翅がこんな状態なので
名前は分からないまま。

至近距離で何枚か写真を撮らせてもらったあと、
撮らせてくれてありがとうとお礼を言って
ふたたび私は展望台へと向かいました。

しばらく雨がなく地面が乾ききっていた日。

お水があればよかったのかなと思いつつ
なんとも気高く凛とした佇まいが美しい、
後々とても気になったチョウさんでした。

徳島県吉野川の流れと讃岐山脈

このお山の生きものたちは
総じてのんびりしています。

道の真ん中で日向ぼっこしていた
枯れ枝と変わらないカナヘビさんとか。

枯れ枝かと思い、轢くところでした

写真は撮れなかったけれど
行く手に突然現れる、
道の真ん中で休憩中の
枯れ葉にしか見えない蝶さんとか。

車が近づいても
なにかをついばむのに夢中で
ちっとも気づかない小鳥さんとか。

この道中には民家が数軒あるのみ。

普段誰も通らないような山道で
ついスピードが出がちな坂もありますが
何度か轢きそうになるニアミスに懲りて
スピードは控えめに、ってことね…
と反省し、ゆっくりのんびり走りました。

蝶のお話は『旅の途中』にも書きました。
そちらの蝶と今回の蝶、翅の質感が違います。

タテハチョウの仲間の翅は鱗粉に覆われ
それが剥げると破れやすい感じ。

一方、アサギマダラの翅は
もともと鱗粉を持たない丈夫なセロハン紙風。

小さな蝶、ベニシジミ。

蝶が特別好きというわけでもないのですが。

幼い頃には田植え前の田んぼや畑に行けば
春には必ずなにかしらの蝶が飛んでいました。

いつの間にか日々の雑事に取り紛れ
自然を愛でる余裕もなかった時期を経て、
この春は出かければ必ずと言っていいほど
蝶を見かけることが続いています。

そろそろこの春生まれの
立派な翅を持つ子も飛びはじめました。

モンキチョウさん

人は見た目の善し悪しだけで
その存在さえ受け容れたり否定したり、
そんなことも平気でしてしまいます。

人になんの害も与えない虫に対して
見た目だけで気持ち悪いと毛嫌いしたり。

四国に伝わる民話や伝承、昔話では
よく、一夜の宿を求める旅人に対し
その身なりが見すぼらしいという理由で
断ったり邪険にしたら、
実はそれこそがお大師さんで…という
内容のお話がいくつも残っています。

目に見えるものが私たちに与える印象とか
インパクトって、確かにかなり大きいです。

しかし。

そうした、目に見えるものだけに
決して惑わされないようにと自戒しています。

それはやはり四国に住まう者の一人として
幼い頃の伝承が効いているのかもしれません。

本質の部分を心の目で見られるように。

繕いやすい見た目の美しさよりも、
隠された本質の美しさをこそ
観じられるように。


凛とした美しさ。

気高い美しさ。

厳しい美しさ。

優しい美しさ。

ひと口に「美しい」と言っても
なにに、どこに、
真の「美」を見つけるかは
人それぞれ。

誰の内にも必ず備わっている
いろんなタイプの真の美しさ。

ご自身の内面や本質の美しさに
ぜひ気がついてくださいますように。

そして。

タテハチョウにはタテハチョウの美しさ。

アゲハチョウにはアゲハチョウの美しさ。

シジミチョウにはシジミチョウの、
アサギマダラにはアサギマダラの美しさ。

誰にもある、唯一無二の美しさ

誰と比べるのでなく
その人本来の真の美しさ。

一人一人がそこに揺るがぬ自信を持っていれば
平和な世になり得るのかもしれない、
ふとそんなことを思ったりもしました。

モンキアゲハさん

もう4月も過ぎようとしていますが
このあとお休みに入られる方も多い時期。

お出かけの折に蝶を見かけたら
その翅もちょっと気にして
ご覧になってみてくださいませ。

お休みの方も、そうでない方も
どうぞよい一日を♪

#フラワーエッセンス #真の美しさ #蝶  

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