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今日が最終戦。もう、明日はない。 ●F×S○ファーム15回戦

11月1日日曜日。ファイターズ鎌ヶ谷スタジアムで行われたイースタン・リーグ。
ファイターズ対スワローズ15回戦を以て、今季全日程を終了した。

例年なら、このあと「鎌スタふれあいイベント」が行われていた。選手との写真撮影やスピードガン競争、トスバッティング体験、ノック体験、キャッチボール体験、カビーファーム収穫のコーナーに分かれ、選手とふれあえる貴重なイベントだ。
この日は、入場と同時に、コンコースで選手がハイタッチでお出迎えするという、うれしいながらも緊張感満載のイベントからスタートする。

とにかく選手が近いのだ。時代は変わった。ファームはそれほど、独自の文化を遂げているのだ。

コロナ禍で、すべては叶わぬものとなった。しかし、これほど熱心な世界なら、ニューノーマルなどすぐに形成されるのだろうとも思う。

試合が終わり、鎌ヶ谷ファイターズがグラウンド中央で整列する。最終戦セレモニーが始まる。今年はこれだけ。それでもしっかり、節目は作られた。

荒木大輔二軍監督のごあいさつが始まる。
「こういうシーズンでしたが、選手たちは育っています。これからも応援よろしくお願いします」
荒木大輔が、育成のファイターズの育成のファームで畑を耕し始めて、3年の月日が流れた。

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▲監督の両隣はルーキー上野恭平くんと田宮裕涼(ユアタソ)。このあたり、ファイターズは抜かりない。札ドの国歌斉唱、栗山監督の隣は大田泰示だ。ファイターズは、抜かりない。

◇◆◇◆◇

私は、1塁側内野席で観戦していた。勝利したスワローズは、ハイタッチ列を崩しながら、ベンチに下がる。池山隆寛二軍監督が、「裏で!裏で!」と指示する声もよく聞こえた。
いつもなら、両ベンチで反省会が行われるところだが、この後、ファイターズの最終戦セレモニーがあるため、現地に残ることはできない。
「裏で」「反省会」「池山隆寛」。ファームは熱い。笑

ファイターズは、札幌ドームも鎌ヶ谷スタジアムも、ホームベンチは三塁側だ。1塁側内野席からは、ファイターズベンチが見渡せる。
最終戦セレモニーが終わった後、ファーターズベンチではいつもの反省会が始まった。
スワローズは、裏で反省会をしている…

ん?選手たちが出てきた?
私が座るスタンドの真下、一塁ベンチから、ヤクルトの選手たちが出てきた。
裏で反省会ではなかったのか?セレモニーが終わったから、グラウンドをお借りして、ここで反省会をすることにしたのか?
それにしては、なんだかワイワイガヤガヤしている。選手は皆、笑顔だ。

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ビジターチームでも、最終戦にはファンに向かって一礼する光景が、近年どの球場でも見られるようになった。しかし、ファーム球場では珍しい。本当に様変わりしたな。
そう思っているうちに、選手たちはホームベース付近に移動する。
どうした?何が始まる?
カメラ女子(女子)は、シャッターを切りまくるしかなかった。

おもむろに始まる、胴上げ。
上がっている人の顔も、確認できた。

今日が最終戦。もう、明日はない。

情報は、どこにも流れていない。でも、そこにいたスワローズファンは、察しながら、見つめ、拍手を送った。
人ん家をお借りしてでも、情報解禁前というフライングでも、それでも。スワローズはそうやって送りたかった。そういうことだ、と。

◇◆◇◆◇

どうして年寄りは、どんなに眠くても朝早く目覚めるのだろう。
寝ぼけまなこでスマホを手に取り、共同通信5:00の記事で、分かりやすい昨日の伏線は回収された。

ファイターズの皆様は、反省会を中断し、振り向きながら拍手を送ってくれていた。

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井野卓 いのすぐる
捕手 右投右打
昭和58(1983)年11月23日生まれ(36歳)
178cm/83kg
前橋工業高-東北福祉大-東北楽天ゴールデンイーグルス(2006~2012)-讀賣巨人軍(2013~2014)-東京ヤクルトスワローズ(2015~2020)

引退です。

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