長谷川雄志 2023
冒頭に掲載のカットは、7月1日に行われたホーム群馬戦でのもの。メディアインタビューを終え、スタンドへの挨拶に来た姿を捉えたひとコマ。雄志ファンには堪らない、貴重な瞬間だったろう。
本来ならアンカーやインサイドハーフを主戦場とする雄志。この試合ではなんと3CBの左だった。コンビを組んだのは石尾崚雅、森昂大、長谷川雄志。三人が三人とも縦パスを刺せるタイプ。何より雄志のCBコンバート。出場機会がなかったこと。SB/CBに故障者が続出したこと。後方からのビルドアップを試行錯誤したこと。いろんな事情が重なり、CBとしてポカスタに登場し、90”フル出場してみせた雄志に拍手が惜しみなく送られた。我々が刮目し、胸がアツくなった夜だった。
では、2023シーズンの振り返り、行ってみよう！
アウェイ大宮戦
後半37’ 杉本太郎に代わって出場。プレーエリアはインサイドハーフだったろうか。雄志本来のポジションだったと思う。印象に残ったのがプレースキック。知ってはいたが、両足で質の高いキックができること。これは左足でCKを放った瞬間。ユーティリティー性の高さをもっと実戦で生かして欲しいと望むファンは少なくないはず。
アウェイ山口戦
後半22’ 玄理吾に代わって出場。インサイドハーフでしたね。この日は前半に2点先制し、後半に2点追いつかれて、2−2ドローに終わった豪雨の試合。太郎ちゃんがイエロー2枚で退場処分になったことも大きかった。水溜まりのピッチで思うようにボールが運べないなか、スライディングタックルで山口のビルドアップを潰していく雄志の力強さが光ったな。体もゴツくなり、トレーニングを積み重ねてきたことが目に見て分かる試合だった。壁にぶつかった時、何が足りないのか内省し、課題を克服していく。それが実戦で結果として現れた時、どれだけの努力を積み重ねてきたのだろうと想像し、胸が熱くなる。それはスポーツが本来持つ力強さですよね。そのプロセスを雄志は実践し、プレーで示してくれた。
天皇杯二回戦
CBとしてフルタイム（前後半＋延長戦）出場して、3回戦へ駒を進めた試合。3CBは内田航平、長谷川雄志、田向泰輝だった。なんと雄志がCBの中央に入った。高い強度で迫ってくる相手を時にいなし、時に潰しながら、後半45分までスコアレスで抑えた。何より、両足から繰り出す長短のパスが小気味よかった。あのリズム感。ビルドアップにテンポを与えていたと思う。空中戦でも負けてなかった。棚橋尭士のプロ初ゴール、千葉寛汰の劇的ゴールも生まれた「記憶に残る試合」でした。
ホーム群馬戦
3CBの左翼として先発し、90’フル出場したホーム群馬戦。本来ならここにレフティーの安部崇士が入るんだろうけど、スタメンは雄志だった。まるで左利きのようで、LWBだった和希への小気味いいボール展開。右足ではアンカーの白井やRWBだった太陽とのパス交換。雄志に預ければボールの正確な出し手になってくれる。受けに回った時も、左サイドの和希と連携しながら群馬の攻撃を潰していった。0-0のスコアレスドローだったけど、賞賛に値するパフォーマンスだった。メディアインタビュー後、スタンドに挨拶して回る雄志へ惜しみない拍手が送られた。感慨深いシーンでした。
アウェイ東京V戦
後半29’ 児玉駿斗に代わって出場。見慣れたインサイドハーフとしての位置だった。左右に配給しながらビルドアップを試みる姿。今季はCBをやったり、CMFをやったりと、トレーニングが大変だったと思う。その代わり、最後方だったり、サイドだったり、違った景色が見られたはず。RWBとしてシーズンの大半を過ごした太陽同様、この経験が今後のサッカー人生に必ず生きると信じてます。
ホーム甲府戦
後半36’ 森昂大に代わって最終ラインに入った。監督の意図は明らかに後方からのビルドアップ改善だったろう。ボールを持って前に押し上げ、左右に配給する。上掲の写真を見れば、右サイドに張り出した髙田颯也がボールをくれと要求していることが分かる。左右両足で、広角のエリアにボールを展開できることが雄志の強み。8月に入り、クラブは監督交代という荒技にでる。システム変更が入り、以降、雄志の出場は激減する。
2024シーズンの新体制が待ち遠しい。そこに雄志の名前があることを願っています。持ち前のテクニックに力強さが加わり、サッカー選手としての幅が広がった雄志。さらにパワーアップした姿をポカスタで魅せて欲しい。激動の2023シーズン、お疲れ様でした！
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