声劇キャットファイト閉会

同じ相手と30日間(アンコールいれて31日間)
連日、一対一の声劇をするという狂気の企画
声劇キャットファイトが無事に閉会されました。

コンプライアンスが声高に叫ばれるこの令和の時代に
人体実験ともいえる過酷な企画を完走された
机の上の地球儀さん、めるさんには
敬意を通り越して敬愛を表します。
お二人とも大変お疲れ様でした。

さて、無事に本会も終わったことですし
少し意地の悪い話を書きます。

この人体実験、事の起こりは
キャットファイトに参加された
お二人がほぼ同時期に
「勝手に劇の予定が埋まっていく~」
というツイートをされていたことです。

おいおい劇が勝手に予定を埋めていくわけないだろう。

「上のお口はさておき、下のお口は正直だな!」

そう感じた私は、お二人が精魂尽き果てるまでお芝居ができる
キリング・フィールドのようなものがあればいいなという
想いに至りました。

私自身はお芝居をやりませんが、きっとこのコンテンツ
やる側はめちゃくちゃ楽しいのでしょう。

しかし、お芝居は独演劇を除き、原則一人ではできません。
相手を探してスケジュールを折衝し人間関係を維持しながら
周囲との関係性も保たなければいけません。

どんなに長くても数時間の限られた上演時間の中で
情動を右に左に振り回し、神経を集中させ全力を尽くす。
そのうえ、練習や本番は自由時間の最大公約数的に
だいたい夜から深夜にかけて行う。
ひどい場合は朝方になり、そのまま打ち上げに流れ込む。

うわあ、これ、自律神経完全破壊マニュアルじゃん?

声劇とは、強烈な愉悦の裏に、これまた
強烈なストレスを内在しているコンテンツだなーと
客席から一年近く見ていました。

「そんなドラッグ的な文化を、逃げ場潰して一か月ガチンコでやりあったらいったいどうなるんだろう!!」

このような感想を腹の底に抱きながら
ご縁をいただいた二人の劇修羅(ゲキグルイから進化した)に
呼び水を向けたところ、ノータイムで決定・開催に至り
昨晩めでたく完走されたわけです。

秘するが花ではありませんが、多少なりとも
裏側を見せていただいた私から、参加されたお二人の心身には
少なからずダメージがあったことは記しておきたいと思います。

「この企画に何の意味があるの?」
と聞かれても困ります。企画者が一番聞きたいです。

ただ、意味はないけれど、この二人にはとてつもない熱量があって
たぶん世の大半のことはこの熱量でカタがつくんだろうな
というしびれるような感想を味わうことができました。

芸術とは虚実を結ぶものなり、と言いますが
ただひたすらに二人劇を繰り返した先に結ばれた
「よくわからないけどすごくあついなにか」を
お二人より頂戴したことをご報告申し上げます。

ご参加いただいたお二人に、作品をお貸しくださった作者様がたに、観覧にきてくださったお客様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

ありがとうございました。

机の上の地球儀さん、めるさんの
今後益々のご活躍と心身のご健康を
心より祈念して結びとさせていただきます。

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