私の大好物 思い出した、なおみちの神走塁

浦添春季キャンプは今日、第2クールの最終日を迎えた。
短いオフの過ごし方は、知恵が必要だっただろう。それでも、自主トレ期間にしっかり準備をし、キャンプインしたヤクルトナインは皆、心身ともに健康そうだ。

昨日のとある練習風景。その記事を見た昼休み、思わず「ひゃっ」と心の声が漏れた。

本塁のクロスプレーを想定した、この練習。
2本のペットボトルをホームベースに置き、その間に手を滑らせベースタッチをする。

これ、大好物なのよーーーーーーーーー!

これよ!

これこれ!

2021年10月8日金曜日。対阪神戦。讀賣に3連勝して迎えた天王山は、初回早くも動いた。
2番・青木宣親のヒットも続く3番・山田哲人の内野ゴロで青木はアウト。山田はゲッツーを免れ、二死一塁となった。
そして4番・村上宗隆のセンター前ヒッで、一塁走者の山田が生還。先制点を奪取した。

その、山田の走塁!キャッチャーの阪神・梅野隆太郎のタッチを掻い潜るために、ホームベースの左側に回り込み、右手でホームの端に触れるこの走塁こそ、キャンプで取り組み習得した、ペットボトル練習の賜物なのだ。

この練習は、現・広島東洋カープの河田雄祐コーチが持ち込んだ。

河田コーチが広島に帰ると決まったとき、「あー、これで広島に走られる」と絶望的な気分になったことを思い出す。
しかし、元はと言えば、広島のものだったということか。だとしたら、ありがとう河田コーチ。笑

2019年5月4日土曜日、対中日戦。
5回、1対1の同点から、太田賢吾の内野ゴロの間に、三塁走者の西浦直亨が生還したときも、回り込んでの右手タッチだった。
「なおみちの神走塁」が出たこの日、ヤクルトは4対8で勝利した。

ヒーローインタビューで、西浦はこう言った。

ずっと練習してたんで。

「練習は裏切らない」を地でいくなおみちの素直な言葉に、ここまで実直に、練習したことを生かすことができるのがヤクルトなのかと、誇った日だった。

だから、大好物なのだ。

キャンプで練習したこの走塁は、前へ前へ、一つでも先の塁へ、前のめりで挑戦する、ヤクルトそのものだ。

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