切磋琢磨の真っ只中 北村恵吾
北村 恵吾(きたむら けいご)
2000年12月18日生まれ 岐阜県
2022ドラフト5位
内野手 右投げ右打ち
身長 182cm/体重 90kg
大垣北クラブ(大垣市立北小)─ 西濃ボーイズ(大垣市立北中)※ ─ 近江高(甲)─ 中央大 ─ ヤクルト
※岐阜県選抜(中日・根尾昂とチームメイト)
北村恵吾は、ドラフト5位ながら春季キャンプに一軍帯同している。新入団選手の浦添参加はドラフト1位の吉村貢司郎(東芝)と2人のみだ。
大卒ルーキーであることは、即戦力を期待されているということである。
ただ、やはり、プロのレベルというものは段違いなのだなぁとつくづく思わされる場面を見た。
2月12日日曜日。ANA BALL PARK 浦添で行われた横浜DeNAとの練習試合にフル出場した北村は、試合後の特打、ロングトスバッテイングにも姿をあらわした。
メンバーは「ヤンスワ」。ヤングスワローズの長岡秀樹、内山壮真、丸山和郁、赤羽由紘、並木秀尊、元山飛優、武岡龍世、古賀優大、奥村展征(27歳)、松本直樹(29歳)。うん、ヤングヤング。
切磋琢磨する仲間に入った新人くんは、明らかに体力が残っていなかった。
お兄さんたちは、苦悶の表情を浮かべつつも長打を量産している。
対する北村は、必死に腕を振るのが精一杯。球は外野スタンドまで飛んでいかない。
いくら即戦力として期待されていても、アマチュアとプロとの間にある壁は分厚い。
たしかに、過去のキャンプを振り返っても、特守の山田哲人と新人・吉田大成では、体力の差は歴然としていた。
大丈夫。プロの生活を続けていけば、すぐに追いつく。#絶対大丈夫
北村は元々ファーストだが、球団はサード、セカンドにコンバートさせる意向だ。このキャンプでも、村上宗隆とサードの練習をしている。
しかし、特打のあったこの日の練習試合ではファースト。そして、今日のオープン戦はDHの途中出場だった。
讀賣に0対6と大量リードを許し迎えた6回裏、サンタナの代打で打席に立った北村は、フルカウントからレフトスタンドへホームランを放つ。
オープン戦は毎年最下位のヤクルト。「あー、またこの季節がやってまいりました」と、何とか“ポジ要素”を探そうと無表情で見ていたヤクルトファンの目がびがーんと開き、歓喜の声が上がった。
チームの窮地を救ったのは、新人のひと振り。
あの、ロングトスで疲弊していた北村恵吾が、救世主だった。
第2打席でも、北村はレフトへタイムリーヒット。連続マルチヒットの存在感は、北村半端ないって。猛打賞を狙った第3打席は、デッドボールだった。
そして試合後のインタビュー。結局試合は負けたため、残念ながらヒーローインタビューにはならなかったが、たしかに、お立ち台に呼ぶとしたら北村だろう。
フジテレビone解説・真中満の問いにこう答えた、北村。真中の読み通り、しっかり考えて打席に立っていることがよく分かる。
さすが野球エリート。ここまで考えて打席に入ることができる人が、プロの門を叩くのだ。
今日はこの北村のホームランを皮切りに、並木秀尊、赤羽由紘、武岡龍世といったヤンスワが、「オレがオレが」と打ってきた。
当人たちは苦しいだろう。厳しい生き残りの世界で、友をライバル視しながら毎日追われるように暮らす。生きた心地もしないかもしれない。
しかし、切磋琢磨とは、徳を積むことである。
必ず、自分に返ってくる。だから、辛くても前に進め。
私がずっと、背中を押すから。
R5.2.23 thr.
S 6-7 G Op.戦
ANA BALL PARK 浦添
業務連絡:「けいご」って呼びたい。
(2023/02/23 22:51初稿 一部改変・転載)
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